果てしなく続く夜の闇が僕を押し出す
重い荷物だけを持って少しだけ遠くへ行く
辺りは知らない人達でぎゅうぎゅう詰めになる
座席にもたれた背中にピンと張り詰める痛み
体をダンゴムシのように丸め込み ....
山麓の寂しい町に

月はかうかうと照つてゐた

すべての人が

月を見たわけではないけれど

みんな

ボールを胸に抱へるやうにして

眠つてゐた
電柱下の掌ほどの地面に
可憐な顔を寄せ集め
行過ぎる車の排気ガスに
小柄な身を揺すつてゐる
{ルビ菫=すみれ}よ

元来野のものであるおまへたちが
どうして
こんな狭小な場所に
置か ....
一.

 俺の知らない赤で
 雲が光の中で
 死んでゆくんだ
 今も

 おまえの知らない青で
 波が砂の上で
 壊れてゆくよ
 ほら

 見ろよ
 カモメの親子が今
 俺 ....
そらには意地がある
意地があるので果てしない
ぼくは意地を見上げている
骨を精一杯反らせて

そらには意地の他にもいろいろある
事情は言えないけれど
複雑な家庭に育ったのだ
青くなるの ....
詩は語らずに歌えって
俺の先生が言った
先生って誰だ
そう訊くから
雀だって言ってやったよ
スズメ?
雀だ 雀だ 雀の学校の先生だ
俺はそう言うしかなかったぜ
だって、その通りだも ....
正常な者は立ち去れ 死の言葉を目撃してはならない 幸福を求めるものは立ち去れ

二十二時二十二分二十二秒二十二二十二二二イコールイコール類コール胃胃袋増増殖食食 
ああ、気持ちええ。きもちいい。 ....
 

なぜだろう
わたしは眠っている

世界はこんなに美しいのに

なぜだろう
わたしは怒っている

こころはとても暖かいのに

なぜだろう
わたしは歌っている

ひとり ....
 鐘の音がひときは澄んで響いてゐる
 高原の牧場
 風は爽涼として
 日は明るく照つてゐる

 ここに一頭
 健康優良の乳牛がゐる
 乳が溜まつて乳房が張るものだから
 たまらずク ....
(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
夏は化粧に忙しい
忙しくなればあちこちがさわがしい
小さな約束がたくさんあるけれど
約束の周りには雨がふりつづけている

この星の伝言は
雨が好きなのかもしれない
わたしらは雨の外側で
 ....
かつて高貴なひとびとは
憂き世離れた恋に身をやつし
夜空を見上げては月に思い寄せ
浜辺を見やっては海に思い投げ
紫の綺羅 星のごとく

そのころ私のご先祖さまは
きっと真っ黒けに日焼けし ....
?.

(じーっとお空を見上げている
 僕の屹立)


寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて

磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
ラクダの描き方ばかり
練習しているので
わたしの動物園はいつも
鳴かないラクダで
いっぱいになってしまう
園内を一周する小さな乗り物に
お父さんがぽつり
乗っているのが見える
 ....
?.

ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ

あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
解かれるものがあって
解けないものもあって
元気ですか
その言葉だけで繋がっている

わたしを折る
折りたたむ
そして開けば
鶴にでもなりたい

配達の遅れた願いのようなものが届く ....
※この詩は、下の行から上の行へと読んでください。





人間というものを。
私たちは知らなかったのです。
私たちアンドロイドは、母の葬式で涙を流しませんでした。
だから私たちアン ....
廊下を走ってはいけませんと
先生は叫んでいる
たくさんの足が走り回っている
この学校には
足しかなくて
聞こえることはなかった

