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あの子の瞳は遠くの方を見つめていた
見つめ合ってはいたけれど
その黒は、星が流れる広大な虚空よりも深く
氷に閉じ込められたまま、燃え上がるような黒だった…
その炎に触れてしまったら ....
救われたいために
あの町を出たんじゃない
ましてや逃げたかったわけでもない
ただ、確かめたかった
私はもっと素晴らしい私に
子供の頃に憧れた大人に
じっとりと動けないような
貝殻 ....
見渡す風景は透明な水色
水の中より君を見る
舞う蝶よ
ここでしばしお休みなさい
厚いガラスに気付かぬふりで
我らはしばし寄り添おう
夜になれば
きっと境も忘れよう ....
夢を見ていた
都合の良い夢を
倒れた案山子
そこが滅びた都市の枯畑であろうと
雪積もる冬の崖の上でも
倒れぬ案山子
秋の稲穂は脱穀を終わり
副産物の藁で人型を編みこ ....