雨のダブリンは
まるで揺らめく炎のよう
遠い汽笛が木霊して
アスファルトを静かに濡らしてゆく 

(そのとき碧い目をした少年は
白い息を吐きながら
雨降る外をいつまでも
いつまでも眺め ....
水平が
輪になって
迫ってくる

目を閉じて
開け方を忘れた

手のひらをかたく
握ったまま
抱かれにいく

目があかないので
誰にかは
わからない
前方不注意で迷い込んだ森で
僕の死骸は笑っていた

それが実に正夢で
私は確かに発狂している

もう望んでない
もう恨んでない
上澄みだけが
強がって

僕を守ろうとした
無意 ....
         - Der Traum, wieder


一瞬で、どんな夢だったのか忘れてしまうが

胸が潰れるような氣持ちのさなか目覺める

かたちのないもの

かんがえにな ....
骨を動かすと
神様が降りて来る
筋肉を震わすと
宇宙が唸る

みんな、みんな
大好きなんだ
生きて息して
居て下さい

突き抜ける青、天空に
たましいは今日も饒舌だ



 ....
すっかり日々は暖かくなり
桜もいよいよ開花間近
なのに私の心は鉛の様
不安と恐怖が波打って
奥底から沸き上がる
(昨夜は凶暴な悪夢に襲われ
汗みどろで目が覚めた)

すっかり日々は暖か ....
 昨日。朝からの雨と風で、もしかしたら最後の勤務は営業休止になるのかもしれない。と、スキー場勤務最終日を期待したが、営業休止の連絡の電話は鳴らず、今シーズン最後の道の駅で時間をつぶすことにした。三月に .... {引用=焼香}
{ルビ鶫=つぐみ}を威嚇する
{ルビ鵯=ひよどり}の
声は形より
広々とこまやかに
震えた
春の微粒子
住宅地の雪解け水を
長靴で測り
黒いコートに受ける
日差しを ....
廻る廻る大地が廻る
壊し創る力は無尽蔵に
無作為に選ばれた人々の
哀しみの雨が降り注ぐ

(世界は只残酷に美しく)

廻る廻る大地が廻る
次から次へと命は芽吹き
哀しみの雨は
もう ....
少し高めの なるべく太い枝に飛びついて

ぶら下りながら 木の幹を歩き上がり

背面飛びで足元から滑り込むように あの枝に座り込む

もうひとつ上に行けるかな 立ち上がり 

手をかけ ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。 

その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。

膨ら ....
あの日地面がおおきく揺れだしたから
工場の高い建物さえしなりだしたんだ

工場内に積み上げられた製品がまたたく間に崩れだして
あっちこっちで悲鳴があがる

逃げなければ
俺は持ち場の非常 ....
{引用=読みたい本がある
明日にしようか
明後日にしようか
書店に行き
お金を払って
買って読みたい
詩でなくとも
ロマンスでなくとも
料理でなくとも
指で頁を繰り
じっと ....
僕は歩くことで
僕の思いを
知るのだろう 僕は
僕の中の道を
二〇一五年十月一日 「℃℃℃。」


℃■■■■■■■■■
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■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■
■■■■■■ ....
久しぶりに神保町に行ったので
ビニ本でも買おうかと思ったが
売っていなかったので
1970年代初期に活躍した
ニューヨークのユダヤ人詩人
ジョージ・ゴールドシュタインの
詩集「一日の過ごし ....
気配を交わす
凪いだ水面に立ちこめる霧のような
気配を交わす

かたちあるものは
言葉にしたものは
どんなにいとおしくても
見つめつづければ

 シュ

 ル
  ト
  ....
高いところから
低いところへ、
広いほうへ
明かるいほうへ

夥しい言葉の群れが
かたまり
解れ、また 縺れ
しまいに
いちまいの 布のようになった

それを拾いあげ
 ....
あの雲の向こうには
無窮の青空が広がる
それだけでいいんだ
私の生まれてきた理由は
音の滴、斑点となって飛び跳ね
郷愁、遠い深みから到来する

