じゃあ ばいばい
そういって地球は
僕と海を
残して
太陽系を去っていきました
ざざあ
ざざあ
波打ち際で
地球が小さくなっていくのを見上げている
僕
…しょうがない
....
本日の天体の運行は非常にスムーズです
秩序を保ち 地球が遠くに
このピアノの音はあそこまで聞こえないんでしょう?
そうだよと大きな暖かい手
小さな地球世界の草原から
夜に向かって芽が ....
雪は雨の背を見て降り
雪の微笑みを見て昇る
つむぎ つむぎ
手わたす手のひら
むすび むすび
つながる手のひら
光に織られた光をまとい
午後の原を梳くように
踊りは ....
夕日が奏でるのは
次の世界へと わたり響く調べ
もろびとの想いは 影にひかれ
終わりの彩りへと 去ってゆく
しかし まだ
呼ぶ声がある
呼ぶ声がある
愁いと憧れに染まる ....
夕くれに
石版あって
陽炎はところどころで
愛の形を歪めたりする
(それは少しだけ
こころを削る)
(そうして悲しいものだけ
残っていく)
夕くれの
くっきりとした処に落ちて ....
ひるがえる
水の分子
玉となって
雨となって
降りそそぐ
鳥でさえも
ひるがえる
水の玉に
水のために
ひるがえり
ゆっくりと落ちてくる
空を見る
地に視線を落とす
ひる ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり
雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道
はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
わたしは猫であったかもしれない
黎明の月にひと声ニャーンと啼いて
死んでしまった猫であったかもしれない
わたしは何万年も前の骨であったかもしれない
アラスカの雪の底に眠る
まだ発見されて ....
ある日どういうわけか引力が真横になって
ぼくは壁に頬を擦りながら世の中の右側で暮らしはじめた
世の中の右側はページを捲る神経が発達していたので
それに重力がかかるのは不便であったけれどわくわ ....
またね
春風から一番遠いところで
皆でそうつぶやいたら
誰かの下唇に
名前の知らない花が咲いた
なあ、せっかくだからさ
もうしばらく
楽しいおしゃべりをしよう
かのん、は
「入院」がだいきらい
だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
ムーミン谷の舞台になっているのは、森と湖の国フィンランドである。首都はヘルシンキ。国土の7割が森で占められ、約18万個の湖がある。国土面積は日本の北海道と本州、四国を合わせたくらいで、遙か北に位置する ....
「トロール」とは北欧の童話に登場する精霊のことらしい。フィンランドでも伝説的な存在で、人間を驚かせたりだましたりする、ちょっとやっかいなやつ的感じの妖精で、ムーミンもこの精霊の一種ということだ。ただ、 ....
最近ムーミンを見ることが朝の楽しみになっている。ムーミンのテレビ放送は1969年度版と1990年度版があり、今見ているムーミンは1990年リメイク版の再放送である。お馴染みのゆかいな仲間達がムーミン谷 ....
空には50億年の嘘があって
それを雲が運んでゆくのです
遠い物語が砂漠を歩くとき
羽のあるものだけがそれを読むことができるのだ
私は知って
そして知らない
私は嘘を繰り返す
....
ぼくは声をあげたりする
うわあ
この星では
六十億の孤独がみんなと暮らしている
地球よ
ぼくの古里はここでいいのか
地球よ
この銀河で 水と空気と緑の孤独が
ぼくたちを ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する
ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する
わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
....
痛みを痛みとして見つめながら
あなたは眼差しを地には与えず
自分だけの痛みだと言って、
誰かに分け与えることさえしなかった
花びらは凛として
項垂れること ....
ほと・ほと・と、日溜り温く
昼下がり ・ ・ ・
白い雲など浮かんでおりぬ
ぼんやり空を仰いでる
こんな時間に空を見る
無かった時を取り戻し
弥生の ....
山は風あり
海は凪
青い夜に恋をして
瑠璃色の海へ堕ちて行く
龍神の背に乗る人魚は
真珠の飛沫の泡残し
深く一呼吸して
静かに飛び去る
僕の中に封印した
旅する心が
....
おじさんはいつも何かにつまづいている
ずいぶん空が遠くなった
友達が少なくなったけど
仕事は増えた
良く知らないひとのことを気遣っている毎日
親しいひとのことはどんどん知らなくなって ....
いつまでもぼくは待ちつづけた
待ちつづけていると
いつしかぼくには重力が堆積して
不確かな形になっている
見上げると
空は鳥につかまって
ぼくの上を慌てながら広がっていく
ときど ....
すべり台から
マダアンナ
らいくあばあじんを
マダアンナ
すべらせる
すべらせる
(お手手洗ったの)
こだまする
こだまする
マダアンナ
夏のまっく ....
朝 あなたは やって来て
部屋の そこここは せせらぎ
時間は 急速に 速くなり
そうして あなたの声の他は 何も透らなくなり
僕の呼拍は 透きとおり 僕は何も 思わなくなり
愛が 部屋 ....
はじまりにいて 終わりにいて
ぼくたちはくり返しsexをした
着メロが枕元で鳴り続いた
夜の中ではおっぱいはふわふわして
不安定で
ぼくは必死に酸素を吸い続けた
かのじょは二酸化炭素を ....
海には
ばらまかれた空が広がる
雲はときどき
空を恋しがって飽和する
眩しいくらいに雨を降らせたなら
やがて雲は白い波になる
ふゆの海では
鳥は幾千もの残照と背中合わせで
お腹はい ....
ハニー ぼくは
ぼくを語ってもいいかい
ピーターラビットが
ぼくのハートをつかんでさ
地平線まで駈けていったころのことだよ
ハニー そのとき
ぼくはみんな好きだったのさ
B型の女の子 ....
静かなひかりありました
わたしなにも言いませんでした
歩いていると辿り着きました
足下に打ち寄せてくる全ての波の約束を聴いています
ずっと前のところにはずっと前のことや
或いはずっと ....
たあくんは
生えかけの歯が かゆくてかゆくて
何でも口に入れてもぐもぐしている
おっぱいも よく噛んで
痛がるカミさんの反応を見て
ケタケタと笑う
この年で女を泣かすのか。
空には幾世代もの飛翔した軌跡が
白く重なり
海には幾世代もの尾鰭の跡が
果てるともない波を繰り返している
そしてぼくらはときどき
幾世代もの記憶の上に立って
詩を書いていたりする
ち ....
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