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骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで

湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
月を遠ざけるものを捜して
迷い込んだ森

薄紙で封印された
わたしを引き裂いて
生まれてくるものがある
皮膚がわたしを押さえつけていた
だから、だ

破りとられて流し続ける
温かい ....
携帯電話を右手に持って
駅に向かってる

携帯電話をズボンの左ポケットに入れて
噴水の横で待っている

ストラップを短く持って
くるくる回してみたりする
居心地が悪いね今日は
ど ....
 歴史というものを軽視する人を見分けるには中米の話をすればすぐに判別できます。「メキシコのピラミッドって見てみたいよね〜。」とか話題を振ったときに「古代マヤのピラミッドっていいよね〜」みたいな反応が返 .... 雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ

小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。

消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
波打ち際に作られた砂山
いつかのあなたのよう

私の胸の潮騒
いつしか海にかえって
ゆるやかな緑の山稜から
墜落した日差しに
めまいがする
真昼の木陰はさらに黒くて
鳥たちも飛ばない季節風
私の見えないところにも
染みこんでいく

切り絵の空に逆光のきみが
遠く ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
さかなになって
星を見つめる夢を見る
波打つ界面のもっと上に
潜る深海を見る

手をのばすと
満たされない世界を掴む
息苦しい自由と屈折率
さかなのうちゅうに
虹はない

夜 ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる

視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない

   百科事典が世界を壊していく
   たとえば民族
    ....
なくしてしまったものが
消えてしまうわけではない
わたしのものでなくなっても
世界には全部ある

つまりそれは
みんなのものだけど
わたしものじゃない
すべてを知ろうとして
百科 ....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく

アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
 夜の駅前広場でブレイクダンスの練習をする若者達。私の住む地方都市のいちばん大きな駅での風景です。以前はエントランス外側のガラス面を鏡代わりにしていたのだが、よくわからない理由で排除されてしまいました .... 浅い春だから
吐く息はわずかに白く
見上げてため息をつけば
ひとり六分の月
面影というにはまぶしすぎて
思い出というには遠すぎて

  もう歌わないと決めたうたをつい口ずさむ
  もう ....
同心円でありたいのです
それぞれの速度で広がる
無数のわっかのなかで
波紋を重ねたいと

降り始めの一滴になりたいのです
そのひとのほほで流れれば
きっと振り返るでしょう
手のひらを空 ....
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか

  太陽、秘めた声
  心灼きながら
  生まれ続ける
  聞いて、聞いて、
   ....
今日は朝から電話対応に追われてしまい
まともに昼食をとっていなかったから
目が回るなぁと思ったら四時十二分
営業車をコンビニの駐車場にすべり込ませ
アップルパイを買おうと思ったんだ

   ....
小さな公園に降り積もる
いつか、という遠い未来
約束しないジャングルジム
電線のように
ふるえている

なによりも本当を隠す
誰からも遠くに隠す
それが凍える雪
冷たさに救われる時
 ....
ひとめぐりする
違いについて
考えてみようと思うけど
夕日が沈むのか
それとも
僕らが遠ざかっているのか
わかるものか

薄っぺらな紙も透視できない
僕らには
粘土層を貫いた深い根 ....
言葉でうまく紡げない夜を
上手に{ルビ梳=と}かしてくれ
海を幽かに織り込んだ
雪にもなれない
中途半端な雨風が
並ばなかったピースを
山のふもとに吹いてゆくから

  こんな夜でも
 ....
あいつが吠えてるよ
母親に毛並みが嫌いといわれて
吠えてるよ
妹の庭で吠えてるよ
姉の美味しいご飯を大好きな
僕の優しい言葉が大好きな
首輪のとれたあいつが
父親に寝相が悪いといわれて
 ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....
幾度も、なんども
夢から覚めると右手にアクセルの感覚と
四天王寺から日本橋へ車線変更
遠く、象の鳴き声を聞くのです
松屋町筋へ曲がるという
思い出のような物語はいりません
ビル風に吹かれて ....
ほんとうの事が知りたいけど
正しいかどうかはどうでもいい
つまり、とりあえずは磁北を信じて
夜どおし動かない星を探し出す
北極星、と呼ぶのは僕たちだけで
イトスギ達にはきっと別の呼び名がある ....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
今日は静かな雨
君と焚き火をしよう
やさしいぬくもりでは
凍えてしまう夜だから
黒松の薪なら
煙は雲まで届くだろう
そしたら湿り気の凝集で
雨が雲から
絞り出される

だから焚き火 ....
Rin.さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
残照- たりぽん ...自由詩1309-6-15
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
スパイ- たりぽん ...自由詩15*08-11-28
さかなのよる- たりぽん ...自由詩32*08-11-15
あわせかがみ- たりぽん ...自由詩22+*08-10-19
まちあわせ- たりぽん ...自由詩608-10-12
マヤは古代じゃないんだよ!- たりぽん ...散文(批評 ...4*08-9-24
眠りたい、雨の日は- たりぽん ...自由詩17*08-9-21
胸に打ち寄せる- たりぽん ...携帯写真+ ...808-8-19
残照、とりのこされて- たりぽん ...自由詩708-8-13
冬の港で生まれた- たりぽん ...自由詩24*08-7-18
波打ちぎわで眠れない夜に- たりぽん ...自由詩708-6-29
真昼の軌跡、描いて- たりぽん ...自由詩1208-6-26
あなたは分類、されてしまった- たりぽん ...自由詩16*08-6-8
せかいにはぜんぶ- たりぽん ...自由詩708-5-26
ツォルキン・ステップ- たりぽん ...自由詩20+*08-5-6
彼らが自由に踊るとき- たりぽん ...散文(批評 ...1*08-4-30
浅春、深呼吸- たりぽん ...自由詩9*08-3-19
春雨- たりぽん ...自由詩16*08-3-14
月空の夜光虫- たりぽん ...自由詩708-2-29
チョコレートパイ- たりぽん ...自由詩608-2-22
どこに降り積もる- たりぽん ...自由詩5*08-2-17
地動説な雑草で- たりぽん ...自由詩7*08-2-6
ヌートリアンナイト- たりぽん ...自由詩608-1-14
やさしい、庭で- たりぽん ...自由詩9*07-12-15
薄明(嘘つき)- たりぽん ...自由詩1107-12-12
RZ250、時刻は夜明けの2時間前- たりぽん ...自由詩7*07-12-9
きっと、別の呼び名で- たりぽん ...自由詩27*07-11-13
そう結局は深夜ひとりで眠る、それだけのこと- たりぽん ...自由詩26*07-11-5
焚き火をしよう- たりぽん ...自由詩1107-10-15

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