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ギリギリでバスに乗りこむと
最後部の片すみに
ちょこん とすわっていた
同じ塾の子たちと離れ
まわりを遮断するように
本を開いている
「よかった 帰りが一緒で」
となりにすわると ....
雑踏のあちこちに
発生する
ポップな電子音
それぞれの手のひらの中
ぽろぽろと
カラフルな想いをつかまえる
まるでゼリービーンズのよう
人工着色料かけた
ねじれた言葉が小窓にな ....
親指でしか語れなくなった
指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを
まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
とうりゃんせ と唄われた
神社の裏手
一本の老樹が
わずかに肩をいからせながら
両手を広げ
しどけなく枝先を垂らす
関所と謂われたこの地で
何のためらいもなく
敷きつめられた白 ....