旅に出るようなほど遠い
校庭の角に植えた
桃の花から ....
今朝のおまえの目が
あんまり緑だから
どうしたって聞くと
やっぱり風邪だ

普段体調がいい時は
緑に茶色が散っている
水の底に見たブナ林のような
おまえの目

それが濃い緑に張 ....
自分勝手な魂を持って
波打ち際を歩きます

自分勝手な魂に
潮風が沁みてゆきます

自分勝手な魂は
都会が怖くて逃げ出しまして

自分勝手な魂に
希望は遠く彼方にしかないように思え ....
複雑なことを単純にして、単純なことを複雑にして
丈夫な歯になるように、これでもかって言うぐらい噛む
噛むと旨味が口の中にじわじわと広がってくるから欲望を満たすけど
なんか疲れちゃって、顎が外れた ....
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる

ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風

風を折るように
また祈 ....
薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話 ....
家は日当たりで選ぼうよ  駅の日溜まりで遊ぼうよ                
記号化された駅員さん  産道くぐって夏祭り                   
早々と終わりを告げて菜の花の   ....
浮気とかもあったみたいでさ                           
東京タワーは家にも寄り付かず                          
家庭を顧みない砂糖が多すぎる牛丼 ....
粛然として初夏は重なり
カーテンを引く
夏の重さは水面を広げる
わたしたちは口止めをされている
沖の方では服を脱ぐようにして
海の肌が見える
わたしはあなたが好きだっていうことを
莫迦み ....
かくれんぼうを捜していると
日が暮れ出すばかりか
いつの間にかサラリーマンになっていた
そうして欠勤者の中に彼を見つけた
電話をかけて理由を聞くと
厭きちゃったからという
今度は君が鬼だか ....
やぶれたおもいの
かけらがわさわさ   
うごめく交差点を  
虹のように
跨いでいる
ジンジャーエイルでいいです
知ったかぶりして注文したら
それはどんな味がするのかな
一杯回してくれないかね

亡くなったお祖父さんに冷やかされた

お祖父さんは
お酒が好き ....
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
藤丘 香子さんのおすすめリスト(1956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
深夜の鉄道- 狩心自由詩7*06-8-31
- 杉菜 晃自由詩11*06-8-29
菫に寄せる哀歌- 杉菜 晃自由詩5*06-8-26
血の匂い- 水在らあ ...自由詩34*06-8-26
事情- tonpekep自由詩10*06-8-25
十一代目の雀- 杉菜 晃自由詩7*06-8-24
死ぬ間際だよネーチャンこの言語動作は- 狩心自由詩18*06-8-23
リピート- 松本 涼自由詩606-8-20
慈愛- 杉菜 晃自由詩6*06-8-19
パサヤ・ドニバネには道が一本きりしかない- 水在らあ ...自由詩56*06-7-27
雨の内側- tonpekep自由詩12*06-7-25
むらさきにほふ- 佐々宝砂自由詩14*06-7-15
夏の裸- 水在らあ ...自由詩23*06-7-10
循環- たもつ自由詩806-7-7
あ、じ、さ、い。- 水在らあ ...自由詩67+*06-7-5
いつかインターネットでこの詩を読むであろうあなたに- tonpekep自由詩24*06-7-1
後ろでは軽い調子の音楽が流れています- 狩心自由詩17*06-7-1
名水- tonpekep自由詩10*06-6-27
目を閉じて- 水在らあ ...自由詩24*06-6-26
自分勝手な魂- 水在らあ ...自由詩16*06-6-23
噛み応えのある- 狩心自由詩4*06-6-20
風の形- tonpekep自由詩11*06-6-20
植物園の風景- たもつ未詩・独白9*06-6-19
命が宿るまで- 狩心自由詩4*06-6-18
嫁の夢- 狩心自由詩5*06-6-15
カーテンを引く- tonpekep自由詩11*06-6-11
鬼ごっこ- tonpekep自由詩9*06-6-9
そろもん(歩道橋の話)- みつべえ自由詩206-6-8
雨にさらわれたあしたへ- あおば未詩・独白18*06-6-8
一緒になっちまう- 水在らあ ...自由詩18*06-6-7

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