騒がしい夜の街に背を向け
ひとり、僕は、
顔こわばらせて屋上から星空を見上げる。

なにを得て、なにを無くしたと思っているのか?

この街を出られない、
よからぬことを ....
その夜店のトウモロコシは
あたたかくって
なんどか塗った醤油の香りが
香ばしくって
チープなくせに割高な値段設定は、
その夜の特別なお祭りの熱気代も
込み込みなんだよね?

 ....
羊の群れに紛れ込む、一匹の山羊
和音の中に潜む、微細な不協和音

息を潜めるように生きてきた
いつの時代も調和を乱す者は
この世のあらゆる集団に於いて排除され
同じ制服を着用していても
 ....
誰も皆、黙っている
黙って、ニタついているか
黙って、怒っているかのどちらかだ

思考は停止
並ぶ、並べる、揃える、エンター、エンター
競争相手はAIだ、そら、仕事が奪われるぞ

ほら ....
 どうしよう 明日の朝

 どうしよう 明日の昼

 どうしよう 大切な時間

 時間を無駄にしているようで生まれる嫌悪感

 どうしよう

 なんかしなくては

 どこか ....
猫が逝きその翌年に父さんも冬のさびしいドミノのように 生まれる前の闇に
ぽつ、ぽつぅんと
浮かんでいる
光の結晶たち

(すっかり消費されてしまったね)

アタシの葉脈を
衛星軌道上から観察した彼が
火曜日の声で呟く

(きっと
 ....
立春を待ちながら
冬を抱きしめる
いとしさに狂い惜しむ
十月にも秋を惜しんだけれど
秋は秋なのだと{ルビ悟=し}ってもいたから

立春を願いながら
冬と心中したい
できることならば秋も ....
帰りたい
いつでも居たい
どこかにあると思いたい
ふるさと



ポン柑の味の香りの優しさはいつか会いたい母に重なる
遠い日のあの子がわたし冬茜 ギターを弾きながら

ぼくをあなたは外に誘った

可能性なんてなかったのに

あなたはギターを弾きながら

ぼくを見上げて微笑んでいた


たぶんディープロンググッバイ

ふ ....
きょうのシチューあしたのシチューとかんあ鳴く姿が私のもしかして明日 大学に居着いた野良猫のチャッピー

理系の癖に高校の全国実力テストで現国全国1位だった君

わたしの事も野良猫のチャッピーの事も書かないよとあなたは言った
結構繊細だよね。

わ ....
喧騒に駄菓子屋相場のおやつなし


生きている実感に負け帰宅なう


リア充の着ぐるみ脱いで季語も脱ぐ


よそ者は死ぬまでいても見舞われず


喧騒は代々住む人たちのもの
 ....
帰る家は夫の独身部屋のままゆえに迷い猫のような日日


蝉たちの歌を覚えぬ朝が来て夫の書棚にサキを見つける


厨房はわが城というわが夫にわかってほしいのサルモネラ菌


夫はいまチ ....
夜想う朝想う昼想う夫わたし死ぬほどヨウ君が好き


クリスマス大人の国のサンタさま夫より短い生をください


夫ついに水虫であると告白しわが足の指に宿命を説く


歌を詠むペン音だけ ....
夕凪の浜で拾ったビードロの小瓶で眠る誰かのいつか


流木と貝殻たちの沈黙の傍らの海を見るガガーリン


お昼寝を漁師にとわにうばわれたお魚たちのしょっぱいなみだ


地平線越えゆく ....
不安だ
乱れてゆくこころ
もてあます
壊れていく
病におかされ
ミシミシ音をたて
崩れてゆく身体

この世への未練だろうか
いや、未知への恐怖

空を見上げると
月が浮かんでい ....
薔薇の花弁の縁から橙が染みて
みえないくらい細い管を伝っていく
酔いが芯に伝わる頃合いに目覚める
ことは望んでいなかったのに

考えるのを許さぬ身体は誰のもの
やはり私のものであり
でも ....
秋の横顔は
暮れる空を向き
旅立ってゆく鳥の影を
ただ見送っている
あなたも早くお行きなさい
手遅れにならないうちに、と

