昔々 いつまでもいつまでも青空が続き
ついに空の青さが 星空のむこうにとどくほど
深く窮まってしまったことがありました
空は自分の痛々しいまでの青さの窮みに
ついにたえられ ....
{引用=
十四の黒い薔薇の歌
●
愛を忘れて
自分をおいて
き●っと
どこかか●なたに消えていったぼく
きみの微笑みがあせた
壁にかかった●ワンピースばかりを ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
天上から
光の粒がおりて
みち満ちてゆく
ときは、春
天から与えられたのは
生きる力と活かす知恵
朝露を唇に
目に触れない透明な息
両の手で
肌に感じる柔らかな息
目ざ ....
東京
憧れていた街
過ぎてゆく人たちと
消えない夜の明かり
言葉を殺しながら
信号が変わるまでに
どうにかしてこの横断歩道を
渡らなくてはいけない
あ、またひとり
大切な人とす ....
ザラメ ザラメ
その名を呼べば
甘い夜風が
う
ょ
び
と吹く
夜のお祭り
始まって
裸電球
....
息を
わたしたちは潜めて
東の空の彼方から
春がやって来るのを
待ち侘びていた
夜明けに
うすい紫の風が
わたしたちの
頭の上を撫でながら
通り抜けてゆくとき ....
ひつじを踏んだ 声はなかった
ひつじは足下で ばたばたしていた
ような気がした
「元気かい」とためしに声をかけたが
ひつじはひどく疲れていたか
もしくは踏まれて不機嫌だったのか
答 ....
咲く、羅列の空は埋め立てられて
さあ、暮れて望まない夜に
駅前の車列に後ろから急かされて
家路の、振り切る早足を抑えられない
駅から吐き出される、ため息と等しく
順序良くもうひとつ、暮れられ ....
昔、あなたに宛てて書いた手紙
あなたが受け取らなかったので
まだ手元に残っている
手渡そうとすると
あなたは決まって困った顔をしたから
わたしは何故なのだろう ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、
はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
....
東京は
私たちの隠れ家だった
誰も私たちを知る人などない街で
なにもかもを忘れたふりをして
ただのオトコとオンナになるための
狭くて大きな隠れ家だった
東京タワーも水族館も
....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
空がまだ青かった頃
王国は細く
鉄塔がその役目を終えてなお
行くあてなく錆びていくように
東の空から鳥たちがやってきて
羽を休める場所を見つけられない
王国は
気づかれずに
そのよ ....
続き。詩の「商品力」向上のポイントとして、
1.質を向上させる
2.特性を理解して訴求する
3.付加価値を付ける
この3つを挙げました。で、今回は1の質の向上について書こうと思ってたん ....
甘くない珈琲を
手の中で
大事そうにしていた
猫舌だと言って
大事そうにずっと
両手の中で
十二月に降る雪のように
ま ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
ときとき と 痛む胸
憧れなのか
せつなさなのか
見上げたら 空が青かった
冷たくなった風に
私の心がついて行けない
まだ
そんなに確かじゃない
決められない
このまま冬になろう ....
海上を突っ走るマリーノ超特急は
どこまでも青い廃虚やら波濤やらが
混じりあったりのたうちまわったりで
車輌の隙間から
夜が入りこんでくる頃には
俺もアンちゃんもいい加減しょっぱくなる。
....
たもつさんの詩集が届く。注文してから、すでに2ヶ月が過ぎていた。発送元には何の罪もない。メールで注文したのはいいが、自分のアドレスを間違って入力していたのだ。いつまでも連絡がこないはずだ。ネットは、す ....
季節はすっかり秋めいて
あちらこちらに金木犀の香りが広がっています
けれどもわたくし、
銀木犀に、未だ出会ったことがございません
銀木犀、銀木犀
あなたはどこ ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
たまに都バスに
揺られて
目的地を決めず
地面と近い
おおきな窓から
東京の景色を
楽しむことに
している
山のような
仕事を持ち帰って
いざは ....
ポチが走ってくる
ポチが尻尾を振りながら走ってくる
ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチが乳母車を弾き飛 ....
あなたの方で風が吹いている
わたしはわたしで知らないことばかり捜している
秋がそこらじゅうで溶けはじめるとき
空き瓶には夕くれが満たされるとき
幾つもの詩を繋げるようにして
わたしはあな ....
タバコを買おうと思って
コンビニまで
ぼんやり歩いてたら
ふいにジャンプしたくなった
んで
ピョーンって飛んだら
右手が何かにぶつかったんだ
そしたら
空中に
箱みたいなのがあらわれ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる
アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
「夕日が落ちる前に、帰ってきなさい。」と母が言う
私は、海が見たかった。
秋の夕暮れる速度と思い出と川沿いを歩き
橋の向こうまで。
スタートは、浅い川底の尾ひれで跳ね上げる小 ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら
寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
高校生だった僕は
泣いて
泣いて
チンピラに憧れて
チンピラになりたくて
夜の街を歩いていたのです
高校生だった僕は
お金も無くて
遠くに行けずに
ただ地元の真っ暗な商店街を
....
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