すべてのおすすめ
トモダチは
トモダチを救えない
救っちゃいけない
救うと言うことは
同じ地平にさえ
いないということ
少なくとも
この闇の彼方の
どこかで
そいつの
うごめいて ....
競争 きょうそう と言っても
むなしく 空しく 響くだけ
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女
夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた
よう ....
早く脱出しなければ。
非行少女の、夏が来る。
厳粛のメモ用紙、多彩なパノラマ。
薄羽蜉蝣の大群。
ストリ ....
「病気はどうして わたしを選んだの」
その答えを わたしは知っている。
わたしになら 耐えられるから。
病気との付き合いに
疲れたら
しゃがんで、
野の花に 耳を傾 ....
言葉のカーテンにゲロをはく
少年にとって、罪だけが救いで
誰もそれに気付かないから
鉄の棒で殴っている
可哀想に
リビングのど真ん中に
絞首台がおいてあって
その踏み台で家族五人 ....
見上げた空は
青々としていて
雲が気ままに散歩をしている
そんないつもの風景に
夢を乗せた手紙を届けて
いつしかやさしい思い出は
私を築く命になる
尊く消え行 ....
築50年のアパートは
あたしら家族以外 全員ヘルス嬢
昼間、子供とワイワイ騒いだら
うるさいねん、外で遊んでえや、って怒鳴り声がして、壁がどんどん揺れる
あたしは真っ昼間のきっつい日差しの中
....
440Hz
その周波数を
中心にして何本ものテープが伸びている
背骨はお洒落の為に貼り付けているわけでもなく
引きずり出してしまうのは 良く ない
442Hz
そ ....
抑圧感
平和なはずのこの国で
多くの人が荒んでいて
それでも幸せといえるのか
闘争心
剥き出しにできないもの
剥き出しにしたいもの
自発性
人と人との戯れから自 ....
白い空間の中
沈思
深思
黙考・・・
止まないルーレット。
道に花が落ちていた
大きくて鮮やかなピンク色の百合の花
あんまり綺麗な花だから
歩道の真ん中に捨てられているのに
誰も踏まず
あんまり綺麗なものだから
そのままゴミ置き場のそばに置かれたま ....
他に好きな人がいるのでしょう
分かります。それぐらい
でも、いいのです
それでもこの平穏を壊さぬなら
どれだけ余所の女と遊ぼうと構いません
だから上手に弁解してくださいな
赤ち ....
わたしが知らないあなたの秘密
わたしが知れないあなたの本当
わたしが知りたくない全ての事柄
見えている、傍らにいるときだけの顔しか知らない
それ以外は必要ない
考 ....
最近お気に入りのピアス、
「その色ちょっと足りない、」と言われた
ちょっと足りないのは
あたしの頭と
あたしの日常と
あたしの運命
だからちょっと足りないのだと ....
酸素が足りなくなってしまったから
あおっちろく光る水槽を
足でかき混ぜる
だいじょうぶ
魚はもうずっと居ない
*
ケロシン
ケチラン
水槽の底に住んでいる人魚の名前
腿ま ....
淡い空気によって漂う 尻で考えすぎて
目黒マニナ 満足感とは違う いいます
淡い感嘆に抱かれて 淡い感情に抱かれて
いいます 満足感とは違う いい
ゴニナの湿疹 ゴニナの湿疹
そう ....
見せつけるんぢゃぁねいやい!
魚の分際で
でれでれ
でれでれ
いちゃつきやがって!
こっち見てんぢゃぁねいやい!
ほれほれ
かわいくてたまらんだろう
生まれて間もない
おたくの
....
浴槽で飼っている人魚が
歌うように名を呼んでいる
それを無視する
愛した女
が好きだったガム
と死んだ猫
が好きだった煙草
を無造作
に或い
は的確
に並べて
ウヰスキー ....
女の人がつけている赤いレーシーな下着が、
愛だと俺は思うんやけど。結局はそういうもんなんやろ。
黒のハイソックス、黒の学校指定プリーツスカート夏仕様。
白 ....
{引用=
僕の寂しさがつれてくるのは一体誰なんだろう
いくつもの星がまたたいて
名前も知らない夜がひろがってゆく
なにかに、つながっている糸を引いた
君を探しながら、
....
ふとホテルの窓を開けて
景色を眺めてみたくなった
泊まり慣れたビジネスホテル
四缶目の酒を呷りつつ
少し薄くなった頭髪を気にする
まだ大丈夫だとは思うけど
目的も夢も自分自身でさえ ....
お医者に、
おめでたです と言われ
はあ。と答える私。
父親は誰だろう。パパかな。
そうのんびりと考えを巡らしていると、はい、とお医者から胎児を手渡された。
胎児には臍の緒と胎盤がついてい ....
パープルな夜空で歌う
暴れる本能
想いは隠せない短いスタッカート
押さえる理性
リズムはメランコリック
届けや 届け
情熱に焼けた空で鳴く
三歩手前の恋人気取り
剥がさ ....
ウィスキーグラスを片手に
ソファーに横たえ
クーラーの下
1日が終わった。
金魚がポニョポニョ
餌をやる
もう一人じゃない
気持ちが楽になる。
胸を痛め人と去る
喜んで人と会 ....
白と黒の世界を
深く追ってみる。
触れなければ
反応などしてくれない、
素直な音色を
感覚的に愛してしまったから。
幼い頃に逃げ出した、
あれはまだ
その全てを見渡せず
....
ノイズ。
え、何?と聞く
静かな夜中
聞き取れない
皆同じ?
ノンノンマダム
そうじゃない
ラジオみたいにチューニングがあって
ノイズが
チリ、キュゥンが
ずれる
意識と ....
金魚がプカリ
逆さに浮いていましたので
もうだめだと思って
そっと掬って森の木の下
深く深く埋めてあげましたら
むくむくむと水が湧いて
あっという間に水の中
海のようで沈んでいるようで
....
「好き」という気持ちはまだ変わりません。
でも、この気持ちは胸の奥にそっと隠しておくことにします。
あなたを想って流し続けた何リットルもの涙をあなたは知りません。
あなたを想 ....
電気冷蔵庫が普及し始めた頃
僕たちの生活はひもじさと同居していた
だから 冷蔵庫の中には
いつ見ても細長いノンスメル(脱臭剤)の箱と
小鉢に入った沢庵だけが入っていた
おっと忘れてはいけない ....
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