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揺れるたび
気がついて
明日を誘った夏の風
歩道に深まる僕の影
大空と
呼んでみる
ガードレールに腰掛けて
知らない翼は陽に透けて
身体気象情報をお知らせします
晴れ ....
−祈りは役に立たない
いつか言われた
その言葉ずっと胸にひっかかっていたけど
やっぱり認められない
何かできることあるかなぁと探しても
何だかひとつも見つからなくて
結局いつも ....
それは不思議な行列でした
新月の夜でしたのに
ぼんやりと照っていたのです
そこかしこからケタケタと笑い声が聞こえましたのに
誰も笑っていないのです
一行は静々と厳かに歩みます
この世の者で ....
綺麗な声に目が覚めた
立ち上がって海岸線を歩く
波音と風音の穏やかに響く砂浜に
僕は桜貝を見つけた
手に取るとひんやりと冷たくて
薄桃色が微かに温かかった
温めるためか 温まるためか
そ ....
遠き日の記憶に濡れし花鳥画に
火の粉降り染む花明かり
{ルビ花花=かか}千片の闇の間に
{ルビ花柄=かへい}震わす蝶模様
{ルビ花筵=はなむしろ}挿す{ルビ簪=かんざし}は
唯皓皓と花崗岩
....
黒い靴
黒いジャケット
白い空の下
振り向けば
眺めていた
胸の洞
無いところに
無いものが入り込んで
仰ぎ見れば
砂山を築いて
そこに棒を刺し
交代に砂 ....
「見てごらん あれが翼とかパリのヒト科だ」
爺さんはいつも洒落ばかり
だいたいオシャレな人だったし
どんな人生送ってきたのか
結局聞かなかったけど
冗談みたいに生き抜いたって
そんな素 ....
クレーターの端っこで
眺めていたのは地球だった
あそこに僕の体験の全部がパッケージングされている
傍らにはエジソンが立っていた
(こんにちは)
の形に口を動かした どうせ ....
遠いクラクション
電燈が灯り
見下ろす街
二人連なった街
沈黙
旋回する鳶
夕照に染まり美しく
約束は避けられ
日常を語る
それもまた沈黙
群れ飛ぶ烏
煙 ....
有相無相に蹴っ飛ばされて
ひっくり返った夜の街
見上げる視界は新鮮で
意外と綺麗な古街灯
浮かれて呷った{ルビ毒薬=どくぐすり}
選んだオレの生き方だろと
冷めた顔していい気に嘔吐 ....
もーいーよー 許されたのはいつの日か
携帯の電源切って眠る夜
サクラチル 散った桜はゴミ箱へ
繰り返し言った所で手慰み
寂しいの そういう事は忘れたよ
公園で子どもの頃に ....
遠くのタヌキと近くのノラネコ
欠けない満月すり減らし
凍った浜辺で真夜中バリボ
ラインはかすれた子亀の軌跡
星屑なぞってくちなしバリボ
ぱらりぱらりらぱりらりら
何度も笑った故郷の ....