海岸沿いを走り始めた電車が
古い町並みを置き去りにするから
わたしは前を向くしかなかった
「さようなら」
雨上がりの午後
西日の縁取る横顔も静 ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い
野菜室からよく冷えた ....
今日が終わりそうな海を泳ぐ
振り返れば
世界を見てきた波
ゆっくりと押し出すように
風と泳ぐ
このままどこまで泳ごうか
波交差の信号は青
どこまでも青
波は
見えない雨を連れ ....
とても新しい
墓石に刻まれた文字が
読めない
わたしの名前が
書いてある
はずなのに
気色の悪い風景を目前にしたときに回転体は急に速度をひるがえした
諸々の事情は飲み下す事はできたがあめ玉のように喉奥にのさばっていた
それのお陰で僕は死ぬのだと白いのに告げられて ....
何か間違った翌日の光の眩しさ
カーテンは必ずしも薄緑色で
少し笑って
決意した時の喪失感
自我が縦に割れていく
空間が一つの存在を許すシーン
数秒間だけ、ヘリウムのちからに乗った
....
10億分の1のちいさなあなたが
目をつむるごとに
風に吹かれるごとに
音楽を聴くごとに
窓を開けるごとに
思い出されては流れていきます
目に見えないほどちいさくなったあなたは
....
遠くのタヌキと近くのノラネコ
欠けない満月すり減らし
凍った浜辺で真夜中バリボ
ラインはかすれた子亀の軌跡
星屑なぞってくちなしバリボ
ぱらりぱらりらぱりらりら
何度も笑った故郷の ....
広い、窓のあった部屋
私の一部分がそこで途切れていて
確かな
薄い胸で必死に空気を集めていたこと
息切れと
ほんの少し気持ち良いと思える
ぴりぴりとした痺れとで
滑り込んできた電車は目眩 ....
今日がサラダ記念日だという君に
水玉模様のワンピースを贈りたい
どれでも好きなのを選んでください
サイズと寸法は
その方の
身長と体重と
年齢をおっしゃってくだされば
....
土の中の四角い箱の中で
小さな女の子が
「そらがみたい」
と言った
私はどうにかして
彼女に空を見せたくなったが
あいにく、今日は曇り空で
喜んでもらえるとはとても思えなかった
....
緑色の花が咲く
とても緑色
とてもきれい
永遠なんてないから
今日もお花はきれい
緑色のお花はきれい
ああー
生きていることに壮絶な絶望を持ってきて
チェルシーを食う
地図は
東京に何本も線が引かれて
みんな首を吊っている
電車は人を轢かない
夕暮れはかすり傷に優しい
珍しい歌を歌って ....
その夜の色の煙筒は
寒いからなのか白い
息を吐いていました
夜に
ため息がずっと続いています
何億光年前の光が
ゆっくりと流れて光の速さ
僕の上に留まっています
月は知る由もな ....
「天動説の子ども」 ロボウティー
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=32950
この詩を読んで感じる苛立ちはなんだろうかと考えた。初めは何故 ....
さぁ コーヒーをもらおうかな
ブルーの空 いれたての春
風にとけるまえにほら、
誕生日を祝う前に
あなたがどんな詩を書こうが
興味も無いんだと伝えたい
あなたがわたしに興味がないように
わたしもあなたに興味がないんだ
あなたの詩を確認するよりも
あなたの死を確 ....
流れにさからってのぼってゆく鮭の産卵のよ
うにうたうたうものは自らを束縛するすべて
のものに抗いうたうたう水の飛沫がとびちる
ようにうたのかけらはとびちりその濡れてふ
とった水を全身に浴びて鰓 ....
明るい陽が僕の顔刺した。痛いと悲鳴を上げる瞳
の
見える窓は僕と他人を繋げてる唯一のモノ
か
らは、楽しそうに遊ぶ子どもが見えます
....
「ともだち」とは
大切なかけがえのない存在。
「じぶん」を見つけてくれた
闇の中にいたあたしを 救ってくれた
たくさんの”ありがとう” 伝えたい。
利用するものじゃないよ
けんかばかり ....
3月
冬が力をしぼり 雨を雪に変えている
傘が折れるような風と一緒に
小指に乗るほどの車たちは
ワイパーをかしかし動かしながら
舌打ちをするように赤いライトがまばたき
雨雪の霧は左 ....
黒魔術だと思う。なにか黒く光る言葉たち。
ギミックみたいな改行。
碑文、と作者は言う。それは(朗)読んではならない(おそらく)。
目で見る、使われる漢字の与える印象の強さ。詩の形の強さ。
ある ....
風の暖かくなった
空から鳥が落ちてきた
インフィオラータを知っているか
無数の花びらで地上に大きな絵を描くのだ
極楽鳥や孔雀は空から落ちてこない
カラスとハトの
いつのまにか 大雨だ
....
月が欠けたので
宇宙へ
行くことにする
あの欠けた部分
埋めれそうな気がする
笑いながら
人と別れて
生垣に吐いた
犬みたいに土を
被せようとしたけど
そのとき夜が落っこちてきて
豚ぶるったロボットが相撲と土下座を間違えて不戦勝しちゃったから豚ほんと
ぶぶぶぶぶぶぶー
思わずだよ思わずだったからまさかの展開にすぐさまディレクターのセリフは
CMいれろCMは ....
晴れすぎた日の、透明な向日葵の光線
視界を焼くカーテンを抜けていくようだ
熱に揺らぐ交差点
人々はもう、記号にしか見えない
人々はもう、色にしか見えない
何を言ってももう、正しくはない
....
食べかけのスイカがもう
夏に生きる虫のように臭っている
庭に埋めなきゃ
そう思ってサンダルを履いたのだが
シャベルが見つからない
春先に何かの花を植えた時には確かにあったはずだ
ス ....
身に纏う雨が私を冷やしても私の身体は熱を発し
せめてこの身が朽ちる時には彼方の絵画を
全て灰に変えて生きよう
最近、心のバランスがうまくとれなくて
(ほとんど落ち込んでいたのだけれど)
でも うまく哀しめないので
(小さい頃からそうだ)
お風呂で ひとりで 誰にも聴こえないように 潜っ ....
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