水曜の午後は
bossa novaの和音に肘を抱えて
白い器の縁をみつめている
くるりと立ちのぼる
緩やかな湯気の香りで
部屋中を染める

耳からこぼれおちる
綿のようなものを
すく ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
彼女は
他人のことを
一切話さない
でも言葉の壁
なんて何一つ
感じはしない

他の女性の話を
彼女の前で
したって
聴いていない
ふりをするだけで
毎夕 仕事帰りに
ドアを ....
青い空 白い雲
緑の森とオレンジのガム

赤い花 黄色い靴
銀のペダルと金の太陽

We live in the colorful world
飛び出したなら止まらない
小 ....
私が未来を差し出せるのは
気兼ねなく電話できる人

私が未来を差し出せるのは
ホクロの数を知っている人

私が未来を差し出せるのは
私の長所を見つけるのが上手い人

私が ....
1枚めには
あなたに会える喜びを
風に吹かれて待っている

2枚めには
悲しみが潜んでいる
私のことを忘れないでいて

3枚めには
胸いっぱいの愛を
あなただけにあげるの

そ ....
昏い昏い
夜があけようとしている

黄金色の朝は
いつも下からやってきて

夜は上に追い払われる

おはようって
最初にいいたいのは
やっぱりあのひと

でも
会えないから
 ....
ジャガイモの皮を剥いたことある?

妻に尋ねられ
そういえば
記憶に残っていない

娘が小学校低学年のとき
いもの皮むき みんなでしたとき
血だらけになった男の子がいたらしいよ
娘が ....
さあ 耳を澄まして 心を静めて
金木犀の香りにだまされないで
こちらをじっと見つめて
あなたの手のひらにのっている
この罪は何の罪?


そう 口を噤んで 囀り止めて
秋桜の可憐さにま ....
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
天窓から見える
山はまだ緑
まだ

でも
そのうち
紅葉になって

きっと
美しいだろう
血のような赤や
華やかな黄色に

もしかしたら
雪山さえ
見る事が
できるかもしれない

四季は
わたしを置き ....
僕の右手が
何度も触れようとした、空の隅っこは
夕凪に吹かれて
いつも少しだけめくれていたのを
僕は、微かに覚えている。
 
 
その話を
黙って聞いていた君が
急に、眠りにつくだな ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても

しあわせなら
よりしあわせになるように

そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように

できることなら
あなたの ....
灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて

薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて

茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて

青 ....
夢のように細い骨で
ぼくたちは生きてきたんだね




愛についてを乞うたのならば

骨と枯れても

幾千

幾憶


そこには声があった、と
想う

 ....
ゼリー状の七色のトポスが死んだ日。――
愛しいカルメラを焦がした甘い匂いまでが
いつか知らないうちに喪に服しちまったみたいで
それは廃れた漁師町の瓦礫の打ち寄せられた海辺にも似て
今宵も古びた ....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる

それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
ヤだよ。

俺の心に開いてるのはピアスホール程度の小さい穴じゃ無い。
なら心ごと噛み千切ってくれ。
俺を傷つけて良いのはお前だけだぜ。
窓を大きく開け放ち
男はそのままの姿勢で倒れこんだ
夜風にカーテンがゆれるだけの
ささやかな部屋
カーテンの色はミントブルーで
男の好きな色なのだった
思い出の中で静かにゆれている
今も ....
秋を肴に一編の詩
まずいな
無口な月が雲隠れ
うまい酒は
そうあるものではないからな

あのひとがいなくなった
突然 ぼくには
あのひとにはもう会えない
おそらく ぼくには
辛い肴 ....
窓辺のロンリネス そこにいないで
翼ある者たちよ 飛び立て
あの青く澄んだ{ルビ高処=たかみ}へと今こそ

求めるものはあまりにも遠くて
追いかけてた夢にもはぐれてしまった
あきらめないで ....
ブラック・コンテンポラリーのリズムに身を委ね
カモミールの香りが漂う部屋の中
あなたへの想いだけが
ゆるゆると飽和して溶け出していく


手をのばして 重ねて 見つめあう
濃密なアトモス ....
 
 
鮮やかに彩られた鮮明なキャンバスに
生きる君
蝶より儚い蜉蝣だ
白い手首にずっしりと
筆先を落としたがる掌が
 
(ちらちらと
 
 
冬の雪は冷たすぎると
呟く君のホ ....
剥ぎ取られ
た天使の笑顔と、分割された、

髑髏の気持の行方は。



飽きるほどコピー
され、スキャンされたマリア様と

の絆、

老いた初期衝動。


それは、
き ....
   1

真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
あららシャープペンシルの芯がきれちゃったみたいだ
俺のお父さん電気工事施工管理技士の資格持ってるらしい
政治と経済その他もろもろがあっちこっちで正面衝突
アローアロー?
西のゴミ箱に突っ込んだ ....
胸に潜む
沈黙の種子よ

忘れえぬ時の傷みを孕み
切り立った断崖に木霊する
エクリチュールの犇き
伝えられなかった想い
その亡骸

堆積した土塊でできた
テラコッタ ....
うそは泥棒のはじまり
だったはずなのに
ひとは誰でもうそをつく

愛するが故のうそだからと
あのひとは
目も合さずにつぶやいた

その場しのぎのうそを重ねて

針千本の〜ま〜す
 ....
まばらな枯れ葉を飾った街路樹
細い枝先が交差して編んだような
小枝の投網にひっかかり
捕われてしまった晩秋の月


きっと月の頬には
網目の痕がついているだろう
憂鬱な月の溜め息が
 ....
荒涼とした原野に
流転の種は解き放たれ
十五夜の月が
黄金色の蜜を
大地に垂らし
豊潤の実りを
見つめている

舞う種は地に根付き
芽は硬い殻を破り
一息呼吸する ....
アハウさんのおすすめリスト(2019)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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