めまぐるしく生成する
ふてぶてしく存在する
世界を威嚇して
こんもりと丸まった猫
安普請の家作には
いつか花が咲くだろう
ただいま越冬中につき
Don’t disturb ....
どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない
寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
....
青い制服が似合う学生さんが
足早に過ぎゆく川岸
うずくまる野良犬
声も出せずに
いつだって逢いたい心に
吹く風は早くおいでと誘なう
さいはての孤独地獄へ、とか
ハハ。
今日だけは子 ....
空っぽのパーティーの肉料理
こんもりとぶ厚い太腿
276,000回のキッスと
体裁のよいオードブル
雑誌のポケットにしまわれたゴシップ記事
インデントされたままの挨拶文みたいなラブレ ....
あの時計は今はもう札幌あたりに
転がっているだろうか
砂浜のボタンがまだ鳥取の近辺で
埋没しているみたいな世紀末
そういえば《少女》を革命するアニメが
20年以上前に流行ったけれ ....
うちの猫は来月去勢を控えてる彼はそのことの意味を知らない
きらめいてなおきらめいてきらめいて有限の性を終えてからもなお
猫ならば性は失うものだとはどの教科書にも載ってなくても
....
花散里
僕の小さな世界史が
源氏物語だったら
次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない
僕は何に対して ....
あたたかい色の
太陽の
朝、
心臓は
針金で
編んだ
さみしさの色をしている。
すっかり
青ざめた
希望は、
真実の蛇の姿を晒して
ゆらゆらと怯えながら揺 ....
わたしの瞳は小さい
つまりはそういうことで
人の気持ちがわからないから
優しい人からも、恨まれたりしていそう
静かな冬のお寺に
昔よく遊んだお地蔵さまがおひとり
孤独を怖れない、石 ....
生きている
だけでいいんだまるもうけ
もしも食べずに生きてられたら
そんなわけ
じつはないからがんばって
泣かないように慎重になる
星降る夜
昼間に降った雪の ....
もっとたいせつな
丸いこころがあると
しっているけれど
そんな玉ねぎみたいな
ひとを泣かせることばを
なんどもきかされると
全てをおわらせても
ないふでそのかわを
むきたくなる ....
その冷たい花が
君の心へ舞いおちて、
白雪みたいと思った
僕は、
そんな、おろかものだった。
ただ揚羽蝶を切るような
疾風が、
この野原に吹き狂う。
瞳が汚いヤ ....
早朝日が昇る前、まだ深夜に目が覚める
そしておもむろにPCに向かいゲームを立ち上げる
若いころに感じていた解放感はもうない
コーヒーを一杯入れてゲームとツイッターやら
同時進行で眺める ....
怖いものの先に
見えないものの先に
きみの求める何かがある
きみの探している何かがある
だから向こう見ずになってご覧
或る作家が書いたように
見るまえに跳んでご覧
その何かと ....
夜空に恋をして
何光年も前に放たれた
消滅した星の光に恋をして
占い師の心に浮かぶ物語
あなたはシンデレラの星を持つ
王子様は流れ星に乗り現れる
....
アリバイは、崩れない、
紙飛行機は、落ちていた。
雪だるまが、崩れていた、
見渡す限り、雪景色。
お正月の、少し寂しい
公園に行って、冬空をみた。
あとで、 ....
そう、
僕たちはいつも現場にいる
破片
最低の言葉遣いをする低脳だ
たとえ親が死んでも現場にいるし
無縁菩薩の教えなんてしらないし
5百ミリリットルのお茶が欲しいなんて
誰に ....
人はお祭り騒ぎをやらずにはいられない
人生は茶番ではないが
茶番めかして見せたいテレビ
成功秘話はドラマ仕立て
実際にはなかった必然性を時空軸に与えるのだから
やらせっぽ ....
生まれたとき
誰もが裸
服を着始めたときから人格が作られ始めた
言葉を覚えたときから伝えることを覚えた
喜怒哀楽
服で着飾ること始めてから上辺の言葉を覚えた
服で着飾ることで自分を ....
のんだくれ男とやさぐれ女
とぎすまされた場所にはそぐわない
だれも無関心のふりの都会で
新宿で乗り降りするほどの乗客
手を繋ぎたい天使が裏帳簿に記帳されて
探している煙草は違ったポケ ....
光に照らされ 透けて見える川底
流線型の魚影が うつくしい
フォーメーション
薄雲が川に陰りを与えると
失われた魚の影
代わりに現れたのは 鱗の煌めく魚たち
わたしは、だれとも 会 ....
一夜、すぎ
油の匂いのする聖水の
油膜を
洗い、すすげない、
その匂いにキャンキャン鳴いている
かしこい顔の犬を追いはらい、
泣きそうな君を
バス停までだけどね
見送ったのに、
君の ....
「わたし壊れてるから優しくしてね!」
って微笑みながらナイフで切りつけるスタイル
抵抗してはダメ、声を出してもダメ
水気の多い果実を切った匂いが部屋に満ちる
(ほうら、やっぱりそんなオチ) ....
記憶ってなんだろう
僕の記憶って
記録は嫌いなんだ
風にまかせて書き留めたほうが
たぶん素敵だから
独りでいる
冷たい部屋の板の間で
ニャ、と小さく鳴く
猫も寒いのだろう
ぼくたちの
朝はいつまでも
明るくはならないままで
口の中は
鉄の味がするままで
ふと ....
花が枯れると
心に寂しい歌がながれる
空が曇ると
心に儚げな虹が架かる
夜が息苦しいのは
心に痛い未来が怖いから
おぼろ月
ほんのりと
ほお染めて
酔っているの ....
死ぬまでに全てを抹消してしまおうと
無駄に生きていても天球は確実に回転して
とても言葉が軽い時に
やっぱり訃報と交換なのだが
Resetすることを恐れてはならないと想う
リセットで救 ....
サーカスとは
ライフル銃の回転もなく
ただ無防備に
悲しみの心が
ただこのサーカスに舞うころ
流されている
こころぼそさが
ふたりの身体をひとつに溶かすけれど
そのと ....
君と星狩りに行ったことを思い出す
空が星で埋め尽くされて、金や銀の星が嫌というほど輝いていた
肩車して虫かごを渡し、小さな手で星をつかんではかごに入れていた
ときおり龍が飛んできて、尾で夜空をあ ....
寒ければ
プラネタリウムがある
星座が喧しい
水鳥が鳴いているのか
かきむしられる尖った声が聴こえる
寒ければ
空を飛ばなくていい
見下ろすと小さな橙の灯り
死の象徴 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28