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美容院の新人の男の子のユビが胃がすくむほど冷たくて
君のゆびの冷たさを
記憶に呼び起こされた
抱きすくめられると不安になって何も話せなくて。
ごつくてすらっと細い指がなぞる ....
混沌の渦が、芯に落ちて
花びらは、瞬き
カオスは、一つの流れを示した。
示された約束は、熱を帯びて青く
一筋の光りを仰ぐ
あまりに短い時間を惜しむかのように ....
親愛なる午後
ふぅっとため息をついた午後のダージリン
一滴の琥珀色をした涙が落ちてさざめくように金色スプラッシュ
真夜中の電話
名前も知らない誰かの声に懐かしさを重ねて灯す ....
ひらかない花など、あるだろうか
どんなにか速度をかえようとも
いつかは、ひらき朽ちていくものなのだろう
とどまることのなく
枯れおちていくからこ ....
少女のユメは、こんな天気の良い日にピクニックに行くこと。
前の日の夜に仕込んだライ麦入りの食パンで作ったサンドイッチと。
朝に入れたミルクたっぷりのエスプレッソを持って。
....
息停めて
ほーっと階段一気にかけあがってみてん
一息ついて
階段の踊り場でふっと息をのむ
あっちゅう間に十段も飛ばしてしもうた
もったいないことしたかなぁ
そっと視線を ....
瞬間冷凍したらどれくらいまで美味しく頂けるか、と考えてみたものの。
一体いつなら解凍レンジすんだろうか、なんて疑問さえ。
浮かんでは、ぽつりポツリ指先で丸め直した膜を{ルビ破=わ}っている。
た ....
「魚の目ん玉だったら、コラーゲンだし、役にも立つのに」
そう吐き捨ててアイスピックを洗いに踊り場へ
階段の壁面に喰らいついている蛇口をひねる水は冷たい
目ん玉は、掌の上で ....
身に纏う雨が私を冷やしても私の身体は熱を発し
せめてこの身が朽ちる時には彼方の絵画を
全て灰に変えて生きよう
澄ました水を眺めるくらいのここは小さな部屋です。
灰色の砂が時折、いたずらに跳ねる水で濃いグレイになったり・・薄いグレイになったりします。
太陽が出たりすることも月が沈んだりするこ ....
あまりにも寒いわ。
黒いワンピースを着た女は、ビロードの裾を翻して二階から下の窓へ飛び降りた。
空はきらきらと揺らめいている。
今日は黄色い月は見えない。
イマノウチ
ぼんぼ ....
彼を見たとき
彼の声を知っている
そう
思ったんだ
彼の睫がとても冷たいことも
知っているし
彼の鎖骨が氷のように冷たいことも
知っているし
知っているし ....
背中合わせに君の奏でる音を伝う
絡めるのは小指だけで構わない
僕を歌って
君の声がキコエルから
声を全部スクッテあげる
ヨンデいるわけじゃない
黙々と声をナラシテいる
君の声がキコエルから
声を押し殺してあげる
ナイテいるわけじゃない
....
{ルビ消色=けしき}
白磁器に付着した口紅を懸命に右手の親指で拭き取る。
すべて消え去った氷の冷めないグラスの紅を拭う。
ガラスのわき道で電波を待ちながら鏡越しにグロスを見つめて ....
綿アメみたいにふわふわに さ
綿アメみたいにふわふわに さ
ころころ転がって さ
くるくる転がって さ
ころころくるくる転がって さ
転がっていればいい さ
くるくるしてればいい さ
綿 ....
みてて あきないのよ その笑顔
だからか なぜだか わからないけど
風になって あなたの側にいたい
きっとあなたは気づかないけど
それでいい それがいい あなたの側にいられれば
....
燃え盛る炎で焼け焦げた僕
ひと思いにかじって丸呑みにしてしまいたい
左足の指先をとりあえず摘んでみる
ぼろぼろと宙に舞う
鉄くずなのか
黒焦げの炭かわからないけど
ちょっと前まで僕は四角い ....
黒 トンネルを抜け螺旋階段を下る
透明 ジェリー状の海は僕の周りを囲う
もうみつからない 髪の先まで塗り潰す 黒
小さな風呂場 一粒のジェリー
握り締める 溢れ出すメープルシロップ
白 ....
その手に何を掴もうか。
君は、何も考えずに
唯、手のひらを優しく握る。
ふわり ふわり
君の手から零れ落ちる幸せのカケラを僕にも少しくれる。
君は、何も考えずに
唯、僕の指先を優し ....
燃えカスの灰にぬれ濡れて告げるおわりよ恋は燃え尽きて身を焼き尽くし燃えカスの灰にぬれ濡れて告げるおわりよ恋に破れた身を粉砕し燃えカスの灰に塗り込めて告げるおわりよ恋は燃え尽き灰に埋もれて左腕を ....
ぽすっ・・・ぼすっ・・・
ぽすっ・・・ぼすっ・・・
ぼす・・・
ぽ ....
かぜがさらいます ワタシ
かぜにすくわれた アナタ
みつめる ワタシ
みおろす アナタ
まっくらヤミに ワタシ
カガやく ....
それでも私はアナタの足にしがみついた
アナタが私を見下ろして笑う
何をそんなに慌てているの。
何を ....
彼女が言う『私スポーツがしたいの』
僕が言う 『楽しいかな?』
彼女が言う『スポーツだからいいのよ』
僕が言う 『疲れちゃわないかな?』
彼女が言う『だって、汗 ....
マル帰っておいで
マル帰っておいで
マル帰っておいで
ちょっと気が向いて散歩にでただけだよね?
ちょっと気が向いて散歩にでただけだよね?
マル帰っておいで
マル帰っておいで
マル ....
〜左手〜
アナタだけが私の{ルビ内=ナカ}の一番やわらかい{ルビ部分=トコロ}に触れてくれる
....