昨日と同じ言葉でわたしはおはようをいう
昨日と同じ声で
昨日と同じ表情で
昨日と同じ空に
昨日と同じ色合いの雲が浮かぶ
というのは嘘で
昨日と同じものはなにひとつなく
昨日と同じではあり ....
どこまでも続く桜並木の先に在るものを
確かめたくて
あなたと手をつなぎ歩く

親子ほどにも見られそうで
控え目なあなたの腕を
胸元にまで引き寄せ
歳の差なんてね

桜は潔く散るから美 ....
思い出の糸を手繰り寄せる

思い出の数だけ増えた糸は
今や無数にあるけれども

手繰り寄せる糸の手応えは
どれもあきれるほど弱く

数だけが増えた思い出の糸

これだけの思い出が
 ....
傘を刺す
左手にはつめたい砂を詰めた
ビニイルの袋、


死んだ、
しあわせに笑い過ぎて
太陽が


死んだんや


聖歌隊が
空に吸い込まれる


 ....
いってらっしゃい
見送る朝がある
おかえりなさい
迎える夕暮れがある

うそつき
わがまま
くちげんか

だいっきらいって言いながら
いっしょに揺れる影法師

そしてまた朝が来 ....
名前は?
――ああ
血液型は?
――知らない
歳はいくつ?
――忘れた
住所は?
――もうない
家族は?
――いなくなった
家出か?
――かもしれない
したのか、されたのか?
 ....
食事の後に
手がすべり 
落とした皿に 
「ごめんなさい」と 
頭を下げる 

割れなかった 
{ルビ空=から}の皿は 
床の上 

至らぬぼくの 
「ごめんなさい」を 
すい ....
女は消印を食べ続けた
消印を食べなければ生きていけなかった
医者には病気のようなものだと言われた
普通に届く郵便物だけでは
必要な量は満たせなかった
子供のころは
両親が女のために手紙を書 ....
本屋で写真集を買って売り出し中のアイドルと握手した。
机の下で何度も掌をジーンズにこすりつけているのを目撃した。
私は負けない。


吉牛で奮発して卵をつけた。
おもいっきし卵の殻が入って ....
僕はデスクのパソコンで暇な時間割をつくっている、らしい

僕がこの暇な時間割をつくることによって
会社の誰か(例えばそこの古いプリンターの向こうに霞んで見える上司、とか)がいくらか満足し
会社 ....
雨が降ると誰かが
迎えに来てくれるような
気持ちになります

傘を持っていないふりをして
しばらく軒下に立ってたら
偶然あなたはあらわれました

雨、ありがとう。
-episode?-
失敗ばかりでいつしか後輩にも先を越されて
二十年勤めた会社にも見捨てられた
明日からは一日の食事さえままにならない
ブランコに揺れながら涙を堪えた
未来が見え ....
頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった

百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただ ....
砂原を歩いていると、人間の手が蠢いていたので、掘り出した
父だった
父はこんなところに埋まっていたのだ
途中から誰かがわかったので、指先でなでるように、焦って掘り出した
息をし ....
夜の、
雨の、
それぞれのゆくえを
ひと色に染めて
あかりは桜色

煙る雨の甘さ、
舞う花びらの温み、
絡めた指が
やさしさを紐解く
夜に、
雨に、
焦がれる桜

時計の針 ....
無人駅に降り立てば
地図の見方にも
ちょっと工夫がいる
缶ビールをぐっと飲む

子供の頃に
抱きしめ方を習ったような
初夏の風にさえ
あいさつを交わしたい

垂直に支えつづける日射 ....
僕は目が悪いので、つねづね目にコンタクトレンズをはめているのだが、たとえば海で泳いだりするときなどは、コンタクトレンズをはずさなければならなかったりする

コンタクトレンズをつけていないときの僕の ....
満天の星空をつつむ静寂の下
潮騒を聴きながら横たわる身に纏う砂粒
はてしなく投げた仕掛けを海に任せて
ケミカルライトの点る竿先を微かに揺らし、
甘い潮風がコーヒーの苦味を慰める

アタリな ....


