通りすがった人の影さえ 淡い灰色の靄が掛かる
雨の季節 憂欝な空

直ぐに思い出せるのは
雨に混じったすいかずら 少し濡れた夏服
君が差してる青い傘

放課後の音楽室から 君の帰る姿を見 ....
石なげて しばししてより音のする
ダムの高さに心おののく

静かなる師走のダムに労務者の
網引ける声 四方にこだます

つぶらなる茨の赤き実の陰に
するどきトゲが短陽に透く

 ....
空泳ぐ魚が水面に映ってる

せせらぎの声が今日は風邪ぎみで

光る瀬に低空飛行の戦闘機

居眠りの私を蟻が巣へ運ぶ

川の瀬に溺れる私の夕まぐれ

さようなら魚が跳ねて言いました
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり

何を見て驚いたのか鯉のぼり

紫陽花がたくさんのいろ人みたい

桃をむく香りと北へ寝台車

空目指し向日葵たちが背比べ

アリが来てわたしの足を ....
今、きみ
東京都渋谷区
スクランブル交差点と呼ばれる
モノクロボードで
にゃー、と一声
叫んだと同時に
爆走を開始
早く早く
風より早く
器用に人の群れを避ける
そこら辺で一番の
 ....
 自我像を絵にして生きている
 ゴッホの生まれたオランダ南部のズンデルトで豊かな自然に囲まれて
 元々風景画を専門として描いていたが
 信頼していた精神科医の女性が死んでから
 精神医学を勉強 ....
の中で、
けたたましく太陽の
鳴る
音で、水は光で、
どこまで行ったって空で、
光で、


カンカンカンカン


の中で、
どこまでいったって水で、
吹き荒ぶ光
帆は
な ....
白鷺の羽音の通り過ぎるその、揺らぎ
一面の青葉、その遠くで駆ける声、という声
ここにきて姉は心から、静かに千切れてしまった
さあ行こう、にも飛ぶための脚は足りず
退こうにも継ぎ足す、言葉も無く ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう

雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
ケトル・
薬缶をコンロの火にかけている
台所には西日がさしこんで
それは雲と雲のあいまに
ほんのわずかのすきまがあって
そこから覗いたもので
束の間ってやつ
台風は過ぎていったようで
 ....
良く頑張っているよね

そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする

お馬鹿さんだからなあ

そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
井戸掘の職人たちは泥つけし
顔そのままにしばし仮眠す

階下にて九州土産の風鈴が
台風予報の風に音たつ

名月に逢ふひとときを足らひゐて
たゆたいがちに春間近かなり

【昭和四十八年 ....
うつくしい白を見た
白はすなわち無、というわけではなく
様々な存在を表現していた

 やさしくあたたかな白を見た
 白は世界をつつみこむかのような
 やわらかな空気を生みだした
 ゆるや ....
 今 君の為に愛の詩を書いているよ
CHE.R.RYを聴きながらね
 春の正午の風が暖かくてとても気持ち良いよ
 実在しない君に詩を書いているのかもしれない
 本当の「君」は想ってくれてい ....
 
 
あなさびし、
って
三十回言うと
幸せになれるらしいよ
 
酷く輝いた瞳で言う君に
一抹の不安を抱えた僕は
言わなくていいよ

少年のように返した
 
別に言っても ....
燦々と
そそがれる陽を
うけての青

朧々と
つめたい雨に
うたれて紫の

移ろう色は
六月と七月の境界を曖昧にして
暦がめくれたことにさえ気づかず
深い場所で息する哀しみに黙す ....
こちらにいらしたあをの過程さん、がいなくなって、
私にはどうしてもどうしても、彼を、とか彼に、とかの詩や散文は書けない。
ただ、これから私が書いていく詩の中に、少しでも良いものがあったら、
そこ ....
里芋の葉に露玉を宿らせて
風も光りて土用に入る日

身体ごとゆるるが如き北山の
杉のみどりが視野に広がる

微熱ある夜を目覚むれば
枕辺に誰がつけくれしか蚊取香匂ふ

熱湯の ....
足りないものが多すぎて
失くしたものが多すぎて
僕には分からないんだ








急に空が晴れて
そう思ったら曇って
変な天気が続いているよ
 ....
決めた!


先に「愛してる」と言ったほうが 勝ちということにしよう!
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
よのなかは

ブラックに

ライトアップされて

結構姦しい

煌煌とライトアップされた日本の形が地球上から消えるには
未曾有のブラックアウトでも起こらないと考えられない

 ....
夫婦喧嘩仲裁は娘が引受けて
吹き出すはめとなる雛の前

初出勤明日に控へて幼児期の
日記を見せて娘と語り継ぐ

大雨のあとの賀茂川に流れ込む
廃液は濃き染め物の色

気まぐれ ....


その女の子は
押し入れを
殊の外おそれていたそうです

戸を開けるときの音が
怪物の唸り声に聞こえると
そう言って
決して自分からは
押し入れに近付こうともしませんでした
 ....
埃を拭いて
窓を開ける
三日月が夜を飛んでいる

夜についてる窓を開ける
少し欠けた宇宙が
ずっと故郷を目指している

その故郷の窓を開ける
木の下で誰かが
手を振っている

 ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
大切な事までも
忘れてしまうのはなぜだろう
後ろから、言葉達が追い掛けてくる
彼らは私に追い付けない

鬼ごっこがしたかったんだ

時々、追い付いてくる鬼もいる
そんな時は
物陰に隠 ....
赤いダリアがうつむいていた
街灯はちかりちかりと電池切れ

濡れることに疲れたわたしは
通りすがりの民家の軒下で雨宿り
出窓に座るドラえもんと目が合った

車が水しぶきをあげて ....
死と眠りが
同じようにみえるときが
ある
ひとめみたとき

だからときどき
はっとして
大切な人にかけよる
あなたたちは
人の気もしらないで
静かな息をしている

あつい
手 ....
いつつゆびさきがきみをみる

やわらかい皮膜の中は
どうしたってみずだから

つたってしまって

一本の
跳ねた
よわい針の先までが

とおくゆびさきの
たてるかぜにも
ふる ....
藤丘 香子さんのおすすめリスト(1956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の季節- 橘 睡樹未詩・独白5*07-7-17
35P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-16
さようなら- 小川 葉俳句607-7-16
雑季- たもつ俳句13*07-7-16
同じ空- 倉持 雛自由詩907-7-16
自我像- 円谷一自由詩5*07-7-16
落下母- 石田 圭 ...自由詩2007-7-16
今も遠くの風が吹いている- 霜天自由詩607-7-16
紅い魚- LEO自由詩34*07-7-15
ケトルか薬缶か- 水町綜助自由詩707-7-15
- 恋月 ぴ ...自由詩35*07-7-15
34P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-7-15
- アキラ自由詩4*07-7-15
CHE.R.RY(結ばれることを願って)- 円谷一自由詩3*07-7-15
"あなさびし"- ゆるこ自由詩20*07-7-15
紫陽花- LEO自由詩18*07-7-14
あをの過程さん- ふるる散文(批評 ...12*07-7-14
33P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-7-14
欠落- おるふぇ自由詩607-7-14
決めた- 北大路京 ...自由詩15*07-7-14
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
*ブラックライトアップ*- かおる自由詩10*07-7-14
32P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-7-13
いなくなった子供らの話- 吉田ぐん ...自由詩1307-7-13
- ロカニク ...自由詩907-7-13
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
こどものあそび- 狩心自由詩2*07-7-13
夕立- あずみの自由詩707-7-13
死と眠り- 美砂自由詩6*07-7-12
_- 水町綜助自由詩1007-7-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66