六時十分の
出勤農業振興道路
刈り取りの終わった田に
一昨日から肥料の
牛糞がさんざん撒かれていて
マスク越しでも
臭いが鼻をついてくる
バックヤードを通って作業場に ....
日の出の景色は
その日の気象条件で様々に変化し
一期一会の絶景という
そこで
いつものように
この絶景を撮っていたら
あかね色に染まる
地平線あたりに漂う雲が
ごく一部だけ ....
居場所のないことにすっかり慣れてしまった
居場所があったのはたんに周りが優しかっただけ
革命の年にテントとシュラフを積んで
やさしい風景を捜しに行った訳なのです
いまも漂泊中の修羅猫みたい ....
わかります? わかりませんよテレビ音
フォロワーの奪い合いだよ、さもなくば……
アフリカの諺遠しサバンナは
僕、ベジ子。なので一人で行きますわ
神として生くより人とし死なんとす ....
石地蔵と夏
ゆうだち
金木犀のこぼれる石畳
空に続いてゆく秋
ちゅーはい飲みながら豆を摘んでおもった
僕をつまんでくれたきみを摘んだ僕
人生の走行距離はもう僅かかもしれないが
スーパーカブ程好きな乗り物は無いと思っている
角栄大臣の日本列島改造論で大陸との現実の橋ができていたら
スーパーカブに跨って日本のあるはずもない誇りな ....
プールの天井を見つめれば
そこは宇宙
光の乱反射は
全ての思考を超えていく
わたしは水面に
ただ浮かんでいる
E=mc²
アインシュタインの直観は
多分正しかった
わ ....
全然痛くなかったーから
もう取り返しがつかぬまでの距離は
驚くほど短い
この誰もがピヨって弱っているときに
彼らは何をしているのか
攻撃的になっていた
それも弱っていたからなのだろうか ....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない
積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう
まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
....
詩人の肖像は
誰にもわからない
あるときは
長く執拗な夏
異教徒の祈り
暮色の岸辺の苫屋の
清貧という夕餉
園遊会での貴婦人の
緊密なコルセットの誘惑
屋根裏の経済 ....
双眼鏡を両手に
望遠鏡を傍らに
細目細目で眺めた月は
それでもよく見えませんでした
裸眼視力0.02
諦めて眼鏡を外して見た月は
存外一番綺麗でした
手放せば見ようともせず見えて ....
昔、タバコはやめたと書いたことがある
やめたほうがいいですよとまで
吸ってるじゃないですか
あの時はやめてたんだよ、ひと月くらい
そしてやめたと書いたことで
こぼれ落ちるものがある
....
秒速2m
まだ来ない夜明け
一日ごとに
増えていく知識
一秒ごとに
尽きていく命
得たものはいつでも
失ったものに釣り合って
途方に暮れる
秒速2m
夜明けが追い越 ....
もういいのです
きみは鼻血をださないように
恋も科学なのです
かったるいものもぶっ飛ばして
でも恋は愛よりもましかもしれません
たくさんの恋の集積と
未知の涙や動揺とともに
初め ....
昨日、毒を受けた
この毒を解毒することに
残りの一生を費やそうと思う
なるほど、こりゃきついわ
妊婦や子供に与えられるものでは
到底ないな
内臓に裂けみを感じる
ピリッとプチっと ....
クッッッッッソ丁寧にくらしたい
広葉樹「直射日光だ~〜いすき♡♡」
花見客の中にサクラが混じってる
ダイイングメッセージまでも五七五
哀しいことを宝石として仕舞 ....
閉塞してはいけない
開脚もしてはならない
同じ条件のなかでプログラムするならば
遁走する豚の尻を追わなければならない
複雑なきみはミニマムな自己を取得したかい
僕はきみをいつ ....
一人ぼっちの神様は
人のいない夜
ひとりだけの夢を見ている
アイドルが崖登りをできなくても問題はない
きっとこんなご時世では
ありったけの賢明さと清廉さが必要になる
権力者にどちらもないのは明らかだから
悲しいかな、庶民の内にそれをまま見つける ....
僕たちは妄想を充分に知ってしまった
僕たちは世界中の女性に憧れてしまった
僕たちは愛されない苦痛を知っている
僕たちは自分であることにときどき疲れてしまう
自分の番地を持たない君とは友 ....
その海は静止していて動いてるように見えるのは錯覚だった。
階段の裏側でまた目を瞑りだれかの青い落書きになる。
愛にあふれた優しさでわたしの{ルビ瞳=め}にあふれる涙がありふ ....
哲学者と詩人と新宿のホームレス
もしも資質があればなんにでも
応用数学者と宇宙物理学者あるいは
ドビュッシーとツトム・ヤマシタ
こんな問題意識で生き伸びても
脳力もないのに戸惑うだけ ....
天罰とは思わない
しかし古代人は災難があれば
神の怒りと見る向きもあった
現代人ももう少し信心深くなってもいいように思う
しかしこうは思う
僕の体が痛んでいたからだ
僕の代わり ....
身体感覚に素直に従って生きてゆきたいのですね
回答の得られない食べきりサイズの人生でもそれでも
新たな無限のドアを自ら鎖してしまわないように
太陽が遍照する微妙なバランスの不自由にありがとう ....
水源と柔らかなことばにめぐりあう
船の舵取りは水辺の花を想いながら
いくつになってもできないものはできない
今更のようにはぐらかして過ごそうか
永くゆっくりと関わってゆく事は大切だし
....
車の助手席に乗って病院へ行く
アル中たる僕は運転などしない
母がする
通る自転車の若い女が僕の車を見て
もぅやだ~というとてもイヤな顔をする
ごめんねぇ、僕だってイヤなんですよ
そ ....
生活に芯というものがあるとしたら
花を挿していなければいずれは緩んでくるものだ
日々の心のゆらぎは錆びた弦楽四重奏
山巓からの水脈が生をうるおしているのならば
堕落した駱駝は回文好きだ ....
話を盛りたがる人たちがいて
帳尻を合わせなければならなくなる現場がある
あの病院の中では今までも今も
ん~ごいことがなされている
のを知っている身としては
正しいことがなされていると ....
誰も褒めてくれないから創作活動応援隊員としては良くやってきたと自画自賛したいのです。
悲しいのはペラペラの現在詩(大衆現代詩)が独立する前から飲み込まれ続けていること。
そうゆうものだでは ....
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく
いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼく ....
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