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駅のホームは終電まで1時間の23時で、ぼくは「のりかえ」が「チェンジ・ヒア」と訳されているのに気づく。「チェンジ・ヒア」というのは「いる」ところからスタートしているが、ぼくらは「いない」ところからスタ ....
Res:ミキ 題名:南仏にて 投稿日 : 2004年3月7日<日>22時03分
近藤君、
僕は今南仏の田舎町にいる
鉄道も一時間に一本しか通らないくらいの、
ぶどう畑に囲ま ....
まだ明け切らない静けさが、寝苦しかった空気を風に乗せる
この町の朝は早い、大きな篭を天秤状に担いだ女性が傍らを通り過ぎる
現地語の上手く話せない僕は、取繕った笑顔で「おはよう」と呟いた
彼女たち ....
紳士:「あなたの詩はいいですね、いつも関心していますよ」
詩人:『あなたの女には叶わない』
紳士:「あなたの詩はいいですね、いつも関心していますよ」
神:『私の ....
僕はなんでもないという顔をしながら
ぼやけた空を見上げていた
そうしたかったわけじゃなく
僕の掌じゃそれしかつかめなかったから
空に強がりをしてみせる
空に強がりをしてみせる
心にも空 ....
友人の結婚式には、彼此もう6回も顔を出している
親族の方に職業を聞かれる度、自由業と答えては訝しがられる
今時、その歳で時給750円で良いのかよ
こないだの同窓会では、そんな当たり前の事で突付か ....
工事現場の
オレンジと黒の看板の上で
蛇のように這った赤のランプが
入れ替わり
点滅してた
土の山に停まったショベルカーが
深呼吸して
街の明かりはほとんど
....
声を出してはいけない、喉が貼り付きそうになるから
何本もの針が、くまなく全身を突き刺しているかのようだ
指先が麻痺してきた、足を棒にするという諺は
この国にこそ、ピッタリなのかもしれない
ソリ ....
イサムノグチの照明が初日の出の海岸線に貝殻が妙にピンクなので酔った君の頬の白いきめが細かい粉雪の降る夜を濡らし夢で枕を乾かす海辺のゴミが眩しくてブラウンシュガーなテトラポットでビッグウェーブにハートビ ....
0. forget me not
ない
ということは
きえない
ということ ね
1.
首筋には天使が住んでいて
風向きなど気にならな ....
その男はゴミを集め
庭に溜め屋根に溜め
家の周囲までゴミだらけ
悪臭は付近一帯に漂う
注意も警告も無視して
男はゴミを集め続ける
ある日行政のトラックと
TVカメラがやってきた
そして ....
どうも、熱っぽい。
目覚めると、洗濯物の半乾きのような臭いがする、日曜日の午後3時
降り続く空まみれにならないようにと、室内には干しっぱなしのシャツと靴下
お気に入りの革靴は、もう5回も ....
あて先に「キミ」と書いた 小包を
ゆっくりと あてどなく寄せる波に
流してみる
落ちた葉も すこしだけ積もり また風に飛び
生えた芽も すこしだけ伸び また静かに落ち
いつかこの小 ....
「すべての武器を楽器に」
プラカードを掲げ、楽器を打ち鳴らしながら歩く男女のグループ
はしゃぎながら笑みを絶やさず、カレシらしき男に唇をおもねる女
皆おそらく学生ばかりなのだろう、サ ....
脊椎小脳変性症による両上肢機能の軽度障害 6級
両下肢機能の著しい障害 2級
心内膜床欠損症による心臓機能障害 1級
脳性麻痺による日常動作が殆ど不可能な両下肢機能障害、歩行が不 ....
おいっ お前
そこのお前だ!
お前は「世界」という単語を使って
詩を作っているだろう
だからいつまでたっても
ウダツがあがらないんだ
少し人に優しくされただけで
「世界は優しさでできてい ....
ドアを開けて灯りをつける
ベッドのうえで
かさり と
金属製の瞼がひらく気配
一本の髪もない頭部には
銀色の鱗が移植されている
人工の瞳孔は菫色で
肌は光沢のない燻銀
たとえば ....
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは路肩を歩く/
クウェーティーは携帯ゲーム機をやりながら路肩を歩く/
qwerty walks in the shoulder of road/
q ....
網膜に香りが映りだされた瞬間
過去に無彩色のバラが香り
未来に無彩色のバラが香る
だが今だけは有彩色のバラが香る
レンズを覗くと
協奏曲を奏でるバラの花びらが君を形どり
聴衆の ....
昨日、詩ができました
世界の飢餓を嘆く詩でした
あまりによくできていたので
ごはんをいっぱい食べました
昨日、詩ができました
戦争に反対する詩でした
あまりによくできていたので
朗読 ....
反戦のために祈るな
反戦のために群れるな
反戦のために
「ささやかな何か」などするな
反戦のために考えろ
祈っても戦争は無くならない
頭数だけ集めても戦争は無くならない
戦争はそ ....
みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおま ....
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