{引用=散歩道}
彼女は二つの嘘を連れ歩く
いつも同じコースで
一つの嘘は人懐っこく誰にでも尾を振った
一つの嘘はところ構わず吠えたてる
どちらも夜のように瞳を広げ
油膜で世界を包んでいた ....
廃道の縁石の上に腰かけて週末のブルース、三連符のリズムで歩道を啄む鳩ども、フライパンの上の季節、なにもかもまるで白昼夢のようさ(夢じゃいけない理由ってなにかある?)寝転がりたいくらい草臥れてるけど .... 今夜
この惑星の何処かで
誰かの精神が囁く
その言葉は声にならないから
誰にも聴きとれない
だけど確かに
「愛はどこにあるの」
と精神に伝わってくるんだ
だったら僕の話を聞いて ....
地下室への階段を降りてゆくと
探していた言葉があった
それは難しい言葉なんかではなくて
なんてことはない言葉だった
くだらないなぞなぞの答えのような
拍子抜けするようなやつ
でも 昔は仲良 ....
私は妻であるようだから
妻の声帯から声を出す
「夕飯はなんにします?」
私の息子があたかも私であるかのように返事をする
彼とは離れて暮らしているのに
「ひさしぶりにトンカツなどがよいです」
 ....
ぜんぶ
俺のお陰なんだ

俺の必死な思い
俺のいっしょうけんめい

でも
俺だって
全力疾走
全力投球は
苦手だから
無理だから

だけど
ぜんぶ
俺のお陰なんだ

 ....
ハッピーかどうかは俺が決めるんだ。この世でたった一人の俺が。 或いは
オブ・ザ・フットボール

或いは
万延元年のフットボール

或いは
1973年のピンボール




 ....
いつも
礼儀正しく
控え目で
慎ましく
誰よりも優しい
人の善意を信じている
君には
酷かも知れないけど
この現実の世界には
つらのかわひとつ人間で
にくは底知れぬ悪意
はらわた ....
天球は精神と繋がり
地球は身体と繋がり
刹那に感じる
身体を駆け巡る
その波動が
眉間から生じる
紫のオーラが
全方位に向かって放たれる
無限の意識が
森羅万象の宇宙に溶けてゆく
 ....
大阪王将のある街で、歩兵の僕は何とか懸命に生きている。
「男なら将棋を上手くなれよ」と、そんな父上の言葉を胸に。
本当は存在しないもの
駄菓子の当たり
国境線
赤道


本当は存在するもの
自販機の当たり(たまに当たるんだぜ)
戦争
ひとり


地球儀にキャプテンがいる
片言の日 ....
本当はアホのくせに
気難しい顔ばかりしてた
ああ優しい人
何も言わないで
ごはん美味しいねって言う
美味しいねって返事したら
すごい幸せそうに笑った
私なんてつまらない人間
もう生きて ....
懐かしい場所に
行きたい
ただそれだけだ
この街で
この場所で
日々遠くなっていく景色を
一目見たい
それだけ
海と
山の神社と
坂の階段にいる狐と
その角の魚屋の匂い
灯台
 ....
成り得ない私は基本であり
素敵であるのだ

お城に王子
何者でもない私が王女になり
蒼いドレスをひらめかせ
真っ赤にはにかみ
無理してニコっと笑うのだ

「お祖母ちゃん、大丈夫、痛く ....
何か懐かしいこと
思い出しそうで
思い出せないまま
やさしい曇り空
包まれる

迫られるものはなく
小さな雑事たちだけ
転がっていて
待ってね、待ってね
と何回

さっきの ....
失ったモノはたくさんあるけど

落ちてくるイタミは数えきれないけど

降りかかる悪意は背中を刺すけど

愛は遠く遥か彼方に離れているけど

転がっている挫折にはまってばかりだけど

 ....
あゝ窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
一瞬わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく廻る星なんだ

それにし ....
言語は解体され、意識の破片となって、冷たい寝床で検死医を待っている、風が鳴くような音は、体内に残留した空気が逃げ場所を探す音、死後硬直のトーンは灰色、アルミニウムのような冷たさだけがそこにある、空 .... 小学校の教科書だったろうか
あの坂をのぼれば
海が見える
あの坂をのぼれば
海が見える
と繰り返す文章が
40年近く経った今も
あのときの少年たちの声とともに
ここに聞こえている
あ ....
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった

昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ....
今日も僕は詩を書く
抱えているイタミを
癒すために

詩を書くということは
祈ることと似ている

読んだ人が
少しだけでも
元気になればいいと
読んだ人が
少しだけでも
勇気を ....
死ぬ前の最期の夜に食う飯はエースコックのワンタンメンだ 春はあけぼの
夏は夜

と謳った人が昔居るけれど

確かに

そうやって


自分の好きなものを
実際に
真剣に
数え ....
 
誰も家にいない

ファンタグレープを一人で飲む

日記なんて書かない

太陽

汚れたレースのカーテン

台所の床で裸

扇風機

団地の正午

その子は、誰も想 ....
夜中に大声張り上げて
叫びそうになる
それこそまさに人の遠吠え

ブンブン回したくなるような
俺の雄叫び
何処までも飛んでいけ

男は
男って生き物は
始末が悪いぜ

股間に重 ....
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても

何も変わらない
何も起こらない
何もスタートしない

この寂しさ
この空しさ
このやりきれなさ

嵩ましをするばかりだ
 ....
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く

午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている

仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
現実的になれば
絶望がまた
首をもたげてくるけど
時には
享楽に耽る自分を
許したり
時には
娯楽に興じて自分を
宥めたりしながら
ここまでやってきた
頼りないとか
いい加減だと ....
 祭りの日の夜、賑わいの中で浴衣が揺れている。
 蒸し風呂の中での会話のように言葉はくぐもり、
 汗は流れ、肉体は肉体の中で直立している。
 虚しさは寂しさを無限に超越してゆく。

 男 ....
道草次郎さんのおすすめリスト(1101)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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乱反射する生の所在地- ホロウ・ ...自由詩2*20-7-27
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言ってやろうか。聞かせてやろうか。- こたきひ ...自由詩1020-7-26
僕は少し、精神を許してゆく- ジム・プ ...自由詩3*20-7-26
死ぬ前の最期の夜- TAT短歌2*20-7-26
蕎麦殻の枕- TAT自由詩3*20-7-26
summer,_nothing- 墨晶自由詩4*20-7-26
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一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても- こたきひ ...自由詩420-7-25
川沿い- TwoRivers自由詩9*20-7-25
君がいたから- ジム・プ ...自由詩4*20-7-25
祭りの夜- メープル ...自由詩3*20-7-25

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