3分間で出来上がるカップ麺はあるけれど

3分間で出来上がる世界など存在はしないだろつ

もしそんなものが存在していたら

もうインスタントワールドは

たちまち売れてみんなが神になる ....
かなしみの淵をなぞるゆめ
鋭利なガラスで指を切るゆめ
開いた詩集を風が繰るゆめ
その一ページに血をこぼすゆめ

うすももいろの唇に
ぼくのインクで紅を引くゆめ
まだ汚されぬやわはだに
 ....
僕はパソコンの前にいて
女房はミシンで縫い物を
僕と女房の間には我が猫が、
我が黒猫が女房と僕の顔を
とっかえひっかえ
見上げていた。

猫は突然しっぽを上げ
僕の前を横切って
キー ....
窓の外に火星が出ている 部屋の中にグロキシニア
手のひらにひやりとする不在と堆積する夜 闇夜
少女のいない部屋で道具にぐるり囲まれ
憧れに取り残されてシャツを濡らす惨めな男

目に見えるもの ....
ボタンを外していく器用な指の動き
パンをちぎり口へ運ぶ迷いなき指の動き
ミメーシスの強迫観念もなりをひそめて
肩の高さで揺れる髪に無言になる宇宙

丸い乳房 しなやかなアキレス腱 唇 声
 ....
緑の旋律 てのひらよりこぼれおちて
レティナに舞うすべての形 曲線 肌の白さ
優美で華奢な少女というニセモノじみた絶対
ひとつの奇跡のようにひらく花のような軽さ

笑い声泣き顔 細い指薄い瞼 ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを

みつけだしてそこから僕の人生は決まった

一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを

朝から晩まで引き続けていた

将来はビッ ....
   てっぽうゆり



武器の名を持つ 白い精神には
滑走路はありますか

新月の日の始めの朝には
草原を はだしで歩いてごらんなさいな
一足ごとに 露がはじけることでしょう
 ....
届かないと思っていた扉の取っ手は
いつの間にか腰の位置になっていた


背が伸びて視野が広がる
遮っていたものに追いつき追い越し
世界の大きさに少しずつゆびが触れる


もうすっかり ....
喪服を着たおばさん四人
交差点を渡り、口々に話す。

一人は楽しげに
久しぶりねぇ
などと通夜であることを忘れ

一人は怒ったような顔をして
どうしてなんでしょうねぇ
などと宣う
 ....
白い部屋の
白い窓辺のあなたに
向日葵を届けたい


朔の闇夜の月を
輝かせるほど
明るい向日葵を贈りたい


七色の虹が
黄色であふれるほど
たくさんたくさん贈りたい


あなた ....
その人の詩
遠い外国語の
耳慣れぬ響きと
一通の手紙の文面

進化し続けることは
数多くのものを淘汰し
個体は自分自身の経験で
宇宙を語りなおすばかりだ

いつしか循環する日水辺に ....
{引用=地上では
夏を散らす風
恋しくて水面をみあげた
なぜかしら
感じたことのないものを
わたしは知ってる


水面には
ひかりの乱舞
銀が背に降り積もり
手のひらの ....
山腹から漂い降りる朝靄に

竹林に朝靄が
風に漂う朝靄の中
溌剌とし
凜とした景色を観る

竹林に偲べば
風に漂う朝靄の中
遠く霞み
曖昧な昨日を見る

竹林に及べば
風に漂 ....
神妙にいたすしかない
まどろっこしい夢の淵で
足を踏み外し一路はるばると
緑のさやを開いていく

ジッパーで世界は
夢とこちらに隔てられている
片側通行でないので
夜は眠る決まりなのだ ....
さよなら、20世紀のかなしみ
戸惑うばかりに時を紙やすりで削り
緑が朝の雨に研がれていく

薄暗い台所では 食べる営みの準備
食い繋いでいく真摯な必要性を包(くる)む

食べもしないのに ....
口に出して言うてみて

もしテレビついてたら消してな
家族がおったら ちょっとはなれて
一人ぼっちやったら ちょうどええわ

「生まれ変われるなら
もっと一生懸命生きんのに」

言う ....
Night and Day

君の抜け殻やさしく抱いて
霧のスキマに朝から一人
言い訳をポケットいっぱい
詰め込んでひたすら歩く

僕ら春の夜光虫となって
ふよふよと浮かんでる街に
 ....
リスクは少ない方がいいのは

それは誰でも頷くこと

地道に貯めていった一円貯金は

今にも爆発しそうだった

揺れる椅子に座る

この椅子の名前はなんだっけな?と

そんなこ ....
剥いたばかりのオレンジの皮には
世界中の切なさが詰め込まれている



予期せず飛び込んでくる酸味はほろ苦く
容赦なしにやわらかいところを襲い
細胞のわずかなすき間からもぐりこんで
き ....
いつしか雪が降りだして
夏なのにね おかしいね
僕は悲しい顔をして
君が帰ってくるのを待っている

