ふねのかたちをした
古い水族館で
ため息が水槽を
曇らせるのを
みたわ
長い魚、丸い魚、群れる魚、ぼっちの魚、
人が知ってる
ありとあらゆる
地球の魚が
目を丸くして
泳い ....
石ころになりたかったんです
道のはしっこで
誰の目にもとまらないように
ときどき蹴飛ばされても
誰のことも恨まないような
ちいさな石ころになりたかったんです
たいせつな物は思い出の中に ....
切りとる
世界を
見せて
おくれよ
写真じゃ
ダメさ
詩じゃなきゃ
見えない
心という
見えないもの
おもいという
不自由なもの
楽しげな
笑いなら
楽しげに
見 ....
つまらないんだよ
なにを言うつもり?
言い訳しないのね
つまらないんだよ
悪魔が作ったみたいな
ラビリンスに迷い込んで
心の外側から削り取られてゆき
私にはなにも残らないんだよ
....
極道にも夢があり
極道だってポテトチップスをたべる
極道だって恋を恋して
鉛筆を舐めて可愛い日記をつけたりもする
極道だからといって
必ずしも横道に逸れるわけでもないのだけれどね
....
つきが
照る
よ
みちに
街灯
しろく
照る
よ
ひとり
あかるい
零時が
この部屋に
きて
土色の
燻んだ
顔が
恥じるのは
よ
みち
まちへ
出たい ....
なにひとつ
持たないことが自由だと
ロッククイーンのほざきしあおはる
「なにひとつ
持たないことが自由」と「ロック」を
信じていたのはむかしの彼です
暮らしても
いろ ....
好きすぎて噛んじゃったのかな?
鹿児島市平川町 平川動物公園のホワイトタイガー
お兄さん死んじゃったよ
死んじゃうとね、もう遊べないの
ホワイトタイガーのリクくんは殺処分されないのね
....
月曜日は買い物日和だ
砂漠の中のショッピングセンターへゆこう
遠くの部族が集まる日曜日よりはましだから
きみの前髪を上手にきってくれる人をさがそう
くだらない思想でこころを壊さないよう ....
心の色は
なにいろ?
どうしよう
アイスを食べても冷たくない
病いのなまえをなんといったか
どうしよう
この街の色が白黒になり
心弾まない病いはなんといったか
どうしよう
....
磁石は
線をだす
磁力線と
いう
おなじ
性質は
はんぱつし、
ちがう
性質は
ひきつけ
あう
磁場のなか
磁化が
おこなわれる
なか、
つみは、
....
何処にも届かなくていい
誰にも関わらなくて
何の問いもないが
ただ在ることを想う
ダーウィニズムがもたらした
革命にしたがおうとおもう
忙しい自分は本当なのだろうか
ぼくはい ....
なにも
カッコつけたい
わけじゃなく
いつまでたっても
辿り着けない
力なく
のほほんしてると
日々が逃げて
食っちゃ 寝て 起き
食っちゃ 寝て 起き
なにしてんだか ....
天高く
伸ばす希望をふりはらう
透徹した眼のあなたを想うよ
宵待ちの
こころがきゅんと鳴るミルク
飲み干すあとから月みる十五夜
座り込む
星降る夜空の下の街
秋の風ふく旅に ....
秋の、早朝の、爽やかなころ、
あえて、徹夜で、詩を書いてみたら、
こぼれおちた、言葉たちは、まるで、
珊瑚礁のように、真っ白なノートの、
深海で、輝いて、希望を、照らしている
あ ....
あゝ、神になってしまった。
いや、オレが自分で言っているのではないんだ。
《データ》ってぇのがあって、そこの
秋葉竹さんのデータ
他人の詩は・・・ 究極読詩神 [100%] ....
いつぽんの川がながれてゐる。
川べりの道は夏枯れた草に覆はれてゐる。
川はゆつたりと蛇行して その先はうつすらと 野のはてにきえ
太古の記憶へとつづいてゐる と村びとたち ....
凹凸が薄れゆく曲線を嘆く
鏡には歪みなど無くて
小さいカメラは魔法の鏡
真実は街中の窓に映る
やさしいかぜがふいている
たのしいおんがくもながれている
ぼくはどこへゆくのだろう
せいしんろんがきらいで
むぎのほのようにじゅうじつして
1
枯れた桜の木のトンネルの下を歩く
破れ果てた網戸の運命のような青空の下
じぃ〜ん、じぃ〜ぃんと
死ぬまえの蚊のような、
けがれた沼の精のような、
虫がとんでいる。
青 ....
恐竜の高さのビルの二階階段踊り場で
二段階右折を見降ろしていることに気づく
早朝さんざめく目眩(めまい)の驟雨は
作られた樹々の明日を生かそうとする
寂しい風がゆったり ....
死んだ恋、
僕の命という顔をして
こころのなかを転がっている
夜空には
青空かくす闇があり
雲を剥がすと、こっそりみえたよ
遠くから
聞こえる歌は花びらを
かすかに震わせ ....
僕のちいさな時間をかえしてほしいんだ
双眼望遠鏡に閉じ込められたほんの僅かな視差を
星雲の光年には追いつけやしないけれど
僕たちは自分のひかりの速度をもっている
パラダイスには遠いが自 ....
むせかえる
ような菊の花びらの
においもみえる気がする水浴び
きがつけば
あなたが誇る正しい孤独が
穴ぼこだらけのコップにみえだす
草いきれ
とおい雷鳴、夕焼けが
ビル染めると ....
ちゃんとせな
目視確認毎日お掃除
豪雨のせいなん?雨こぼす樋(とゆ)
言葉って
だいじなところもあるやんか
豪雨はやめて夕立にしよ?
ゲリラとか
雨に使うなふぜーがねーぜ
三千 ....
天秤座
生まれだけれど揺れている
ばかりじゃないのよ、切り裂け自分を
やめた恋
ひつじが深夜の安らぎ被(かぶ)って
やたらめったら、やって来る柵(さく)
....
僕らがきかされた
歌のやさしい結末を
たえまない線香花火の香りが
明日へいざなってくれる
誰も地面に灯る明かりを愛しげに
みおろしているのは
「そこにはみるべき花火があるだろ ....
(この夏ほど、運命を感じた夏はなかった)
(うそ。感じたのは、『運』。)
夏の庭
赤眼白蛇がみえる運
奇跡と呼べば呼べるしあわせ
夏場はね
リーチイッパツドラ3 ....
創造の小箱がきみの中にあるんだ
しこたまきらめきをため込んだ素敵なやつだ
誰にもさわれない特別な意匠がたくさん隠されている
想像の炎はときにきみを炙りあげるかもしれない
それでもそれを消さ ....
り〜んご〜ん り〜んご〜ん
葬送の鐘が鳴るまえに、
望月が光り、さらさらと降りしきる下界、
かわきたての夜の街は
月光の白色でまっさらになる
けれど海へつづく坂道をころがる ....
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