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ふしぶしにふと表れる愛しき妻の持つくせ声と姿に

夢をみし水晶の王冠と妻を表すしるしのダイヤ

妻の絵がもう一枚できる日が近づいている文月半ばに
寝苦しく目覚めた朝に夢うつつ
    激しく窓をたたくたたく雨


雨音を思えば雨が支配する
    人を思えば雨の一日


アンブレラ覗いた瞳くぎづける
    すれ違いざま舗道の ....
この腕の千切るるほどに遠くまで投げたきものは春のみずうみ 防水が付された言葉の鈍角が扉を叩いているのを見ていた


ロシアンティー陶器の縁が欠けていて言葉は絶えて積もる骨の春


精巧なデコイを彫った。単音の別離はかちりと錠を回した。


 ....
ある冬の雪の日の写真の中で二月をとめて待っていて。



二月そうして服役した服は役目を終え野に放たれるのだ。


前転をつづけた雪だるまはそろそろ後転の ....
列車から{ルビ放=はな}った鮮花は孤児だから一枚一枚懐柔していく



長針の長さか短針の長さかと午前午後とも振り切れてなお



隣家の瓦のいろを確認する軋む板間にうぶ着の陽光
 ....
おだやかな雨のすきまのファンタジア、合わせ鏡に時計を捨てて




お逃げなさい、鳥のかたちの切なさよ翼が翼を捨て去るまえに




細々と千切れて可憐な嘘ばかり燃やせやしない夕暮 ....
 {引用=(鍵盤が駆け上がる夜、/ガラス片、/鉄塔/に続く紅の、足跡、//)}

裏側はどうなってるかわかりません そんな理由じゃ嫌わぬ 月よ



差しだすとき、グラスの中身は原液です。 ....
風のかがやきとセピアを追いかけるようにくるるるらせんを描く

あっ銀杏仲良く囁きあってるねあれは秋の置き土産なの


後にも元にも戻れない路上のニュースペイパーサクサク言って

 ....
朝口の犬とのサンポ日課とし
夫征きてより一年過ぎし
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように






捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る


閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
黒板の日直欄は空っぽでもう聞こえない幼い号令



すみっこでカロリーメイトをかじってる後ろ姿に見覚えがある



段ボール製のアポロの操縦桿左に倒して難破しようよ

 ....
 君はぼくのベートーベンの人だから シューベルトの子守唄聞かせて



  照れたときいつもより二音高いファの音で笑うあなたとハモる ラ



 この部屋、星がきれいに見えるねとは ....
ペンギンの求愛よりも美しく 季節はずれの半そでの君



  マフラーの巻き方すこし横着で 君の名を呼ぶ朝のただいま



ヘンな角度の頬づえで秋の夜の作戦会議 恋をしている

 ....
「天国と地獄」なんて振り幅の広い恋にあこがれて咲く


片すみで温めすぎた恋心冷たい指先ひらいてにぎって


「今日きみを思った時間10000秒」なんて数値化できない愛しい


君の ....
 
 
 
 
 
 
左目を飛ぶ小さな蝶は、私を影だと呼んだ。光は誰か。
 
 
 
漂いを続ける街灯の欠片は、いつもの空にただ沈んでる。
 
 
 
