すべてのおすすめ
歌は
あなたの唇から
ほろほろ零れて
やがてひとつの連なりとなって
わたしの胸まで届いたのです
風見鶏のわたしは
風が吹くたびに
あちらを向いたりこちらを向いたり
惨め ....
さび ついた そろい のそら
ぬげはじめた め
かかわらぬ
こえ
ふみこむ
ひざし
の
いってらっしゃい
いってしまって
さからえ
とべない
の なら ....
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい
怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢 ....
閉じる
今日が終わったら
とりあえず雨音の中で
夢を見よう
出来るなら昨日の続きがいいな
懐かしい人が居た
閉じる
今日が終わったら
とりあえずいつものように
明日が来るまでは
....
汗染みだらけの帽子を目深に被って
叩きつけるような陽射しの中
スーツ姿のサラリーマンの流れに逆らうように
足早に歩くあなたを見かけました
頬には汗が幾筋も流れ
まるで涙のように見えました
....
夢のように美しく 哀しい
きらめく空中ブランコ
この手に掴めたもの
掴めなかったもの
きらめく空中ブランコ
この春と夏とを彩った
ときめきを見送る
きらめく 宙を舞う肢体
....
アルバイト帰りの夜
いつもこのホームで
手を振って分かれた
僕は石切まで準急で
君は高安行きの各駅に乗り換えて
左右に分かれてカーブへ向かう
君の各駅停車が傾きながら夜景に溶けて
....
僕の部屋からは
プラットホームが見下ろせる
知らない人ばかり詰め込んだ準急を
この窓からいつも見送る
ここは始発駅だ
短い旅程の百度参りを
飽きることなく繰り返す
乗車率427% ....
海の風 と 書くと
なんだか とてもいい
目をつむって
なんだか とても
なつかしい
海からの風
でも いい
とてもいいので
思い出して
つらい
海の風
ここ ....
まいにちに
ぽつりと いってき
かなしみを おとすと
どんどん どんどん
ひろがって
やがて
なんだかわからない
なにかに
なってゆきます
広い海原
寄せては返す心の波
気持ちを運ぶ風
しょっぱい涙
そんな海が私は好き
今朝から窓の外はずっと雨模様なんだ
雨の日の午後、きみは変にしんみりしてる
ぼんやりとあれこれ、いろいろ思いをめぐらしてる
雨は不思議だねってきみは言うんだ
そして
....
瞳を閉じれば 海が聴こえる
心はいつでも航海したまま・・・
瞳を閉じれば 田園が見える
心はいつも旅に出たきり・・・
瞳を閉じれば 街の雑踏のなか
心はいつも出会いを待って ....
仕事帰りの溜息と
一緒に開ける玄関に
がさりと音立てるチラシ広告に隠れて
茶封筒がひとつ
独りよがりな祈りを
天使は聞き届けてくれたらしく
それは
ご褒美のように
届い ....
薄紫の和紙に 小さなお山のように盛られた氷砂糖を
壊さないように 天辺からそっと摘まんで
可愛らしい唇に つん と付けては
何となく冷たい感触を味わうのよ あの子は。
口溶けは 冷やか ....
ある日を境に
名前も住所も失った
私はただのコンマでしかなく
コンマでいるのは
たいそう居心地が悪い
誰か一人でも
私の名前を思い出してくれないものかと
お茶ばかり飲んでいる ....
お伽話に、愛はある
世の中に、こんなに善い行いがあるって
子供に教えるべきだから
お伽話に、恋はない
世の中に、こんなに辛い行いがあるって
子供に教えてはいけないから ....
いつも ここで笑い合った
あの日も ここで別れて
いつものように 笑顔で手を振って
「またね」なんてこといって
あの時は また 会えると 信じていたのに・・・
どうして君 ....
樹皮で生まれました
地中に潜りました
植物から
ご飯をもらいました
木を登りました
飛びました
鳴きました
交尾をしました
祈るように死にました
花火の音は別れの合図
カラッポの腹に響いてから
空しさと 情けなさを
さらに カラッポな空へ
打ち上げて ばらまいて
「忘れることは簡単だ」
空が皮肉に笑って
散らばって落ちる色 ....
止まった時計の螺子を
ゆっくり回せば
涙が零れ落ちてゆく
回しても時間は戻らない
壊れた時計はいらない
螺子を回しながら
瞼の裏に映る映像を見る
抱き締めて欲しいだけ
この心をそっ ....
届けられたのは
便箋にして二枚の
こころの欠片でありました
丁寧な挨拶の他には
少しの友情のような気配
けれど
こころ火照らせるには充分な
あなた ....
静かに目が覚めた。
街はまだ静かに
ゴトゴト ゴトゴト動いてる
昨日自転車で
君の笑顔を通り過ぎたよ
クスクス クスクス 笑ってた
しゅんしゅん しゅんしゅん音を鳴 ....
大丈夫だよ
キミなら大丈夫だよ
強いから
夢を追いかけられるほど
キミは強い人だから
だから バイバイ しなきゃダメだよ
逃げろ 逃げろ
とりあえず逃げろ
夢なんて捨てて
とりあえず逃げろ
今は 何もかも置いておいて
逃げろ 逃げろ
君を連れて逃げろ
すべて失っても 後から作れば ....
言わせてはいけないと
思い続けていた言葉を
言わせてしまった
苦しそうに飛び出したその言葉を
もう一度押しこんであげられなくて
ごめんね
ただ純粋に空が飛びたい
それだけなのに
俺は空を飛べやしない
なぜなら神様は俺に両の翼を与えてはくれなかった
それでも俺は
この大空を自由に飛べるというのなら
悪魔の羽でも借りてやる
....
みずいろに
きえた
ほたる
なつの
まぼろし
さんかいきのあおぞら
もし僕のマワリを吹く風に
色がついていたら
たくさんの場所で
数え切れないほど
なまえをもたない
色に出会うだろう
そのとき僕は
シロツメクサの
....
サービスで付いてきた
しおりの柄が気にいらない
本の中身は上等なのに
どうにもこうにも
これではいけない
気にいったしおりを
自分で作ろうか
それでは本に失礼ではないかな
それでも ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42