胸掴む憧れ、未知から溢れ出し
遡行する魂、源頭の水流を浴びる

振動する大地 、脈打つ心臓
  終わることのない命
   終 ....
しんとしたしずけさにつつまれていた

ときにゆれうごく
おおきくささえをうしないくずれてしまい
そうになる
かたむき
うつろい
みうしなう

いずれはまた
しんとしたしずけさに ....
口元から読経がながれる
もの言わず燃えたぎる焼き場にて
圧倒的なあの世が降りてくる

惜別をぶち抜く感情のほとばしり
わなわなと肩が共鳴する後ろ姿
人目を払いのけ崩れ落ちる黒影

命に ....
行くあても無く歩行する
真っ青な夜に靡く草原を

やがて月の照る浜辺に出る
遠く漁り火が燃えていて
忘却された団欒のようだ

月光がつくる海の道が伸び
僕は何処までも歩いていく

 ....
かちゃり。
ネジを回す。
ドビュッシーの月の光。

オルゴールを買った時
隣には母が居て
父が運転する車に乗って
鳴らしながら帰っていった
みんな笑っていた

あれから何年も経った ....
2011年の詩から





フェルメールの少女


振り向いた君は
何を見たの
輝く真珠
珍しい果物
かわいい子猫

振り向いた君は
何を聴いたの
彼の ....
大好きな女と離島で暮らす
大嫌いな奴と仕事をする

愛情たっぷりの野菜を食べる
つまらないことでも悩むのだけれどもね

まあ確かにいいかなって
とても酷薄な人生のやり口だ

計画経済 ....
元気におなりください、って何回も言ってるお母さんの影にかくれてじっと、屋台の光を見ていたの。お地蔵様の赤いべべが汚れてしまって、お供えしたポッキーが雨の日に溶けて、わたしは蟻の道から欠片をとりあげて、 .... 青い夜の風の匂い
君に包まれていたあの時代
虚無の底に引き摺り込まれ
虚脱しながら僕は嗅ぐ
そこに浮かび上がるものを
掴み取ろうとして

今、独り寝の床のなか
自らの熱を感じながら
 ....
今日まであっという間だった気がする
母なる大地を旅立ってから
長い道のりを長いあいだかけて歩いてきた

海を渡り
西部を目指し
石油を掘り出した

進出し
征服し
理解し
制御し ....
無感覚の壁がある
その壁をとおれない感覚が
たえず壁際に降りつもる

無感覚の壁は
何を守っているのだろう
世界から自分を
自分から世界を
あるいは
自分から自分を

君の声がき ....
道草次郎さんのおすすめリスト(1084)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨のダブリン- ひだかた ...自由詩4*21-3-16
水平- はるな自由詩421-3-15
死骸- TwoRivers自由詩13*21-3-15
ひとでなし- 墨晶自由詩6*21-3-15
たましいと骨- ひだかた ...自由詩521-3-15
春の肉感- ひだかた ...自由詩421-3-15
今日からは道の駅には寄らない- 山人散文(批評 ...7*21-3-15
反省なんかしない- ただのみ ...自由詩7*21-3-14
春の記憶- ひだかた ...自由詩821-3-13
木登り- 短角牛自由詩4*21-3-12
見えるもの・見えないもの(改訂)- ひだかた ...自由詩921-3-12
あの日地面がおおきく揺れだしたから- こたきひ ...自由詩921-3-12
春の本- 津煙保存自由詩7*21-3-12
夜の散歩- 番田 自由詩221-3-12
詩の日めくり_二〇一五年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*21-3-12
ジョージ・ゴールドシュタイン詩集「一日の過ごし方」- 花形新次自由詩221-3-11
気配を交わす- 塔野夏子自由詩3*21-3-11
なんかいも忘れなおす- はるな自由詩621-3-11
アオゾラ- 渡辺亘自由詩321-3-11
螺旋- ひだかた ...自由詩7*21-3-10
しん- 入間しゅ ...自由詩421-3-10
焼き場にて(改訂版)- 宣井龍人自由詩10*21-3-9
歩行- ひだかた ...自由詩12*21-3-9
オルゴール- 月夜乃海 ...自由詩321-3-9
2011年の詩から- ナンモナ ...自由詩4*21-3-8
天文少女のうた- 梅昆布茶自由詩1321-3-8
お地蔵様お地蔵様- 這 いず ...自由詩421-3-8
青い夜の風の匂い- ひだかた ...自由詩521-3-7
覆水盆に返らず- 六九郎自由詩221-3-7
青い鳥のように- 塔野夏子自由詩2*21-3-7

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