いつか出会う誰かのために、
たくさんの「うつくしい」を育てよう。
果てしなく続く青空や、海。
高層ビルの窓ガラスに反射する光や
ネオンがまばたきする夜景。
いろいろなものを見て心をふるわせる ....
賢明な読者も賢明でない読者もご存知だろうが
俺の書いているのは詩じゃない
むしろ散文に近いが
別にどうだっていい
特にすんばらしくもなく
とりたててすげえいいことも言ってねえし
ヘンな ....
向こうからすげえでかいものが歩いて来やがった
そのすげえでかいものが
どう見たって
図書館だ
ツタの生えた陰気くさい外壁
入り口はまあまあきれいだ
ずらっと並んだ棚には本がぎっしり ....
プリリアンナなんて妙な名前の女がいた
お前その顔でプリリアンナかよっていうそんな女だ
そいつが言う人の悪口と言ったら天才的で
どんなにご立派な善人様でもプリリアンナにかかったら踏んづけられた ....
女の身体でいいと思うところは
俺の墓標を立ててくれそうなところだ
胸があるとかないとか
やわらかいとかかたいとか
匂いがいいとか悪いとか
産めるとか産めないとか
俺にとっては関係ない
....
俺は今も砂丘みたいなところを
眠りながら歩きながら墓標を背負って歩いている
どこまでも続くようだ
本当は終わらせたくない
墓標を立てたら
歩くのも眠るのも背負うのも終わる
つまらないな ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で
雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて
おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて
....
レイジという友人がいた
友人って何だ?
友人というより恩人か
恩人というより変人か
変わった奴だった
集団の中で良くも悪くも浮いてしまう人種だ
クソつまんねえ朝礼で
つまんな過ぎてぶ ....
椅子の形の墓標だったらいい
二人がけ
いや
ベッドみたいな
そこに俺は眠っているか
掘ってみなけりゃ分からない
だが
椅子の下を掘る奴なんていない
俺の墓標に愛し合う二人が座り ....
墓標マニアと言われているが
そんなに詳しいわけじゃない
なんか、比喩に満ち溢れた
素敵なものを書こうと思うが
だんだんどうでもよくなってきた
伝えるために言葉はあるっていうが
百回 ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート
ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない
わたしたちは
いつか家 ....
唯一確かなことは
俺は墓標を背負っていて歩いている
あとは全部嘘だろうと言われても
反論できない
反論ったって嘘っぽい
でも嘘と真実とで分けるのって頭おかしいんじゃねえかと思う
水を水 ....
バーには墓標が売っていた
バーテンダーがシェイクすると
たちまち出来上がる
ドライジンと
ブルーキュラソー
レモン
あと何か
優雅に注ぐと
ちょうど一杯分だ
バーテンダー ....
夜中にラーメンが食いたくなるってことは
生きてることなのか
どんぶりに残った千切れたラーメンを
蛆虫と思うのは
生きてることなのか
痛み、痛みは反応で
生の確認にはならない
どん ....
とうとう俺の墓標が立ち
女たちは涙なんてダサイものを落としに来る
いい思い出にして
忘れたことにして
ダサイまま生きる
臨月の腹をなでながら
男かしら女かしらなんて
今か ....
眠りながら歩きながら眠っている
墓標を背負っている
曲がりくねった黒い道だ
まっすぐ続く赤い道だ
途切れ途切れの
滑らかなカーブそこへ続く道を
眠りながら墓標を背負いながら歩い ....
今夜は 君の部屋にあがれないんだ
意気地がないワケじゃないんだ
今夜は 君の部屋にあがれないんだ
君が嫌いなワケじゃないんだ
靴下に穴が開いていて 靴を脱げない
ただ 今日は靴下に穴 ....
そうじゃないんです
気持ちはうれしいんですが
そうじゃないんです
うなずいてはいますが
そうじゃないんです
ずばりと解決策をしめしてくれますが
そうじゃ ....
朝
君は 泣いて
朝
戸を閉めて
二人はもう一度夜を創造する
血 を ながして
朝
ひ か り
二人が生んだ夜を
野蛮な 夜を 漂白する ....
ひまわりが枯れて
バラが枯れて
チューリップがこぼれて
シベリアだけがまだ
咲き誇っている
切られた花の優しさしか
あげられません
あげたくても
あげられません
....
白く硬い肌を持つ
針葉樹林に囲まれて
上を見上げれば
満天の星空
一つ一つの星から放たれる光線が
私の体を貫通する
体は八つ裂きにされて
はらはらと宙を舞い
落ち葉と同化する
静けさ ....
さようなら
冬の中では決心も幾分
凛としている
さようならを投函しようと思うのでした
さようならを投函しようと思うのでしたが
ポストの投函口は
市の条例とかで封鎖されてしまい
更には ....
複雑な感情を うまく説明できないんだ
名前のない衝動や 感覚が幾つも絡み合って
本当は自分でも まったく解ってないんだ
難解なコトバ並べて それらしく それらしく
う ....
◇暮れ
年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに
初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう
◇木にぶつかれば
蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
....
だが
落葉の時間をへて
絶え間ない先送と 既了の境域へ
戻るか
コウシュの旅人
蒼茫の中、
一際
あおく、沈んで
そこで意味の果実は
割れ、
残照 ....
影を慕うように歩いた
いつか座ったベンチは
同じ赤色のままで
覚えてるかい
と問うので
耳を塞ごうとして
その中途で迷った
ギターを弾きたい
ギターを弾きたい
こんな夜には ....
ちいさい頃
秋になっても淋しさなんて感じなかったのにね
歳をとる度
切ない気持ちが濃くなってきているようです
ちいさい頃
大人は強いと思ってたのにね
....
足首も弱り
立てなくなって
車椅子のベランダから
シーツの海を漂っていた
頭を動かすと
風が吹きぬけ
取り留めの無いことを
空に飛ばしていく
脳に残った歌詞が
震えとなって体を暖 ....
逃げたいけれど逃げない。
叫びたいけれど叫ばない。
怒りたいけれど怒らない。
悔しいけれど悔しがらない。
悲しいけれど悲しがらない。
泣きたいけれど泣いたりしない。
涙が零れそうだけれど零 ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った
あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで
子供の頃によ ....
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