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駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....
八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
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わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている
トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ
わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめん ....
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その女の子は
押し入れを
殊の外おそれていたそうです
戸を開けるときの音が
怪物の唸り声に聞こえると
そう言って
決して自分からは
押し入れに近付こうともしませんでした
....
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女子高生のルーズソックスの中には
何が入っているのだろう
はるか昔
恐竜が生きていて
まだわたしが女子高生だったころ
何度もルーズソックスを履こうと試みたが
あの絶妙なふくら ....
小学生のころ
仲が良かった友人の家の
お父さんは雨男で
お母さんは雨女だった
家に行くたびいつも羨ましかった
彼女の家の中はいつも雨で
じゅうたんにも床にもトイレにも ....
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初夏の山は
いいにおいをしたものを
たくさん体の中に詰めて
まるで女のように圧倒的な姿で
眼の前に立ちはだかってくる
たまに野良仕事をしている百姓が
山に見惚れていることがあるが
....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
藤丘 香子さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(9)
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日付
出会った人々についての話
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吉田ぐん ...
自由詩
23+
07-9-28
えいえんの夏
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吉田ぐん ...
自由詩
27
07-8-10
トンネル/天国/書店
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吉田ぐん ...
自由詩
21
07-7-27
おそうめん
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吉田ぐん ...
自由詩
9
07-7-27
いなくなった子供らの話
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吉田ぐん ...
自由詩
13
07-7-13
雑記
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吉田ぐん ...
自由詩
22
07-6-26
雨男と雨女
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吉田ぐん ...
自由詩
20
07-6-26
初夏
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吉田ぐん ...
自由詩
43
07-5-17
書店で働くということ
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吉田ぐん ...
自由詩
73*
07-4-25
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