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いつもの手紙の更新を、また忘れたりしながら
滑り落ちるような坂を
今日は黙って落ちる
街外れの図書館はいつも通りの匂いがして
さらさらと視界が変換されていく
名前を名前と呼んだのは何 ....
朝。
夢からの目覚め、その一瞬の微睡み。
静寂
空気がキレイ。
自転車の鈴の音。
犬の鳴き声。
朝。
ベッドの温もり。
君の体温。
冷たい足先。
密 ....
話しつかれて
午前二時
もしこの電話をきれば
世界も
終わってしまう
そんな気がして
ふたりは
どこからか
ぶあつい
電話帳をもってきて
ただ電話番号を
読み合うんだ ....
万華鏡の街は
おとなのものだから、
子供はずうっと背中丸めテレビゲームして。
僕はそう思う
電脳スペースの揺り籠のなか見る夢はいつも
空腹の味が奥歯に染みて 眠れないなら、朱いめの ....
誰かいま喧嘩売ってこないかなと思う
オンラインゲームのなかで
アバターとか
詩集とはエロ本のことだ
構えんで
難しい顔をする必要はなく
ただそこに写真よりも ....
皮膚という薄皮の中に
なまあたたかい
生がある
そう思いこんでいる
骨にまとわりつく体を
巡っていく流れに
生がある
そう思いこんでいる
あなたとつない ....
猫が歩き回るけど
ちいちゃんは自分がどこにいるのか
わかります
お母さんが携帯で
「どこにいるの?」
て聞くと
「白い猫の近く」
て元気に答えます
するとお母さんは
「八百屋さんね! ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
リコーダーの空は
ドナドナを歌いだしそうに 不安
ランドセルは束ねられていた
赤く
赤い文字盤をみている
チャイム
太宰治は、を主語にして
話をしたことがあったかもしれない ....
それでも朝は来るので
わたしはまた生まれてしまう
約束されていないことなので
途方に暮れている
わたしは手を持たないので
仕方なく
眺めている
ふりをしてみる
鳥の不思議な動きを少 ....
ここは
いつも広くて
息が白くて
冷えてて
がらんとしていて
音は全て霞んだ帳の向こうから
聞こえて
私は
怒っていたし
恨んでいたし
頑張り過ぎてたし
叫びたかったのに ....
夢の無い画面の端に
流星群が見られると記されていた
濃紺に澄んだ空は
白い あるいは銀や朱に
闇を切り取られている
湿り気の残る髪が凍え
湯上りの匂いが後ずさりする
夜着 ....
私たちは死ぬまで生き続ける。
幽霊は死に続ける。いつまで?
さまよえる幽霊が躓いた。その幽霊は
浮いているはずじゃなかったの?と、
困惑した表情。悲しいのかもしれない。
死んでいるのに? ....
水辺のスキャット
目黒のサンマ
裸のビーナス
貝に乗る
半端な海辺で
システム開発
忙しい社会
一株一円
二株二円
証券会社に
買い注文
61万株
1円
私の心は
....
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した
まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝 ....
傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある
洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ
僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言 ....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく
そうして自身は守られている
紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
時々
私の手のひらから
生まれてくるもの
最初は小さな涙
ぬれてる感じがして
よく見ると
小さな水の欠片があふれていた
手のひらを拭いても次から次へと
出てきた
それを見ていた ....
もうすぐどこかで雪が降るのかな
君を真白な街に連れて行って
君の白い肌と真白な街並みを見たい
さらさらと降りつもる雪と
すべすべの君の肌は
どっちが気持ちいいのかな
雪を溶かす ....
段ボールの切れ端から
夢を見た
やさしさに包まれた炎
どんどん燃えていく民家
煙を感じるはじめての
あれは炎だ
単なる火であり、炎だ
....
メモ帳を開けて
売り上げを認める。
肥大した大地で
クシャミしながら
朝来た道を辿るので
ギンガロン ギンガロン
はみ出し野郎が目を覚まし
冬の浜辺で貝殻を踏み砕く。
お尻から生えてた
あげたてのコロッケみたいないろの
太いしっぽを
あわてて隠しました。
あのひとが明日来るってさ。
油断して
わたし
ババシャツで毎晩寝てました。
かみの毛 ....
私戦争が起こったら
真っ先に敵を打ち殺しに赴くわ
のみ子はハッピーセットのおもちゃを転がしながら
笑いもせずに言った
彼女の家にはTVがない
定期的に読んでた新聞は
今ではずるい自慢の ....
毛羽立っているのも気にせずに
永遠に着古してしまいそうだから
新しいジャージを買ってあげよう
うんと肌触りのいいやつを
味付けの配分がわからなくなって
調理器の前でしかめ面をするので
....
俺は世界が平和になればいいと思っている
実際にはならないだろうけれど、そう思う
黒も白も朝鮮もクソも味噌も、
俺はみんな仲良く出来ればいいと思っている
実際には出来ないだろうけれど、そ ....
深夜になると
隅田川の流れは
きゅうに静かになって
月をもとめて
魚があちこちで飛びはじめるので
ぼくもおうぎがたの
しろい机からたちあがり
ぽろぽろと数字をふりはらい
....
剣を握ったマネキン通りの石畳
濡れて滑りやすい
閉店間際の商店街
石を握り
各々徘徊する
店の奥に
羽虫を詰め込んだ木箱らしき
立方体を置く
らしき
スペースらしき
宇宙を用意して ....
抱き上げられない重さを掻き毟り
沈みきれない深さに溺れ
空を見上げれば死ぬ深海魚の瞳を見れば
次元を違えるように
月を二つに割っている
音と言葉との交尾の連続に
時は入る余 ....
空気
俺はきみに欲情したから
空気
きみは泣いたね
俺はALTA前で空気中なにもないところを抱き締めるよ
そしたらだれか
誰かとてもやさしい人が涙Vロートをさして天をみあげるから
あまぐ ....
朝の日向ぼっこは
野生のアサナ
日光から 大気から
吸引するプラナが
主に会陰部に集中して竈の火がおこる
だが それは決して欲情ではなく
深いサマーディでもあるのだ
たとえ
彼のまぶた ....
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