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 「新体詩抄」(明治15年)の序文は日本伝統の和歌や俳句からはなれ、平俗な日常語による自由詩への道をひらく契機をはらんでいたが、その実作は七五調中心の文語定型詩であった。それも作品の完成度からいうと、 .... 噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
くずれおちて 波に
さらわれても いつか きみの渚に
ながれつき たちあがる 砂の城で
愛のために そして死のために
おなじひとつの 星座をうたう
森を出て 信仰をなくした
ひとびとが むれつどって
安息の日を 消費している
ショッピング街に やおら  
慰安のような 綿雪がふる
きよらかな ふゆの
卵を ひとつだけ 
孵らせる ために
些細な じぶんを
しきりに ふりおとす 
たったひとりの あなたへ
とどく かもしれない
ことばの しんじつを
かんがえて こどくを
えらんだ のです
あなたと その周辺を分解し
組み立てなおし 恒星のことばで
したためて 郵便受けに
ほうりこんだが 返事がない
いや たぶん絶対に こない
はばたきが きこえる
とおい 風の血統に
呼びかけてくる
ひろった羽根で
こころみに とんでみる
この連作「そろもん」は、五行というフォルムそのものがテーマでした。大局的には、それ自体が現代詩的構文のアンチテーゼとして機能することを目論んだと、とりあえず言っておきます。でも内実は、きわめて個人的な .... 空の種族が おとした
羽根を ひろいながら
あるいている 一千本
あつめたら つばさと
交換してくれる 約束
金風が ふいている
豪奢な さびしさが
きみの横顔に かげをつくるのを
歌おうとして 韻律の
罠にはまっても 悔やまない 
幕をおろして 劇をはじめる
中枢神経に 花がさくとき
ほんのわずか きみの頬をそめる
熱量が欲しくて まいばん
星の軌道を めぐってくる
ひとつの 荒野のおわりに
名前もしらない 月の花が
ほそながい 清潔な
首を さしだしていた
火を消して ねむった
いつか 見たことのある
風景ばかりだ ひとは謙虚に歴史を
学ばなければならぬ はじめから
螺旋をたどるのは いくつ 
いのちが あっても足りぬ
鏡面に 旗をたてる
ここから さきでは
ことばが 失効する 
わたしを きれいさっぱり
拭いとってから 前進する
この夏休みは リンゴとレモンと
スイカの皮を すっぽりぬきとり
息を吹きこんで フーセンにして
こどもたちに配る 八百屋の
アルバイトに 応募しました
ビルばかりの 街にいると
遠くへの まなざしを
忘れてしまう きみの
心ではなく 顔ばかり
みつめて ごめん 
夢のつづきは いつも
さむいものを 育てていた
ぼくらが たがいの
希望に なるのだと
むつびあった あの場所から
なにかが しきりに
こぼれる
鈴のように
銀のように
ふるえる 天窓
呪文を となえれば
砂の虹が くずれる
言葉の なきがらを
なきながら ふんで
風の道に とどまる
いま じぶんには
まだ 見えていないものが
あると ためらいながらも
言わねばなるまい 最大で
ひとり 必要ですと



関連作品→http://po-m.com/forum/show ....
わたしはじかんのはてから
ながれをぎゃくにたどって
ここまできました
あなたにかかわり
せかいのみらいをかえるため
だれのためでもなく
言葉は うまれ
王国となった あ
きみの ためだけに
歌いたかったのに
もしも喜びが 木に咲くなら
摘んで花束にすると クリスティナは
かいているけど ぼくなら喜びが 実るまで待つ
そしてそれが 葡萄の房のようなものなら
ひとつぶずつ みんなとわけあう
せかいの おわりに
きみとだけは いっしょに
いたくないと いわれたら
がんばって
せかいを すくう
やぶれたおもいの
かけらがわさわさ   
うごめく交差点を  
虹のように
跨いでいる
われらの旅についてかたろう
われらとは わたしであってわたしでなく
すべての旅を ひきついでありつづける
おおいなるひろがり そのなかへ わたしもきえるが
われらの旅にはおわりがない
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました ....
藤丘 香子さんのみつべえさんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩人のシノギ(訳詩集「於母影」の巻)- みつべえ散文(批評 ...808-4-16
●そろもん(あとがき)- みつべえ散文(批評 ...4608-2-17
そろもん(絆の歌)- みつべえ自由詩708-2-2
そろもん(街の歌)- みつべえ自由詩508-1-23
そろもん(木の歌)- みつべえ自由詩507-12-13
そろもん(石の歌)- みつべえ自由詩807-10-22
そろもん(恋の歌)- みつべえ自由詩1007-10-9
そろもん(鳥の歌)- みつべえ自由詩307-10-7
●そろもん最後の栞- みつべえ散文(批評 ...807-9-14
そろもん(黙契の話)- みつべえ自由詩407-9-8
そろもん(佳人の話)- みつべえ自由詩307-9-2
そろもん(恋煩いの話)- みつべえ自由詩707-8-13
そろもん(テントの話)- みつべえ自由詩607-8-10
そろもん(個体の話)_- みつべえ自由詩507-8-8
そろもん(境界の話)- みつべえ自由詩507-7-21
そろもん(魔法使いの弟子の話)- みつべえ自由詩207-7-9
そろもん(非礼の話)- みつべえ自由詩907-7-8
そろもん(原点の話)_- みつべえ自由詩607-7-3
そろもん(啓示の話)- みつべえ自由詩607-7-1
そろもん(幻像の話)- みつべえ自由詩507-6-30
そろもん(また読者の話)- みつべえ自由詩307-6-28
そろもん(プロポーズの話)- みつべえ自由詩407-6-27
そろもん(焦燥の話)- みつべえ自由詩607-4-17
そろもん(閨秀詩人の話)- みつべえ自由詩707-2-25
そろもん(ヒロイズムの話)- みつべえ自由詩1807-2-17
そろもん(歩道橋の話)- みつべえ自由詩206-6-8
そろもん(われらの旅の話)- みつべえ自由詩805-8-4
●そろもん第一の栞- みつべえ散文(批評 ...2305-6-30

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