きみにならなんでもあげたい
米軍の基地の湖の日没だとか
与えよよ与えよよ与えよよよよ
さようなら、色違いのよしあき
ランドセルに他人を詰め込んでいる
This i ....
荒波、白波、眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑っておくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目ん玉
だから書けるうちに刻み込む
生きているから痛いのさ?
そんな生半可な答えでは納得せぬ
....
きみがぼくに付けたぼくより大きい傷
夕焼けの有限の星で眠った
隙間から、ひかりが声を発してる
月の宛先は腕の先 つめを切る
後悔をきっとするって知りながら子供に返って雪に寝転ぶ
傾いた棚を作った父の顔、偲び吸えないタバコを咥える
避難所で青い唇噛んだ夜、あゝ、十年か、陸前高田市
起 ....
あなたは優しさに何と話しかけるのですか?
「ありがとう」? それとも「愛しい」?
地球という球体が回って、わたしたち{ルビ人間=ひと}もそれにつられる。
生きていることとは、つねに奇跡なのですね ....
二〇一六年二月一日 「アルファベットの形しかないんかいな、笑。」
何日かまえに、FBフレンドの映像を見て、いつも画像で、ストップ画像だから、ああ、素朴な感じでいいなあと思っていたら、映像で ....
さびしさはやたらめったら愛想いい自販機の声聞きに行く夕
このたびわたくし
めでたく最終回をむかえました
来週からはいよいよ
新番組がスタート
おなじじかん
おなじこのちゃんねるにて
ゆめのようなすとーりー
スリルまんてんのてんかい
あなたの ....
僕の魂の一部が
川面を流れて行く
自信がなかったので
側にいる人に聞いたら
あなたの魂の一部です
と、確認してくれた
魂の一部はこのまま海まで流れ
小さな生物に消化や分解をされ
....
紅いつつじの花びらに
雨滴が留まり
艶やかに
膨らむ、透明の
二滴、三滴、
輪になり
映える
灰の空に
やがて
緩やかに吹く風に
揺られ
つつじの花弁から
零れる雨滴
紅 ....
剥き出されている
神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
葉桜は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した
何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょろひ ....
まるで優しい夢だ
満月の砂漠
輝く満月が浮かんでいるように
胸には小さな宇宙のような穴が開いていて
埋める星の金平糖を探し続けていた
湖のそよ風の吹く夢や
海のそばの大きな河 ....
年老いた男爵は死を待っている
食べることもせず飲むこともない
身に纏うラビットファーだけが艶やかに光り
半開きの眼からは輝きが消えている
牢獄のような部屋の中
彼はその時を待っている
....
嘘なんかいつもついてる四月馬鹿
入社式先輩風で風邪をひく
花粉症霞んでるのは目か空か
春の雷見て見ぬふりの自己嫌悪
誕生日もうロウソクは増やさない
そよかぜは、そよそよと吹いて
そして、いつからか、よそよそしい
「そよちゃん」と呼びかけたって
振り向きもせずに、通りすぎていく
かつてのように、またお話がしたいのに
....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
青空に
白雲湧いて
僕は虚脱
外界は余りにも眩しく
チューリップが無数咲く
庭園を通ってイートインへ
コンビニの旗が揺れている
人々が通り過ぎていく
僕は苦いコーヒーを飲む ....
大きな口を開けた君は
生クリームの付いた苺をほおばっている。
半分が残ったホールケーキの上
苺が欲しくて
「もっと食べたい。」と腕を伸ばせば
ふっ。。と笑ったおじいちゃんが
一口食 ....
卍 萬之助 MANDJI Man'nosuké
×
肉豆腐 野獸郞 NIQDÔFU Yajûrô
★
午 後夫 UMA Notchiö
....
高原に
凍てつく
朝が来た
一人幕内で
くるくる回る
ストーブファンを
見ていると
僕の記憶の底に
ひっそり息を潜める
誰も知らない淀みの闇が
音を立てて
回り始める
そん ....
足下の散り切った花弁は
少しずつ汚れていく
達観した振りして
本当は泣きたくなるほど淋しい
何年こうしてきたのだろう
何年こうしていくのだろう
(ヒヨドリの発狂)
本 ....
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」
『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
連れてきて5年は経つだろうか
当初から敷き詰めた砂を蹴散らしては小さな魚を追い廻す
我が物顔で水槽の中を暴れ廻っていたおまえも
わたしの姿を見つけてはじっと動かなくなる
大きく成長するのも ....
うそつきって言われた。
ぼくはちょっと話を盛っただけなのに。
このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。
それでも今日は白い色の桜を ....
白銀の沙漠を
虹色の蝶が飛んでゆく
一人の子供が木を見上げている
緑と黄色と赤と茶色とそれぞれの濃淡
一枚一枚の葉の形
重なる葉の間から漏れ注ぐ眩しい光
微かなにおい
風の鳴らす音
そよぐ枝のランダムな動き
鳥や虫やそ ....
硬い言葉より柔らかい言葉を掘りたい
怖い言葉より優しい言葉と握手したい
たった今昨日を片付けてきたところだ
荘厳に鳴り響く十二の鐘が埋葬する
そして何気なく今日となった明日に袖を通す
....
五本の石柱がたっていた
ねっとりとしたモスグリーンの水に浸され
洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?
目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
....
たおやかな
緑の群れ
揺れて
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のザワメキを聴く
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