街ですれ違いざまに
肩が触れたとか何とか
後藤に絡まれた場合
ソニー損保よりも早く
現場に到着して
問題解決に当たります
後藤トラブルキャンペーン期間中ですので
料金は半額となります
....
どんなに辛い目にあっても
どんなに悲しい思いをさせられても
そこは大人だから
人前に弱音をはいたり
涙滲ませたり
できない
そんな事したら
見せかけの同情と裏に隠された
嘲笑を ....
さよならのかたちして
かもしかは
ゆうまぐれ
町を歩く
ときどき
立ち止まり
思案して
また
歩きだす
かもしかの
梢とも
灰ともつかぬ毛
硬い毛
そのきわ ....
国際交流のアトラクションで
着物と狐面、腹掛け、手甲のステージ衣装で
唄っていた時に興味を持って
放歌後にカタコトの日本語で
声をくれた三十路前くらいの
白人男性が居た
お面に関しては ....
旅のしおりを作るなら、最後の頁に、こう印字しておこうか。
〜旅のしおりを手放す時、僕らは本当の旅人になるのだろう〜
左右の手足の指は五本ずつ
合わせたら十本
それはいつ何度数えてもかわらない
勿論例外は存在するでしょう
だけど申し訳ありません
例外は外します
人は利き手の指を使い
数を ....
青空が何処までも続く
過ごしやすい秋
飼い犬と散歩
毎日楽しんでいる
身体が元気になっていく
決まった道ではなく
その時の気分で決めている
散歩している他の飼い犬と
直ぐに ....
たしか
あの頃のボクは
人混みに紛れながら
孤独に苦しみ
絶望していたのだ
星さえ見えない
昼間のような夜の繁華街で
ビルとビルの間を行き交う人々が
楽し気に見えて
何もかもが羨 ....
とにかく名前ばかり産んでいるあの子たちが
赤い一張羅を着てでていくのを見たから
星空、火打ち石、波打ち際もざわついて
やっと世界がはじまるのだ、とうわさした
結局、うまれたのは
....
冴えない身なりをして
うらぶれた街を歩きたい
擦り切れた靴を履いて
ボサボサの髪で
この世の終わりの方角を見るような眼をしながら
行くあてもなく
彷徨い歩きたい
うす汚い帽子は
....
死んだあの子がまた夢に出てくる
私が迷子になると
またあの子が夢に出てくる
深海を歩いていると
またあの子が夢に出てくる
ひざを抱えて昨日を見つめていると
またあの子が夢に出てくる ....
寒さに
身をよじりながら
電気ストーブに手をかざす
外では雨が降っている
気持ちは停滞したままだ
生きてる証のように
歯根の痛みは続いている
僕の自転車は上海 ....
久しぶりに会った
一緒にお好み食べた
何も話さないのに
会わずにいた時間が埋まる
暖かい湯気の中
不思議だ
ぽっかり空いた時間が
埋まる
埋まる
二人は黙って
鰹節 ....
風を待つ秋の夜に路傍で空を見上げていると小さな星がひとつ消えました
その星の光は何万年もの旅をしてここにたどり着いたといいます
何万年も前に小さな星は消えていました
私が見ていたもの ....
世界は豊かだと
ふと思い
願わくば
心豊かにあれますようにと
そんなことを願う
ちなみに今日は電池の日だそうです
蒸しパンたべました
空いたフクロのなかへ
いっぴきの
蠅が入りました
うふふ
なぜか腹の底から
わらっていました
ヒトがいう
≪命の尊さ≫の
危うさを
波の音を聞くと
ガラスの破片で
胸を切ったように痛むんだ
手を重ねて誓った未来が
抜け落ちてまた鼓動をなぞる
望んでも二度とは
戻らない時間が
そこに流れて
切なくなるから尖ってしまう ....
かつて
人の夜は
静寂だった
無音の
冷やかな空気に
包まれる
音を伴わない
声を聴く
動かない静けさの
声を聴く
沈黙に耐えられぬ
饒舌
黙考に耐えられぬ ....
日差しを浴びて余白が眩しかった
お日さまの香りが帰りを待っている
雨音に気持ちを急かされる信号
ひとびとの夕焼け走るバスの形
星空が曇ったガラス ....
美しい世界を知らない美しい人々
この夜を朝に変えることもできないのに
大気が乾燥しているから今日は空が綺麗だ
アスファルトの上を模様のように這うトカゲには太陽は目に痛い
そう、そのきみが太陽か ....
神々の夫婦喧嘩で
あたりちらし流れ着いた新しい愛
それは朝の空に浮いているみじかい月のように欠けているから綺麗だ
浜辺で月が太陽を追い落とす時
酔い潰れる死からは逃れられない
死には遠慮 ....
放り投げていたわたしを
私が拾い
抱きしめた時
やっと私はわたしを知り
温かな諦めで
ぽっかりと満たされた
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく
やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら
降りていく
宇宙の底 ....
生きるのが悲しいとき
空がありました
お金は無くとも学は無くとも
愛するものが無くとも
愛されることが無くとも
顔も髪も服もゲロまみれで目覚めて
一言
綺麗だなあ と
呟いたあの瞬 ....
野菜を切っていて
指まで削ぎ落とした
あまりにもスッパリ削いだので
痛くも痒くもなかったけど
時間が経つにつれ
痛みと真っ赤な血が押し寄せて
ああ、やっちゃったと改めて思う
私にも赤い血 ....
世界の破壊者は片手を上げ
まわりに誰もいないのに気づくと
片手をおろした
海は波の触手を伸ばして陸に襲いかかり
さらには沸騰し
現在は塩酸になるか硫酸になるか悩んでおり
山はもちろんの ....
からっぽで何にもなかったので
手元に落ちてきたSFを入れてみた
SFの尻尾はもう古ぼけていて
埃をかぶっていたけれど
頭のほうは元気で活きがよくて
これならからっぽも何とかなるかしらと
一 ....
東京某所。N駅近く。
確かあれは去年の今頃に起きた出来事だった。
私は何事も無いような文章に書く価値も、そもそも思い出す気力が勿体無いような日常のルーティンを繰り返していた。いつものように ....
白い壁がありました
白い壁に沿って私は歩きました
私には足がありました
私の足は交互に動きます
私はそれを動かしています
白い壁があります
白い壁に沿って草が生えています
私は草をむしり ....
見つかって、見つからないよと君が言う。まるで透明人間みたいに。
目に見えない電車に昨日乗りました。ゆられていく先すら分からずに。
打消し線の線を取り上げ弦にする。ラ音の調べ、この世のものか ....
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