鍵を見つけたよ
扉を見つけたよ
鍵穴を見つけたよ
扉を開けたよ
なんてすてきな世界!!
靴を覆い隠す
くるぶしくらいの花たちが
まるで海のように広がって
ざぶざぶと歩け ....
言い表そうとした何百何千のことばも
わたしに少しでも
長くあたるようにしてくれた扇風機の前にふきとばされる
分かってもらえないだろうけれど
暑苦しそうなあなたの寝息が
わたしの世界のロックン ....
網戸の向こうには、山岳の稜線と薄明るい空がはざかいを浮きだたせている。草むらではコオロギなどの虫の音が、凌ぎやすい朝のうちにと盛んに音を紡いでいる。朝の涼風が頬にあたり、ひさびさのインスタントコーヒ ....
産まれる以前の自分に会いたい
死んで以後の自分にも
産まれた直後の世界に戻りたい
死ぬ直前には勃起していたい
産声
そして遺言
不覚にもSNSに嵌まってしまった自分
その音楽 ....
うみのような体ですから波打って別れ際にもずっと濡れてる
何かがゆっくりと近づいて来ている。それはやや静かに、それほど大きな音ではなく、それでも耳をすませば確実に聞き分けられるほどの大きさの足音を立てて、僕たちのそばに忍び寄ってきている。人々は早くも悲しみ ....
子供:「わあ大変だ!海がやって来る海がやって来る」
母親:「あれは、海ではなく、波が打ち寄せてくるのよ」
ー小学生時の国語教科書より
▼
或る物がある
が、
在る=モノ
とし ....
真面目に仕事してても文句ばっかり言われるし
客だけじゃなくて同僚からも恨まれるし
何のために仕事しとるんか、よく分からんわ
自分のためとか家族のためとか金のためとかさ
いろいろ自分自身に言い訳 ....
詩がとなりに座っているとき、
目的地なんていらないと思う。
浮かんだ言葉がとても綺麗で、
うれしい気持ちで書き始めていた。
ハリーは
ゴールデン・レトリバー
僕に寄り添うように歩き
大きな身を揺らして
逆らうこともなく
鼻を鳴らすこともない
朝の河原は
鎖につながれた仲間が
あちこちからやって来る
自 ....
過ぎた昔を思い出して
くよくよするのは止めようよ
苛められたり
辛く当たられたり
差別されたり
そのせいで鬱になったり
そのせいで手首に剃刀あてたりした
過ぎた昔を思い出して ....
早朝の時間の流れかたが綺麗
頭上では雲が迷子になっている
夕焼けの音色 瞳にのこるひと
夜の窓 自動販売機のひかり
{引用=招待状}
時折 招待所が届く
ある時はコクトー
ある時は犀星
畠山千代子だったことも
メルヴィルの白鯨の一章だったりもする
だからと言っていそいそと出かけはしない
しばらく触 ....
茶柱が立った、が、すぐに座った、というか寝転んで、寝やがった。
気持ち良さげにプカプカと浮いて眠る姿に、あぁ何と縁起の良きこと。
もし私と言う人間が
この世界にもう一人いたら
私はもう一人の私と
きちんと出会えて語り合えるだろうか
もし私と言う人間がこの世界にもう一人いて
私と生き写しだったら
どうしよう
....
毎夜夢に現れる人達の
考えていることが見通せない
それぞれがそれぞれの意志を持ち
それぞれがそれぞれの言動を繰り広げ
夢の中はまんまブラックボックスだ
私の夢なのに!私の夢なのに?
....
スマホと
インターネットの普及が
もたらしたものは
人類の誰もが
表現者になり得る世界
正確にいうと
そう勘違いさせる世界
その結果
大量のゴミが
毎日毎日
止めどなく排出さ ....
家の財布からお金が出払ってしまった
家を買ったら
すっかりお金に余裕が無くなってしまったのだ
なのに嫁さんは家計簿つけてなかった
俺はそれなりに稼いでいたけれど
嫁さんは事情があって ....
ほろ苦い薬膳カレー胃を癒やすぜんぶ平らげ医食同源 らどみ
新聞はやめました
テレビ欄と死亡広告くらいしか読まなくなってましたから
三面記事の数行の事件や事故にも
興味を無くしてましたから
同じ時期に
町内会も退会しました
隣や近所の付き合い ....
くずれてく
私の顔が
シャワー注ぐと
あっという間に
なくなった
首から下だけの私
それにしても
顔だけがくずれる
それを知ってたのか
私はどこで考える
いらないのだ
....
この夜に目醒め
この夜底に触れる
私にはもはや
親兄弟家族親族はなく
現世的無縁仏だ
円やかな現世孤児だ
そこでは
私という存在が剥き出しで
そこでは
私が真っ裸のすっぽんぽ ....
家族だから、ですって
家族か否かって昔馴染みな軸だよね。
甘やかしてもらいあざーすです。
自転車を押す君が単線を渡ると
図ったかのように踏切が鳴り出した
いつものようにぼくは何もつかめないから
警戒色みたいな棒に文字通り遮断された
蜃気楼の中から電車が見えてきた
向こうの君は張り ....
メゾン・ド・ウジキントキ
●●●●●●●●●●●●●●●ひぐらしの声が 波だ〇
●●●●●●●●●●●●●●くらしの 高温注意報の〇〇
●●●●●●●●●●●●●はしばし ....
ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり在る
(空は妙に白く透き通り
皮膜の裏光り)
湖は波一つ立てず
こちら ....
逃げるように追う
生と死が紙一重で競う
ライオンが腹を満たした後
バッファローの白骨が赤土の上に横たわる
お前の第三の目はそれを焼きつけ
命が永遠に巡る清流を捉える
魔が差して 両 ....
やわらかいことばで
伝えようとすると
よけいにかたくなに
なってゆく
ひとは水なんだってさ
そんなことも
夕方にもなればようやく
ひとごこちのつける
その風 ....
空になった麦酒の樽が火傷する位に熱くなってる
アサヒビールも麒麟もサントリーもサッポロも
あっ企業名書いてしまったよ
まったくもってけしからんな
スーパーやドラッグストアやお酒の一般店から ....
小さなポシェットひとつで、あなたは何処へだって行けるんですよ。
もちろんポシェットふたつでも、おそらくポシェットなど持たずとも。
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