バスは来た
回送だった
けれどいったいどこへ戻るというのだ ....
住む場所の変わりて水は甘くなりわれ懐かしむ塩素の匂い


きょうからは花野綴じられ立冬の訪れしこと足から沁みる


旅立った秋を追うことゆるされずこの世の生の切なさ想う


みあげれ ....
雪の街を歩きたい
ってあなたが言ったら
本当に降ってきたあの日
わたしは応えなかった

降らない街で
本当に降って

雪は

きれいでした
綺麗だった
降る音も
確かに聴いた ....
{ルビ夕星=ゆうずつ}の夕より深い夕が来て十一月の宙の産声


箱舟の群れが港を離れゆく未明という名の{ルビ時間=とき}の幕間


金と銀そしてこちらは銅の夢おさない日日のトラウマが問う
 ....
わたしはさよならを言う
リボンに言う
履き潰した靴に言う
一度も使わなかったルージュに言う

遠く北国のきみが 雪だ と言う
未知のどこかの知らないあの子が 雪だ と言う

あ ....
ジョン・ケージのような一陣の風が
時折吹き抜ける早朝に
雨は既に止んでいた
誤算を重ねて扉が鳴る
別にゴジラがいるわけでもなかった
父と母が降りて来る
バナナを食べる父
私はバナナを決し ....
春に出会う
あたりまえのように
それが君だった
日々があった

見えるものは見えるもので
見えないものは見えないもので

見えるものを二組の目で見て
二人はたまたま近い気持ちを感じた ....
街路灯に恋したらしいサルスベリがあって
幹はもう真っ直ぐにはもどれないだろう
と 私などが案じなくとも
それでも愛しくも切ない一本であり

九月の散歩道で出会う度に花の
その数や勢いをまで ....
一つ恋めばえても花を望むまい仄かな想いのままが身の丈


強がりを組み立て終わり終わらなくても終わったと消したアドレス


昨日みてない虹でした明日もまたみたいものです出さない手紙

 ....
男だって泣いていいのに
今すぐに泣いても不思議はないのに
見てるのつらいから
気持ちに素直になってほしいのに
君は俯くこともせずにまた
見上げて坂を上り続ける
瞳が憶えているのはきっと
 ....
うまくいかないことばかり

悩んだり 愚痴ったり
戸惑ったり

なさけないけど
こんなもんさ

今夜も酒のんで
よっぱらって
憂さ晴らしてる

まあいいっか

愛する家族に ....
夏川ゆうさんのおすすめリスト(1139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
突き刺さっている月- 秋葉竹自由詩418-3-30
花火大会の夜- 秋葉竹自由詩418-3-28
魂トロール- 忍野水香自由詩518-3-23
とりわけ小さな出来事ですが- うめバア自由詩418-3-7
どうしよう- 佐白光自由詩5*18-3-4
「冬でした」- もっぷ短歌418-2-24
Alpha- もとこ自由詩15*18-2-21
すみれ日記_01.26- もっぷ自由詩818-1-26
ポン柑- もっぷ短歌518-1-22
「冬茜」_一句- もっぷ俳句318-1-19
ふかい河- 吉岡ペペ ...自由詩1218-1-13
かおるのおと- もっぷ短歌218-1-8
ねぇ_チャッピー- 鵜飼千代 ...自由詩12*17-12-23
喧騒に何をか夢見んよそ者は- もっぷ川柳417-12-10
「夫の居る風景である厨房の片隅にだけ描かれる吾」_七首- もっぷ短歌1117-12-6
「初冬の薫風」_七首- もっぷ短歌417-12-6
「誰かのいつか」_五首- もっぷ短歌617-12-3
こころの陰- 星丘涙自由詩3*17-11-28
ブレックファーストソーセージ- 深水遊脚自由詩1*17-11-18
バス停- そらの珊 ...自由詩18*17-11-16
「立冬二〇一七」_四首- もっぷ短歌817-11-13
雪は- もっぷ自由詩717-11-11
「風の止まり木」_五首- もっぷ短歌517-11-10
さよならリボン- もっぷ自由詩417-11-3
早朝- 間村長自由詩1017-10-30
さよなら- もっぷ自由詩417-10-27
いざない- もっぷ自由詩517-10-21
恋歌_9首- もっぷ短歌317-10-14
君が立ち止まる時- もっぷ自由詩317-10-14
まあいいっか- 星丘涙自由詩6*17-10-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38