波打つのは私の足か ....
自転車の前に乗りたる幼な子が
大きく欠伸す 夕の街に

風吹けば木の鳴る音に幼子は
遊びをやめて空ふり仰ぐ

雪景色見ゆるようにと干物を
片寄せ午後のお茶のひととき

身辺を整理すと ....
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし

音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる

夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり

木 ....
狂うほど 心ねじれる想いごと


京都御苑にサファイアの雨
信号の青が延延続いてて

   都大路を駆ける跳ね馬
目の前の妖しき影に いぶかるも
あげ羽蝶なり 思はず和む

草の実も少しふくらみ見えてきし
秋に入りゆく風の移ろふ

目の前に子蜘蛛落り来てテーブルの
上を正しく距離おきて飛ぶ

 ....
確かなる音して机上にベコニヤの
花ガラ落つる物読むときに

賀茂川の段差の水も春めきて
吾が影長く 流れに写す

草伸びて 足にまとえる散歩路に
踏み行く処 つつじ咲きつぐ

雨 ....
真向ひし雪大文字に息呑みて
崇高なる美に心洗わる

鴎には雪が似合ふと久々の雪積む
景色川辺に立ちて

乙女子が幸せそうな顔をして
隣に座る夜の地下鉄

口紅をつける事なき此の日頃
 ....
花冷えに辛夷の花は紙吹雪
さながら空に向きて咲きつぐ

隣屋の蔦塀越して握手する
さまに吾が家の薔薇に近づく

芋づるが木犀の木に巻きつきて
ヌカゴガ三つ太りていたり

雨だれのリズ ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ

遊び居し子等それぞれに呼ばれ去る
昏がるる公園白芙蓉散る

ひそやかに花韮の咲く野辺のみち
春寒の今日三月終わる

寒の水一口飲 ....
 そう、確か約束したのは今日でした。あの日と同じ月は無くとも

 まっくらな夜に逆らう星たちを握りしめよ、と右手をかざす

 涼しさは不意撃ち気味に訪れて何も言わずに終わっていく夏

  ....
お見合いの場をとりもちて話題とす
梅雨の晴れ間の夏萩の色

方形のタイルに朝日照りかえり
台風去りて厨秋めく

無人駅に日ぐせとなりし雨に逢い
止むを待ちつつ夕顔に佇つ

想い出 ....
声高に客呼ぶ声に客は無く
山の如くに蟹を売る店

降りそうな空を支へて木蓮は
仁和寺の庭に煙るごと咲く

尼寺はどうだんつうじに囲まれて
静かな一角春陽をまとふ

雑踏はめっきり ....
クーラーの中より外の景色見る
動くものなく こげつく日照

病院の中は涼しく すがすがし
なれど病む人心如何にと
七色をくりやのサッシに散りばめて
夕陽は秋の入日を急ぐ

絵の具にてぬりしか如き文鳥の
若草色の胸毛がふるふ

喧噪の巷を逃れ花野ゆく
嵯峨の小径は露しとどなり

その名もて紫式 ....
藤丘 香子さんの短歌おすすめリスト(113)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
妻の王冠- 生田 稔短歌109-7-10
雨、また雨- 石瀬琳々短歌7*08-6-25
遠投- A-29短歌4*08-4-6
デコイ- しろいろ短歌4*08-2-10
「_二月をとめて待っていて。_」- PULL.短歌8*08-2-3
初夜- 簑田伶子短歌14*08-1-29
◆幻想連鎖- 千波 一 ...短歌5*08-1-27
鉄塔にて- 石畑由紀 ...短歌14*07-12-25
舞葉・遊葉- 唐草フウ短歌6*07-12-25
平成十九年十二月十日- むさこ短歌2*07-12-10
◆ふゆの花びら- 千波 一 ...短歌19*07-12-9
地球システム- しろいろ短歌17*07-12-4
交響曲が降ってきた、撃て- メメズワ ...短歌5*07-11-6
秋の夜長の作戦会議- メメズワ ...短歌9*07-11-3
奔り出すもの- ポッケ短歌2*07-10-28
創書日和「酒」_fiction- 山中 烏 ...短歌6*07-10-26
67P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-10-21
64P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-10-17
平安ブルー_10- 北大路京 ...短歌5*07-10-1
平安ブルー_04- 北大路京 ...短歌3*07-9-24
62P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-9-23
61P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-9-23
60P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-9-23
59P_「短歌2」より- むさこ短歌3*07-9-9
58P_「短歌2」より- むさこ短歌3*07-9-6
夏が終わる、と月は蝕む- たにがわ ...短歌607-8-31
57P_「短歌2」より- むさこ短歌4*07-8-27
56P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-8-21
平成十九年八月十八日- むさこ短歌2*07-8-18
55P_「短歌2」より- むさこ短歌4*07-8-15

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