あの人のうたはいつも悲しみに満ちていて
僕のちっぽけな悲しみを一緒に包み込んでくれるんだ

あの人のうたはきっと全てが苦しみだけど
僕のちっぽけな苦しみをどこまでも引き連れてくれるんだ

 ....
新雪を犯して歩む足跡が黒く
続きて物語めく

人走る足音ひびく小夜床に
大寒と言う静けさかとも

蓑虫が瓦に下り風花に
吹かるるが見ゆ窓に寄るとき

胸のすく音させて割る うす氷
 ....
黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ

大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら

夕闇の光で織る
繭玉を ....
夏は涙を流してくれない


瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす


食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる

自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる


 ....
ひなはとうとう
自分が足をあげると
道路にはりついてる黒いかたちも
足をあげることに気づきました

ひなの世界にはまだ
「カゲ」という概念がないので
それは楽しい発見らしく
何度も足をあげて試してま ....
白くしずかな八月の
午さがりのあかるい部屋である
私はただソファに横たわっている
そして部屋の中空を
一個の檸檬が歩きまわっている
まるで散歩でもしているようだ
いつのまに出現したものやら ....
何ゆえあたしは起きているのか。
人が眠る時間に。

ああ、冷凍庫の変な安いアイスでも食せばよいのかしら。
もう意味がわからないわ、広い広いこの地球にいてガリガリくんを食べるなんて。


 ....






ひと振れ

蝉の声かな
とおい町外れの
森林から
あたかも
きみとは
まったく
かかわりあいが
ないっていう
そんなふうに鳴いて

そのまま ....
先生:ぐっもーにん えぶりわん

生徒:ぐっもーにん ミス・きたおおじ


先生:はわゆー?

生徒:あいむふぁいん、せんきゅー。あんどゆー?


先生:あいむふぁいん、せんきゅー ....
それぞれの皿に苺を盛り分けて
嫁ぎし娘の数も入れおり

盛装の娘の席は遠く しばたたく
目にぼやけゆく宴の席に

夕食の時どき夫は嫁きし娘の
空席言いて酒を呑みほす

月を取れ星 ....
雨とともにぼくたちははげしくなった
ルルルとラララを細いこえで
掻き消せるようにうたいつづけ
うちがわからやってくる爆発の
衝撃にたえられるように
にぎりしめながら
よりそっていようとした ....
受信器をゆさぶる


星の名残
罅割れて
物言う石


ひどく間違えて
あなたの中に探した
有意信号


嘆き
ではないよ
轟き
深い軸

の息吹
 ....
                                   あたしは、
                         綿のスカートを翻して逃げる。
誰もいない、
  ....
川底の小石流れるさま見えて
美しき水に冬陽集まるる

川底はコンクリートになりゆくか
工事済むあとの水は澄めども


園児等が短冊吊す七夕に
幼き頃の吾娘が重なる

七夕に ....
犬と往く
散歩に今朝は
虹を見る
リフトより若狭の海を見渡しつ
子等たち如何にと思い出したり

咲き残るカンナの花をめぐらせて
淡路の一角家の明るみ
(銀婚式の旅紀州へ元日 昭和四十九年一月)

吊革に背伸びして背伸びし ....
背景に滝を入れて撮られ居り
見知らぬ人との旅の安けさ

惜しみなく冬陽を浴びて青みたる
蓬のつづく海の辺を行く
(和歌山の燈台 日本の最南端)

銀婚の旅と出できし紀州路に
海の景色は ....
いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて

いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばし ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
夜を覚めて雨音に肌の潤えり
冬の旱に満ちて心良し

霜などは年中知らぬと紀州路は
オランダ豌豆 冬花盛り

サルビヤの花立ち枯れて残る紅
紀州路を行く旅の実感

それぞれに旗を揚 ....
峡の宿に熱き甘酒すすりつつ
硝子戸ゆすり風移りゆく

屈託のなき表情に寄りてくる
見知らぬ土地に犬の親しもよ

海過ぎて つづらの道にバスは入る
枯れし芒も見る度の味

枯れ落葉 ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ

わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめん ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる


白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる


手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
入道雲がいくらでも湧いて出てくる日に
大家さんから自転車をいただく
パンクくらいなら自分で直しちゃう人だ
これでパトロールが楽になるね 大家さんは微笑んで
ぼくは感謝のことばもない
さっ ....
風になった
 あなた 
  が さする 

星の瞬きは
 永遠という
  はかなさを

 楽譜に残し

美しいなんて
 残酷な想い出

 聞くことのない
  あなたの調べは ....
 西へ向けて 私は海を渡った
 揺れる気持ちを波のせいにして 逃げていた

 生まれつきの どうしようもないこと
 恨んだところで変わることもないし
 なら 愛そうと 愛そうと思って
 そ ....
気の抜けた

サイダーみたいな夏

梅雨は

まだあけない
ブルドーザー河川工事に爪上げて
アワダチ草を踏みしだきゆく

谷わたる霧のさざ波見て過ぐる
炎ゆるが程の紅葉なかりし

皮はがれ磨がかれし肌のつややかさ
杉の匂いの立ちこむる里

杉 ....
何年ぶりだったろう
母のうでの中で眠っていた
幼いころに 暑がっては
アトピーの背中で いら立つわたしを
そうっと うちわで仰いで寝かせつける
記憶が 優しかった
起きたときに
とても
 ....
藤丘 香子さんのおすすめリスト(1956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うた。- もののあ ...自由詩7*07-8-3
51P_「短歌2」より〜_昭和五十年- むさこ短歌7*07-8-2
繭の部屋- アハウ自由詩8+07-8-2
夏は泣かない- 悠詩自由詩24*07-8-2
カゲとひなちゃん- a/t携帯写真+ ...1107-8-2
檸檬の歩行- 塔野夏子自由詩10+*07-8-1
ガリガリくん- 山内緋呂 ...自由詩16*07-8-1
夏についてのスクラップ- 水町綜助自由詩9*07-8-1
詩の学校__お題:「祇園祭」- 北大路京 ...未詩・独白8*07-8-1
50P_「短歌2」より〜_嫁ぎゆく娘- むさこ短歌9*07-7-31
雨とともにぼくたちは- 構造自由詩607-7-31
創書日和「星」_空電- 大村 浩 ...自由詩6*07-7-31
FREE_FORM- はらだま ...自由詩21*07-7-31
49P_「短歌2」より〜七夕、梅雨etc- むさこ短歌5*07-7-30
朝虹- むさこ俳句3*07-7-30
48P_「短歌2」より〜47歳の頃(銀婚式)__etc- むさこ短歌5*07-7-29
47P_「短歌2」より〜47歳の頃(銀婚式)- むさこ短歌4*07-7-29
いのち- 乱太郎自由詩21*07-7-29
忘れる- 葉leaf自由詩1707-7-28
46P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-27
45P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-7-27
トンネル/天国/書店- 吉田ぐん ...自由詩2107-7-27
おそうめん- 吉田ぐん ...自由詩907-7-27
夜のころも- 木立 悟自由詩1007-7-27
そして、ぼくらは途方に暮れる(Mr.チャボ、SOS!)- 角田寿星自由詩807-7-27
- 乱太郎自由詩18*07-7-26
吐息- 北大路京 ...自由詩20*07-7-26
*雲隠れ*- かおる自由詩6*07-7-26
44P_「短歌2」より_〜北山杉_etc- むさこ短歌6*07-7-26
夏、もろうで- 唐草フウ自由詩11*07-7-26

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