夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた

いつもそうだ
愛されていた人が
 ....
 
火葬がいい

わたしを構成していた炭素原子はリサイクルされ

その二酸化炭素が空へ散布されるのだから



 
 
あやういわたしは

だだをこねたところで

やはり、あやうい


 
 
思い出になったあなた

お願いだから あたいをよばないで

この一本道、途切れるまで



 
 
言葉はいつも裏切るから

唇をあわせて

せめて、ぬくもりをちょうだい



 
 
冷たい手

あたい、冷え性だから

温めてやるさ、ずっと、ずっと、



 
そいつのことを「はんだめん」と呼んでいる
そいつは自分のことを 「たぬき」と自称している

初めて「半田麺」と云う食べ物を知った時は
なぜまた溶接面を商品名にするとはなんと奇抜で夢のある ....
幸せって

実は
どこにでも転がっていて


「幸せになりたい」


なんて
上ばっかり見ているうちは

それを見過ごしてばっかりで


幸せを
見つけられないんじ ....
忘れない364日は忘れても一月十七日だけは

耳掃除している人の眼球は見ることのない穴を見ている

てのひらで雪ひとつぶがとけたあとあたしのからだに吸収された

最終便は出たあとです告げら ....
ベランダに
植えた盆栽
ボケの花
何時までも
健やか願う

武蔵野の
ケヤキに耳をあて
確かめる
水の命を
何時もの胸に

ちょっとまた
コロッケに誘われ
その決意が
崩 ....
 
ほんとに星になっちまったのかい スターマン

空で待ってくれてたんじゃないのかい スターマン

でも泣かないでいいようにソウルを残してくれたんだね スターマン



 
三年前にどうにも眠れなくて
三か月半の入院をした

そして今度はどうにも食べられなくなって
また入院する

そこはさまざまな動物が生息しているジャングルだが
静謐な時間が過ぎる場所
い ....
夕去りて
静かに静かな
時を過ごすいま
妻と語らう
幸を味わう

夜も更けて
紫煙をくゆらす
ひと時に
過去を眺めて
明日を語らう

それぞれの
生きざま想い
歌ながめ
 ....
人は生まれて死んでゆく
あたりまえといえば
なるほど あたりまえ

太陽が昇れば起きて
陽が沈めば眠りにつく
ただ、そこに記憶があるだけで

生死もあまり変わらないのだろうと思う

 ....
音楽が聴こえる
生まれたばかりのまっさらな音楽が



夜明け前の流星群
ふたり一つの毛布に包まって
星を摘んだね

明けの明星が強く輝いていても
私たちの歓びの涙にはかなわなかっ ....
二月堂
夕暮れ時に
鳴く鹿の
小鹿を呼んだ
母の慈愛は

冬の旅
奈良の都の
空冷えて
妻とともに
釜飯を前に

三面の
顔持つ少年
戸惑う
表情美しく
空を睨んで
 ....
風にゆれる暖簾をくぐれば
そこにお前がいた
退屈そうに
新聞を開いたお前は
俺をみてただ頷く

斜め前の席に座り
婆様が注文を聴きにくる
戸惑いながら

カレーうどん

今日の ....
過去も未来も無く
ただ美しいと思った

さよならの
指先を咬む

ひずみ
 
あなたとわたし

その狭間にあるわたし

それだけがほんとのわたし



 
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして

離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する

日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
π(パイ)


二畳ほどもある焼き釜は
林檎とシナモンの焼ける
例えようのない良い薫りです

どれほどの林檎が燃え盛る炎に
くべられたか その林檎の数には限りがありません
讃えようも ....
夜ふけて
妻と語らう
ラーメン談義
最後のカード
ねぎラーメン

チャルメラが
漆黒の闇を
切り裂いて
走りゆく街
いまはまぼろし

餌のような
肉野菜には
たえられない
 ....
涙しか残らない恋でした


躰だけが目当ての偽りでした


恋は涙に反転しました
虹色の
鱗がきらり
冬の午後
タナゴがゆらり
昼を楽しむ

らんちうの
静かな泳ぎ
かいま見て
今宵の夕餉
楽しみにする

梅花藻の
ゆれる水槽
眺めては
こしかた想い
 ....
傍にいても手を繋いでも
いつもいつでも一緒にいても
幸せな時を共にしても
互いに想う心は同じでも
二つの体一つにはなれない
体だけすれ違う
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
散る花の
紅色のゆく
果てはなし
行く先をいま
想いけるかも

やがて来る
冬を占い
手をさする
冷えた指先
守りながらゆく

来春の
想い遥かに
夢をみる
大魚を釣らん ....
柔肌の
紅色地図に
映りゆく
海図をたどり
明日を占う

龍を彫り
戻ることない
寂しさを
背に刻み
街角歩く

悪戯に
彫りゆく
痛みに
母は啼きゆき
後悔を知る
 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
祈るように消滅を願った夜、
コンクリートのぬくもりだけが
真実だった。

泣くことは
禁じられていたから
渇いた眸で星を探しても
乱視の視界では
一等星すら心細くて
叫びたくても ....
夏川ゆうさんのおすすめリスト(1139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
少年の夜- Lucy自由詩14+*16-3-3
空へ- 殿上 童自由詩19*16-2-22
あやうい- 殿上 童自由詩12*16-2-15
よばないで- 殿上 童自由詩16+*16-2-8
せめて- 殿上 童自由詩15*16-2-1
ずっと- 殿上 童自由詩13*16-1-25
鋳掛屋- るるりら自由詩15*16-1-21
笑っててほしいな- 幸絵自由詩116-1-19
雪だより- そらの珊 ...短歌5*16-1-18
静かにいたのに_どうにも我慢ができない_煩悩との闘い- チーズオ ...短歌416-1-16
スターマン- 殿上 童自由詩20*16-1-11
ハートランド- レタス自由詩816-1-10
夜空- レタス短歌316-1-8
そして…- レタス自由詩8*16-1-8
メロディ- レモン自由詩22*15-12-30
いにしえの都- レタス短歌115-12-21
そば屋で- レタス自由詩6*15-12-19
アウローラ- レモン自由詩17*15-12-15
わたし- 殿上 童自由詩22*15-12-13
風とスケートボードと- 梅昆布茶自由詩2215-12-13
アップルパイの2乗- るるりら自由詩23*15-12-12
中華そば- レタス短歌115-12-11
初体験- レモン俳句9*15-12-9
陽だまりの水槽- レタス短歌415-12-9
- リィ自由詩2*15-12-8
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
明日- レタス短歌1*15-11-30
刺青- レタス短歌215-11-26
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩38*15-11-25
八月の雪- レモン自由詩11*15-11-20

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