例えば。
それが三人称で、
神の視点で書かれているとすれば。
神の背格好や学歴、
食べ物の好き嫌いから、
性的嗜好に、
初体験の年齢と相手とその満足度まで。 ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている
土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線
川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える
背中を温める夕焼けが
実 ....
1
眠れない夜は、
アルコールランプの青白い炎に揺られて、
エリック・サティーのピアノの指に包まれていたい。
卓上時計から零れだす、点線を描く空虚を、
わたしの聴こえる眼差し ....
月の裏側に座って
フルートを吹いている
あなたがいた
虹の上を歩いて
口笛を吹いている
あなたをみた
海に潜って
魚たち相手に
指揮棒を振っている
あなたをしった
森の ....
だれのためでもなく
言葉は うまれ
王国となった あ
きみの ためだけに
歌いたかったのに
太陽 なのか?
がのぼったまんまだ
もう ずっと
ぐっしょりと潤んで
乾かして
からからに
ぼくらを
見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ
....
シロイ、
がたくさん
シロイがたくさん
かさなっていて
シロイのむこうに
エイエンがあって
エイエンが
ケハイを
ころしながら
....
1.
高く掲げた手のさきには指がなかった
ただ丸い肉塊である手は
指を持たぬのに天を指さした
天下人と呼ばれた男は
その指のない肉人を
食えばよかったのに食わなかった
食われなかった ....
それは「ラ・カンパネラ」だった
かきたてるような狂おしい響きに
幼い日に聴いた 胸の震えが蘇える
あのクリスタルの針が
ふれあうような高音が
ころがるように鳴り響く
軽やかに跳ねまわる ....
頰杖でまどろむ窓辺何もかも
透き通ってゆく水晶夜にて
草のゆめ針の夢またむらさきの
時のうつろい夜は傾き
果敢ないと花びら時に散るならば
....
人を好きになる度に 誰かを傷つけて
誰にも愛されなくなるようで恐いんだよ
誰の助けも借りず 借りられず傷ついて
自分を追い込むだけ追い込んでも答えは見つからない
誰か あたしを ....
霧雨で
全部言ったら霧雨で
それは何千日っていう僅かな
俺たちの
永遠で
霧雨に緑は映えて
おまえの瞳の緑は映えて
そんなに静かに
生まれたての春の花々のように ....
空の青にぽとり
鮮血でした
ゆっくりと赤だけの虹をわたって
足の指の少しのつめたさで
春は訪れ
きみとの
どうしようもない部分をぽくぽくと
桜を食べて埋めた
おなかからの魔法、 ....
風のなかに
釣り糸を垂らしている
それはおぼろげとなってしまった古い
記憶をせめて呼び醒ますよすがではなく
かなしい決意でも無邪気な思いつきでも
その日の飢えをしのぐための
投げやりな衝 ....
{引用=星の椅子に腰かけ
流れるままの時間の粒子を浴び
誰もいないという
ひびきからはじまる水面の波紋が
夢見るまま紅の空へ続いていくのを
永遠に眺めながら
なつかしいことばは
やさ ....
こうえんの
みずのみばのしたに
にんぎょうが
おちていた
きぎの
こずえのあいだから
いっしゅん
みえたこうけいだったが
そばでは
ちいさないきものも
いのちを
いとなんでい ....
そして
けんこうこつ
があり
かどを
うせつする
また
けんこうこつ
につきあたり
させつする
いきどまり
けんこうこつ
のにおいと
なめらなかな
しつかんが
ただ ....
2007/04/13
じょうとうかへい
じょうとうのかへいで
みたらしだんごをあがなう
富士の見える宿に泊まり
夜になって
風が止んだら
星も見える ....
頭の中につまっているよ
つららのように出来たんだろうねこの
目にうつるものたち
首の後ろがちりちりしてるんだ
太陽にあきらかにされた
急勾配の斜面の野原を
こわれかけているしずくがたくさん ....
夜にまぎれて
雨をみちびく雲の波
朧気に月は
触れてはいけないものがある
ということを諭すように
輪郭を無くし遠退いてゆく
深く、
深く息をして
雨の降りる前の
湿った空気の匂い ....
ひとが
ゆめを
みているの
それとも
ゆめが
ひとを
みているの
ふるい
ひょうしき
のようなものがあって
おとがしている
あのさきに
うみがあるの
ひのあたる
....
死んだふりをする
PM二時、
マキシマムザホルモン聴いて
死に至る病を読んでる
ファッキンな午後
葉桜の隣で
猫柳がゆれて
関ヶ原の落人が
湖岸に打ち上げられている
....
わたしたちはいつかきっと死ねるのだから
ジム・モリソンもシド・バレットも
ヴォネガットだって死ねたのだから
今は死ねなくても
こころさわやかに朝の唄をさえずろう
ゆっくりと自分を殺してゆくた ....
一
昼寝でもしたくなるぽかぽか陽気だ
ぽかぽか陽気に抱かれた町で
電信柱の黒い毛に結ばれた商店街の
のんびりとしたアスファルト
のんびりとしたアスファルトの上で
サディストがマゾッホを ....
はざくらがきれいだった
るうとのけいさんはいつも
にがてだった
すしやにかくまわれてる
ごうとうのせんたくものにも
すずしいかぜがふいた
+
ははに
るびいをかってあげた
に ....
あの時サ、カあサんにツケバ
きっと素直にパパに
おめでとうって
言えたかもしれない
あのひとが
好きとか
嫌いとかじゃなくて
どうしても
逆さまの箒と一緒に
さかさバケツ ....
鶯が
桜に色を
わたしています
今日は雨
あなたは
静かに
そういいます
書きかけの手紙
まだ、
ポストへ
出せずにいます
花びらは
雨を乗せて ....
あなたがいるから生きていける
ふう と
空に向かって
ため息を飛ばした
瞬間
気が付いた
いつの間にか
あなたは
僕のそらを
澄んだみず色に染めていたんだね
飛 ....
あなたに似ている
と。言われたくありませんでした
わたしはわたしに過ぎず
あなたのクローンではないのだから
あなたがいなければ
生を授かることはありませんでした
それだけは否定でき ....
カラフルな田園をぬけ
ヤマは
絵モヨウのヨウなスギノキの
ヨウなミドリいろが
ヤマは
ウミよりも深く
ムラサキいろへ
取り込ンでく
沈ンでく
ヤマヤマは
ソレゾレすこしづつ濃さ ....
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