かみさまから
えいえんのやくをにんめいされたので
しろいあきちにたってみました
ねていたときのことだったので
ほんとうはかみさまじゃなくてわるいもののさしがねかもしれない
みーみー ....
ふと
したことについて
ふと
わたしは
道標に
いつまでも
宿題をわすれている

ふと
空が滑り
ふと
雲はいつのまにか
描きかけた
キャンバスの中に
紛れ込んでいる

 ....
長い耳のようなものに
巻かれている
なでてみると
自分の耳なのだと気づく
近くでは耳が産まれている
いくつかは知っている耳で
いくつかはよくわからなかった
産まれてきた耳は
自ら声を発 ....
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです


何か言わ ....
                    2007/04/19

集団面接で気力体力此処の街が好きですと言ってのける街灯の下には
おびただしい数の虫の死骸や吸い殻やガムや蹲った人たちの影が黒く
 ....
http://www.youtube.com/watch?v=NllPZ5_Tw40





  *


会話であったはずの
数千年は
次の朝には
朽ち果てていた


 ....
 


ええさんに
てがみをかきました


うつくしいじで
てがみをかきました


きゅうじょうは
なんじょうになるのですかと
かきました


じゅうじょうですか
に ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく


きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
 ....
君が僕に別れを告げてから
君ソックリのロボットを作ったんだ

君と違って言うことを利くし
我が儘も言わない

だけどね 君ソックリの声が痛いよ
だけどね 君ソックリの笑顔が痛いよ

 ....
 最果で
 今年最後のさくらが咲いている


あの日、工場の辺りにはやっぱり同じような工場がたくさんあってね、その中ひとつの敷地に桜の大木が並んである。
バスも届かないくらい、おおきな桜だ。 ....
  


なんも取り柄のないあたしと
ぜんぜん特別のないあんたが出会って
余りある 寂しさと
どこまでも続いていた 手持ち無沙汰に
いつしか
一つ屋根の下 暮らし始めた

特別 で ....
藤丘 香子さんのおすすめリスト(1956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そらいろ- 佐々宝砂自由詩9*07-4-22
さくら、ふたたび- 恋月 ぴ ...自由詩38*07-4-22
- 小川 葉自由詩3*07-4-22
残響- はらだま ...自由詩11*07-4-22
しあわせ- yaka自由詩10*07-4-22
プロファイル- 若原光彦自由詩1307-4-21
「_皿_」_- 服部 剛自由詩9*07-4-21
愛称- たもつ自由詩1607-4-21
私は負けない。- もののあ ...自由詩31*07-4-21
暇な時間割- チグトセ自由詩6*07-4-21
- 小川 葉自由詩10*07-4-21
それでも- 1486 106自由詩9*07-4-21
春眠- 楢山孝介自由詩13*07-4-21
砂原に- リーフレ ...自由詩38*07-4-21
桜色の夜- LEO自由詩31*07-4-21
無人駅- tonpekep自由詩18*07-4-20
海眼- チグトセ自由詩5*07-4-20
星と砂粒_★- atsuchan69自由詩7*07-4-20
ポーズに関する三つのイメージ- ミゼット自由詩10*07-4-20
在りか- tonpekep自由詩12*07-4-20
耳の産声- たもつ自由詩1007-4-20
太宰ヒラメ- 佐野権太自由詩41*07-4-20
油断- あおば自由詩16*07-4-20
MY_FAVORITE_THINGS- はらだま ...自由詩9*07-4-19
おてがみかいた。- 橘のの自由詩1007-4-19
たくさんのきみにできること- 石田 圭 ...自由詩7807-4-19
屋根をつくる- たもつ自由詩1607-4-19
Only_One- 北大路京 ...自由詩25*07-4-19
最果の春- soft_machine自由詩23*07-4-18
- 川口 掌自由詩16*07-4-18

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66