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寝苦しく目覚めた朝に夢うつつ
    激しく窓をたたくたたく雨


雨音を思えば雨が支配する
    人を思えば雨の一日


アンブレラ覗いた瞳くぎづける
    すれ違いざま舗道の ....
光は満ちてゆく
花のような小舟を浮かべて
ふたたびの光は寄せてゆく
まだ浅い夏の水際に


片足を浸して眺めるだけだ
ドアを細めに開けて
そっと知られぬように
飛び立つ小鳥を慈しむよ ....
黒い道がのびている
静かな{ルビ轍=わだち}が寄りそうように走り
道の上には白い雪が
粉砂糖のようにやさしく降り置いて


灰色の空には切り裂く翼もなく
肌を刺す冷たい空気ばかりが動く
 ....
青い
夜明けのような{ルビ苧環=おだまき}の花を行き交い
小さな蜂が羽を震わせている
光は飴色に輪を広げ
触れるたびに緑の葉は揺れ動く
あいさつのように かすかにそっと


      ....
頰杖でまどろむ窓辺何もかも
    透き通ってゆく水晶夜にて


草のゆめ針の夢またむらさきの
    時のうつろい夜は傾き


果敢ないと花びら時に散るならば
    ....
白い桜花のあいだから
かいまみた 貴女のくちびる
いつ どこで そうなったのか
わたしの記憶はさかのぼる
赤い花は嫌いです まして
白い花が降りそそぐその中で
貴女の白い指先がこぼれおちた ....
それは
濡れた樹々の梢に透かし見た
緑の扉
明るい庭先のその扉を夢見る
光と影を刻み憧れにたたずんで
あるいは移り変わる街の喧騒の中に
待ちくたびれて
人知れず錆びついていたあの扉
そ ....
藤丘 香子さんの石瀬琳々さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨、また雨- 石瀬琳々短歌7*08-6-25
水際、まだ浅い夏の- 石瀬琳々自由詩9*08-5-6
絵本- 石瀬琳々自由詩18*07-12-19
- 石瀬琳々自由詩17*07-5-11
水晶夜- 石瀬琳々短歌21*07-4-17
夜桜の候- 石瀬琳々自由詩15*07-4-11
緑の扉- 石瀬琳々自由詩17*06-5-5

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