僕のほうが先に死んでしまうよ
犬だものね 当然だね
玄関のタイルの冷たさに
柔らかく ....
バラード

やさしくされるのになれてないから
やわらかいものごしでこころにふれる
きみのこえにいやされどすなおになれず
いつからかまぶしげなえがおにこがれ

さんざんかなしいことばによい ....
コンクリートの石垣と
区分けされた高台の下
淀んだブルーの海に
白いヨットの群れが
白いダンゴムシの死骸のように
そして、漂っていました。

風は海から吹いていたはずなのですが
魚の干 ....
花のような雨に打たれてひっそり
つま先を濡らしヴェランダを歩く
朝な朝なラヴェンダに水をやるのだが今朝は
グラデーションを確かめて新聞を取りにいく

白と水色と緑とオレンジと黄色で
僕の部 ....

四角い硝子の内側に
ぶわぶわしたひとびとが
等間隔に産み付けられた卵のように
ぎっちりと隙間なく座っている
人間ではないふりをした顔は
電灯に照らされて
生気がないように青白い

 ....
戻れるのだろうか 
土を踏みしめて歩く
背の低い草に
皮膚を破られながら裸で
今にも雨が降りそうな
空を眺めている

戻れるのだろうか
世界は見知った世界に
少しも似ていない
埃っ ....
川っ縁のベンチに座りながら、父は鼻毛を抜き、息子は顎鬚を抜いている。
昼間っから開いている呑み屋を探し疲れて途方にくれていたのだ。

暑いからと言っても喫茶店などに入ってコーヒーを啜るなどという ....
おまえは自分でかわいらしいなどと思ってはいなかった。
まわりはかわいいという
しかし、おまえは自分が不細工と
信じていておどおどしていた。
幼稚園からの帰り道
手をつなぐ同級生がわずらわ ....
ただ一人君だけに 止まった時計が
感情のない 瞬きをおくる
遠い夜明け 君が字を覚えるより前の
低く響き渡る クラリネットの音楽

土の下から緑色の そして嫌な匂いのする
濃い霧のようなも ....
長いものには巻かれるほうだ。
だから君にもグルグル巻かれてる。
あんまりキツク巻かれたりして、イテタタタ…みたいな時もある。

時には撒かれちゃったりして、君の姿が見えなくなっちゃったりして困 ....
アハウさんのおすすめリスト(2019)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
インスタントワールド- こめ自由詩1509-8-24
ゆめ- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-23
ねこのこごと- ……とあ ...自由詩9*09-8-23
Explicit_Circumstance- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-8-23
Implicit_Circumstance- 瀬崎 虎 ...自由詩609-8-22
ニセモノじみた絶対- 瀬崎 虎 ...自由詩709-8-21
忘れていたあの場所- こめ自由詩1309-8-20
てっぽうゆり- るるりら携帯写真+ ...8*09-8-20
わたしのうた- あ。自由詩24*09-8-20
通夜- ……とあ ...自由詩11*09-8-20
向日葵- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...18*09-8-20
ゲーテ生誕260周年- 瀬崎 虎 ...自由詩609-8-19
こい- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...16*09-8-18
竹林- ……とあ ...自由詩7*09-8-18
ジッパーで世界は隔てられている- 瀬崎 虎 ...自由詩609-8-17
20世紀のかなしみ- 瀬崎 虎 ...自由詩409-8-16
口に出して言うてみて- 瀬崎 虎 ...自由詩6*09-8-16
Night_and_Day- 瀬崎 虎 ...自由詩4*09-8-15
オールグリーン- こめ自由詩509-8-15
オレンジ- あ。自由詩10*09-8-14
人生の大半は君を待つことに費やされた- 瀬崎 虎 ...自由詩12+*09-8-14
バラード- 瀬崎 虎 ...自由詩3*09-8-14
マリーナの夏- ……とあ ...自由詩9*09-8-13
ぐるり- 瀬崎 虎 ...自由詩6*09-8-13
電車ごっこ- 吉田ぐん ...自由詩809-8-12
今はただ水が飲みたい- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-8-11
かつての夏- BOOKEND散文(批評 ...5*09-8-11
三歳のおまえ- ……とあ ...自由詩13*09-8-11
詩を書く前にぼくが感じる気持ち- 瀬崎 虎 ...自由詩409-8-10
ギリギリ- BOOKEND自由詩10*09-8-10

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