まだだ。








あの辺りがぼんやりと白けるころに、
だ。あと少し。どのくらいかは、知
らされない。その隙間に、乳白の詰
め寄るかろやかさで、午前5時。2
日前の雪は ....
嗚呼なんていう美しさ

刻の暮

大気はすべてを飲みこんでいた

湖は氷りついたように

にび色にゆらめき

鉛の底を這いずる山椒魚のなめらかな体表のように

深く鈍い光の皺が ....
ポッケ、ポッケ、ポッケ
手をしまう
離島の風が駆けていく
明るく抜けた水色が洗濯ものの裏側で
白の階段どこまでもリゾートマンションつづいてく
白いTシャツ後ろ首
小麦の肌にほつれ髪
白につづく銀と鈍
黄につづく金と土
線は繭にくるまれていて
まるくなり まるくなり
連なりのなか震えている



海と川の鳥たちが
街の橋を
曇の朝を越えてゆく
ふたつの ....
ふるさとはとても寒くて、ちょっと雪だって積もっていて、吐く息がとても遠くまで届くのでマウスケアってやっぱ大事だよねって気付かせてくれるそんな場所。

山はすっかり削られて白っぽいコンクリートの幾何 ....
闇はひどく疲れていたようで
ほとんど私の話しを聞いていなかった

私もひどく疲れていたので
そんな闇を思いやれずにいた


そしてやがて静かに私たちは
重なることなくそれぞれに ....
空が剥がれ落ちていた

無音を描きながら

時間を奏でながら



空たちはみな地に落ちて

染み込んで消えた

あっさりと自由に




せめて僕は

空 ....
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
 月を追いかけて走る列車の窓に、遠く盆地の灯りが瞬く。小さな灯りのひとつひとつに、ことなる色があり、匂いがあり、温度がある。それを列車の中から感じるとることはできない。
 車窓を通りすぎる灯りの ....
ずいぶんと長い道を歩いてくたびれた靴
{ルビ踵=かかと}を減らした足裏は{ルビ剥=は}がれて
ひと足歩くごとに
割れたつま先は口を開く

結んでも結んでもほどけて引きずる靴ひもは
ざらつ ....
空を見ていた少年が、
昨日口にしたきのこの切れ端を
歯の隙間から取り出した。

対向車線の運転手は、少年の歯の隙間から出てきた
きのこの切れ端を、見つけたのか、
見つけないのか、
自分の ....
初めて見かけたのは午後6時
センター街の陰でうずくまり
待つことを放棄しながら
背伸びをするリップスティック
名前は知らない
まだ明るい
これからの夜

1人でいる子を狙うほど ....
深夜
血を吐きました
世界が
美しくなりました

君には秘密にしておきます

部屋の中は君の寝息でこんなにも静かなのに
テレビの中では相変わらず人が死んでいきます
閉じられたブライン ....
ここのところずっと、ある詩を批評しようとして、色々考えていました。
そして考えが横にそれたというか根本的なとこまでいったというかつまり、文章を理解するとはどういうことかに関心が移ってきました。
ま ....
雨にうすく濡れた歩道の中心に
盲人用の黄色い凸凸道が
遠くへと敷かれている

いつもそ知らぬ顔で歩いていたが
凸凸道を求めているのは
よろけた歩みで目線の定まらない自分だった

黒いこ ....
あの電線が
鎖に見えはしないか患者達
君達が決して出ようとしなかった
恐るべき街に病棟ごと出ている
ハイキングの歌を歌おう
バイキング気分でさ
バイキンみたいだなんて
もう自分を責めなく ....
冬休みには
寒いので
サーモスタットを自作する
簡単だ
膨張率の異なる薄い金属板を張り合わせれば出来上がる
なぜかというと
常温で同じ長さにしてみても
温度が上がれば金属は伸びる
 ....
本屋で新任女教師が注文したのは
「夫婦交換SP」だったのに
地元の中学生にみられたので
「コレジャナイデス!」と焦って店員にしゃべりながら
その辺にあった適当な本を取ってこれだと言う
「 ....
   その箱の中には
   巨大なソーセージのような
   赤黒いいなまこのような
   パンパンに膨れ上がったものが
   体らしきその全体をくねらせていた

   私はそれが自分のもの ....
満月の空
循環、円を歩きます
振り返れば影がゆがむので
進むことを
渡されています

街道の名前は不明
集まる人達は群れ
大きな坂道と階段
鐘の音が、ひとつ

進んでみる、今日に ....
どうしたんだろう
今夜はひとりがさびしい
よくわからないけど
鍋焼きうどんでも作ってみようかな
彼とは別れちゃったし
次の合コンは新年明けてから
友達は彼と一緒みたい
やっぱりうらやまし ....
物を収集するという行為は
生存競争という過酷な環境に無い者にこそ許される
嗜好性の強さはその個体の死を意味すると言っても過言ではないだろう
生きていくためには他にすべきことが山ほどあるのだか ....
君が夕食の支度をしている間
僕は前衛を守る
前の打者が歩かされ
憤怒した僕が強烈なシュートを
右から三つ目に叩き込むと
僅かばかりの利息が通帳に加算される
ご飯よお
僕のいなくな ....
「なかったことにしよう」
と言われて
黙って頷いた
そうかぁなかったことかぁと
帰り道電車の中
何度も何度も考えた
とても疲れていたので
座りたかったけど
井の頭線は混んでいて
つり ....
僕だけだと思うんですけどね、間違いなく。
でも、僕にも似てると思うそれなりの理由らしきものがあるので、お時間のある方はちょっと読んでやってください。

まず、そのもの自体を思い浮かべます。姿かた ....
庭の木にセミの抜け殻があった
手にとって握りつぶすと
ぬちゃ
それはセミの抜け殻ではなく
抜け殻のようなセミ
もて余した僕はこっそり
ぬか床に隠してしまった
夕食の時
今日のぬ ....
 ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる
 切れ目のついた流れ星が
 次から次へと不時着を繰り返す
 どうしてぼくは逃げ出したりしないのか
 紺色と茶色のあぶくで ....
ラードまみれの路上で
不自然に呼吸を操る君の濡れた貝殻
往来する車の振動に身体を刻み下を向く

夜ごと溶かせない太陽に
また明けてしまう日々に
玩具の馬さえ乗りこなせない毎日
君は
 ....
悲鳴を解放する自由 
あんたの神様はどっかで凍っちゃっててそれ削ろうぜ
それ削ろうぜ!それ削ろうぜ!
シャーベット状の糸を一瞬で紡げるゲームみたいに簡単な
電気ミシンでアイドルと空気ガムを ....
 静かな夜。まだ眠くはないが、電灯のスイッチを切る。大気が重みを増し、数百メートル離れた隣家から冷蔵庫の低いうなりが伝わってくる。窓ガラスに埃の粒が当たる音がする。ひとつ、ふたつ。そして、目がだんだん ....
木葉 揺さんのおすすめリスト(1400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ふるさと- umineko自由詩504-12-31
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- 松本 涼自由詩7*04-12-29
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初雪- カワグチ ...自由詩5*04-12-29
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サーモクライン- あおば自由詩2*04-12-25
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キリンは悪魔のような舌を出して餌をねだった- 初代ドリ ...自由詩9*04-12-25
群れ- 霜天自由詩504-12-24
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電気ミシン_- 瓜田タカ ...自由詩404-12-21
無題(静かな夜〜)- カワグチ ...自由詩9*04-12-21

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