机に
貴方の名前
書いた
消しゴムに
貴方の名前
書いた
自由帳に
100回
名前
書いた
ふれた
あなたの陰に
そっと
....
こんこん
こなゆき
ふりやまぬ
きょうも
あしたも
あさっても
こんこん
こなゆき
ふりやまぬ
おれの言葉には
乾いた冬の浜を
指す松の葉の固い鋭さがない
防砂林の激しい
潮風揺れ
ふうらり歩く
めまい
えんぴつを
尖らせた
紙に刺した
的に突き刺す
激 ....
遥か彼方の水平線は
冷たい冬の空にとけ
薄雲の光る中に
青さも白く霞む
寄せる波の音を聞きながら
どこかに
懐かしさを覚え
元始の記憶なのか
あるいは
胎児の記憶なのか
い ....
空が剥がれ落ちていた
無音を描きながら
時間を奏でながら
空たちはみな地に落ちて
染み込んで消えた
あっさりと自由に
せめて僕は
空 ....
きみ
図鑑にのってるよ
知ってるかい
きみだけじゃない
ぼくも
きみの、
ぼくの、
おとうさんも
おかあさんも
きみの赤ちゃんも
さっき
赤ちゃんの手の甲をペロリとなめた ....
小さな頃
引っ込み思案なぼくに、と
ママが与えてくれた図鑑は
表紙をひらくたんびに
こんにちは
こんにちは
と
語りかけたので
ぼくはひとりぼっちではなかった
ぼくの図鑑は
そ ....
頭の上の方の
難しいこと考えちゃう部分
ぜんぶ取り出して
お風呂に置いておいで
大したことじゃないってこと
よくわかるでしょう
頭の後ろから
ゾクゾクしてきたら
取れてきた証拠
目を ....
別れてしまうのが悲しいなら
出会ってしまうのが悲しいのかな
別れてしまうのが自然なら
出会ってしまうのが自然なのかな
ふたつに別れた貝殻を重ね合わせて
僕は地面にそっと落とす
....
自由を磨く
きらきらと輝く
誰にも手が届かない
プリズムのスペクトル
粒子が密室で猫を殺す
確立で消失する一つの扉
倉庫に保管したナイフは
既に蜘蛛が丁重に包装した
使 ....
電線の五線譜に
鳥がうたう音符は
どんな曲を奏でるか
雲と空にはさまれて
どんな曲を奏でるか
街の音は聞こえない
風鳴る空
指先ひとつで崩れゆく
私だけの幻想即興曲
君の瞳は僕を導く光だ
僕の指を君の躯へと導く光だ
でも
僕の指に光る指輪が
やめてくれと叫ぶ
これほど
僕たちにとって
正しい瞬間など
ありえないのに
君の瞳は
奪い取ってと
輝 ....
眩しいライトをすり抜けて
光彩に映りゆくのはろうそくの火
生まれて初めて自分の影を知り
己を見つめる寸刻の時
さぁ始めようか、性成る夜。
君の織り成すビロードのマントは
私のサ ....
女の子がクッキーを焼きました。
まる さんかく しかく
色々な形が出来ました。
星型だけはこげました
誰からも食べられなかった星型さんは
空に消えて
願いを一つ叶えました
『 ....
ここのところずっと、ある詩を批評しようとして、色々考えていました。
そして考えが横にそれたというか根本的なとこまでいったというかつまり、文章を理解するとはどういうことかに関心が移ってきました。
ま ....
カレは
私のことが嫌いのようだ
いや
嫌いだ
原因を
考えてみたけれど
ん
私の眼かしら
一寸怖い
睨んでいるわけではないけれど
私の右眼は
殺人鬼のようだか ....
ね マナちゃん 今日はいっぱいおひさまがいるよ
母はわたしの名前を間違えたのだ 公然と 間違えたんだ
肩を抱くと 猫と同じにおい がする
今日の朝ごはんは 半分くらい食べたんだよ
....
東京へ行くはずだった
駅の構内アナウンス
上りの新幹線に乗るために
開かれた空間
私にも開かれている
コツ コツ コツ..
自分の靴音を聞いて
自動改札をぬける毎に少し緊張
ホーム ....
【No.96 Re.0】 291
-------------------------------------------------------------------------------- ....
今日もこぐ自転車ペダル
冷え切った空気 ふりきって
わたしはたどりつかなければいけない
使い慣れた34番
ひびわれたくつぞこ
あのろうかのつめたさも
もうすぐで角ざとうになる
固まって ....
部屋からの風景は
丁度こんな感じだ
そう、丁度こんな感じだ
この辺で頭出してるのが
ほのぼのレイクのネオン
隣の ....
私に許された我儘は
髪を長くのばすこと
怠惰は
必要だから眼を瞑る
求めれば
眼が啓く
ずいぶんと永いこと
誰も私に気づかない
気づかないふりで
....
小学生の頃、僕の通学路には椿の垣根がず〜っと続く道があった。椿の葉っぱはびっくりするぐらい深い緑色をしている。僕はあまりに深すぎる緑の葉っぱは冬を越す為には必要なんだ。って思っていた。冬の椿はたくさ ....
雨にうすく濡れた歩道の中心に
盲人用の黄色い凸凸道が
遠くへと敷かれている
いつもそ知らぬ顔で歩いていたが
凸凸道を求めているのは
よろけた歩みで目線の定まらない自分だった
黒いこ ....
窓、
つぶらにびく、びくして
隅っこで圧し倒す布際に覗くよ。午後2時はびゅんとした狭さが、がらんどうだ。この部屋のここに堆積しているもの、蹴散らすほどのことでもないので。潜ってゆく広がりを ....
仕事の都合で青森へ移り住み早2年、3回目の冬を迎えた。記録的な暖冬と思った矢先、
一昨日から40cmの降雪。やっぱり、「毎日毎日ま〜いにち」雪掻きするのである。
庭先のガレージにロードヒーティング ....
噛むよ、噛むよ
あかい風船をかかげて犬と私はでんしんばしらの横につったっていたんだ
そおっとしておいたら、シュークリームはしぼんでしまった
中のカスタードクリームは、実は出来損ないだ ....
1つモノへ送ります。
大切なもの。何よりも守りたいものは、いつかはなくなる。
1つのものへ送ります。
ただ、大切な人、守りたい人は、
とことん大切にして、とことん守り抜くのです。
....
住宅地のはずれにあって
草がぼうぼう生えていて
樹木は無い
遊具は
赤いジャングルジムと
青いブランコと
錆だらけの滑り台
隠れるところもなく
逃げることもできない
近くにはもう
....
その箱の中には
巨大なソーセージのような
赤黒いいなまこのような
パンパンに膨れ上がったものが
体らしきその全体をくねらせていた
私はそれが自分のもの ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42