人は時が薬になると言うけれど

ぼくには効かない

様々な記憶はあまりに生々しく

傷からは鮮血が滴り落ち

包帯を巻いても血が滲む
プラットフォーム天井から 
姿見えずゆっくり繰り返し響く
低くくぐもったイキモノの鳴き声 

ふと偶然に聴いた朝、

「ハトってこんな鳴き声だっけ?!」

想わず驚き私は隣に立つ友人に ....
大学の先生が言ってました
必死に追いかけたんですけどって

彼の消息を教えてやっても
よかったのではないですか

なんて言って教えるんだよ
不穏な言葉しか出てこないか?

また、また ....
明後日の予定をずっと気にしていたんだね。
だから、馬鹿だったんだよ。
今はとおくもちかくもない死を見つめながら、
そんな死にからかう。

ああ、こんな運命の思いやり。
道向かいの街路樹の
盛んに繁茂する新緑の
大風に波打ち揺れ動くに

私の思考の溶け込んで

私は自分を保ったままに
緑に波打ちうねり合一し
  みどりうねり
運動思考そのものだ

 ....
踊る子らの
この広場、
熱気溢れ笑い弾け
此の世の宮居、
張り裂けんばかりに

なんということ!

滑り落ちる断崖絶壁

この広場取り囲み
 区切り在り、
小さな死大きな断絶
 ....
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も ....
鼾がやたら五月蠅くて
ふと目が覚めたが、
身体はまだ眠っていた
どうやら幽体離脱したようだ
真夜中の瓦屋根はよく冷えていた

窓から自分の鼾が聞こえる
空をボクの同類たちが飛んでいた
 ....
 ラ・カンパネラを

 独特の旋律で聞かせてくれる

 演奏者が去り行きました

 太鼓を鳴らすように

 ドラムを叩きまわすように

 私には聞こえました

 演奏場で感 ....
キライな歌と顔触れで始まった
とはいえ、パーティーは壊したくない
素顔を知らない女たちが夜を飾る
紫煙に包まれた部屋が踊り、
沢山のシャンパングラスを揺らした

大理石の床に、笑い声が零れ ....
つとめての日高の町のともしびははるか遠くに ズンチャ ズズンチャ
 
  ズンチャ ズズンチャ




   ハナノイロハ

     ウツリニケリナ

      イタズラニ

   ワガミヨニフル

      ....
ぽかーんと広がる
朝の碧天、
軽やかな微風を送り

地に揺れる色とりどり
花々大小、
柔和な微笑みあちこちに

雑木林にいよいよ濃密なる
新緑のグラデーション、
照り輝き天を目指し ....
盲目の身をたずさえ

漂泊の旅路を重ね往く

想い出の月を歌い

泉にくちづけ

明日を夢みる
歳を取るにつれ
面の皮が厚くなります

競争の場面を
選べるようになりました

思えば若いころは
要らぬところに労をかけ

痩せること、眉を整えること
わりとどうでもいいこと

 ....
まあるい命たちが
ぽんぽんぽんと
軽やかに跳ねるように駆ける
陽だまりのなかで

艶々とした瞳
揉み合って取っ組み合って
じたばたとひっくり返る
小さな手足を伸ばして

ころんと横 ....
私の思惟、
ある思惟内容の
別の思惟内容に結び付き
その思惟内容の
また別な思惟内容に結び付き
それら必然的な連関を持ち
次から次へと接続され

やがて私の思惟、

巨大な思惟運動 ....
木々の若葉は風に揺れながら
五月の歌をうたい

雲は羊たちのように
西から東に駆けていく

ぼくはクスノキのブランコに揺られ
港に浮かぶ洋紅色の貨物船を眺めていた

きみはマーガレッ ....
死と生の境域、
ぎりぎりと生きる頃
意味するゼロ地点に至り

〉自己と自らの肉体存在〈

大いなる齟齬と化す







うじゃうじゃ沸いて来ますな
あの顔この顔こんな ....
信がない真がない義がない勇気がない愛がない
代わりに
せこいこすい汚い小賢しい
あるのは
うらみつらみねたみそねみ

滅びるのに十分案件です
郊外にあるダイソーで
紙で作った三角帽子を買った
すでにアマゾンでは
大きな音のするクラッカーや、
笑いを誘う白鳥パンツとか
ザビエルのかつらも買ってある

――今日は息子の誕生日――
 ....
死に方について考える
病院にいて面会もようせず
天井を見つめたまま死ぬ
どんな気持ちなんだろうと
怨念がおんねん

皆、あたりまえに
そういう死に方をしている
死ぬときは
畳の上で死 ....
群れ集う
緑の樹木の
深い青に緑の波動
 閃き広がり
   、
畏れる程に生え
生える程に畏れ
洗われ現れ表され

繁りうねり波打ち

  この荒涼とした原野に、

 緑の樹 ....
繁茂する新緑の照り映え春風吹いて、

 もっさもっさもっさもっさ
  豊潤なその揺れ動き靡き
 残響する残響し続ける爽快

蒼空に 桜散り新た季節の成長告げ。
この麗らかな春日に、
白雲ゆくりゆくり
蒼天を流れゆく

名無き鳥の啼き声、
樹木緑の繁りより
真一文字鋭く響き

きらきらり
太陽の光滴、 
水流に飛び跳ね


     ....
醤油の{ルビ醪=もろみ}が香る港街
岸壁の夜に出没する屋台の中華そば

秘密のスープを覗き込むと

豚骨、丸鶏、ソウダ節、かつお節、
煮干し、長ねぎ、玉ねぎ、昆布、干しシイタケ

出汁 ....
あやうい花のいのちも誇らしげに
青に浮かぶ梢の淡い紅の清らかさよ
そよぐ風に花は揺蕩い、
霞に煙る吉野を見渡せば、一目千本
賑やかに咲き、忽ちに散る花の錦、
散る道の風情はいつしか夢へとつづ ....
 やわらかい気持ちで朝をむかえられたら

 やわらかい笑顔と

 やわらかい言葉で

 朝を伝えよう

 やわらかい陽ざしで

 やわらかい心が芽生えたら

 やわらかい一 ....
光の視界を
人、人、人、
昇ったり降りたり
ドテラ姿のおじさん
また会ったね、ハローハロー



人、それぞれに
日常の場で非日常の場で
活動し創造しながら
それぞれの可能性と限 ....
誤解を承知でいえば、僕は誤解して欲しいから話す。たくさん誤解して欲しくて
たくさん話すのです。ちゃんとの理解なんて求めてない。僕も沢山たくさん誤解
するし。誤解しながらどれかひとつ本当の貴方にいつ ....
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