夫が「コロナ感染者濃厚接触者」になって帰宅した
お相手とお互いマスクはしていたけれど
数時間対面で事情を聞いていたので
後からわかったのだけれど
「コロナ感染者」との濃厚接触者と認定された ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている
その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく
....
毎日後ろの家の犬が午後3時頃になると
鳴き始める
うちのワイフが散歩に連れていくまで
鳴いている
一方
横隣の家の山羊が
僕の顔を見ると鳴き始める
飼い主が出かけて淋しいのだろう
また ....
ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている
脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡 ....
人のいる場所を歩いて来なかった
だから怪我ひとつしないで
守った心が大きく育ち過ぎた
重なることもなく
はみ出していくから
ひっくり返せるはずもなく
わがままなフライパンを
目に ....
自転車を
練習している子供
を見守る父親
をベンチで見据え酒を飲むオヤジ
を横目に通り過ぎるカップル
を素早く避ける宅配の自転車
が行き交う
駅前広場
をホームから見ている会社員
....
かつてこの星には100万の
小世界があった
1億の集落と1千の都市国家
黄金の旗がなびくここちよい風が
すべてのサーガがいまでも生きている
きみは英雄でもなくパーティーもなく
大河 ....
外へは行けなかった
気持ちは列になり
この部屋で待ち疲れたよ
洗いざらしのシャツと
過去の自分にアイロンかけても
折り目に負けずに
歩いて来たから
胸が焼けるほど熱く
君を愛した日々も ....
洋画なら
ザ・エンドとかファインとか最後に文字が出る
邦画なら 終わりか、完結の完の文字が出る
最後にそれが出て初めて終了になるんでしょ
始まりから終わり迄の途中経過を鑑賞するのが
映画 ....
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」
いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....
そこにいたねこ
にげてった
ねこどこいった
そこにいたねこ
どこいった
にげたねこ
こっちみてたよ
もうこないかな
あのねこは
ねこにげて
ねこのいたとこ
い ....
はてさて、みぎを選ぶべきか
はたまた、ひだりを選ぶべきか
どうにも悩み疲れたのなら
みだりを、ぜひ、どうぞ
みだりが何者かと申しますと
物腰の柔らかな気のいい奴で ....
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった
静けさに沈む
何もない
静けさに沈む
足場を欠く
俺の肉体と意識は解離したまま、
新緑の芳香をひたすら嗅いでいた
そ ....
種明かしは
いくつすべきか?
欠伸のせいにした涙や
大丈夫と笑ってみせたこと
本当は
と
言ったそばから
嘘になる
さしあたっては
感傷を俯瞰しよう
一歩下がって
....
蜘蛛に羽根を捥がれた蝶のように、
貴女は苦しみに満ちた微笑みを浮かべていました。
(海が頌歌を歌う)
貴女は{ルビ他人=ひと}を救っても良いのです、
その心には優しさと慈愛とが満ちているの ....
優しい魚が生まれてくるまで、
君は{ルビ汀=みぎわ}に立って待っているといい。
「生まれ変わったら何になりたい?」と、聞いたら、
君は「イルカ」と答えた。
イルカでは魚を食べてしまうだろう ....
言葉も体と同じなので、つかわないとこわばる。動かしかたがわからなくなる。
さいしょはねじを巻くように、ぎしぎしと動かす。だんだん関節が動くようになって、のびやかになる。ストレッチ。何でも試してみ ....
あちこちで花が咲いてしまった。もう少し待って欲しかった。
ま新しいランドセルを背負ったむすめは、昼にも夜にも、こわいと言うようになった。わたしは(どうしてそんな愚かなことをと思うけど)なにが?と ....
言葉に足が生えてどこまでも歩いてゆく
一日歩いて倒れる言葉もあれば
一か月歩きっぱなしの言葉もある
中には百年、二百年、いやもっと
歩きっぱなしのものもある
いったい何処まで行くのだろう
....
人の瞳にだけ映っていた幻
からっぽが呼吸している無風の箱
各々のどうしようもなく遠い個々
花畑みたいな色の花が咲く
稲穂の先のビー玉の喧騒
夢はわちゃわちゃ過ぎていき
白雲もくもく青空に湧く
花の街には太陽燦々
老婆と少女が手を繋ぎ
廻り廻るよ廻り廻る
死の標的を撃ち抜いて
生の目醒めに眩め ....
永遠という言葉を求めて、永久という言葉を求めて、
君はどこをさ迷う?
地球の砂漠? 火星の大地? それとも水星?
無限は何のよりどころにもならない。
一つだけ落ちてきた言葉を受け止めて、
....
ちょっと寂しいけれど熱っぽい宇宙
ワンダークールな時間の始原をゆめみる
いつも隙間だけで君を愛せたのだろうか
それともそれはただの幻想だったの
いつも反論がむなしいように
そのひとが ....
こんな時間に目が覚めて
どんな時間?
草木も眠る丑三つ時に
いずれ一人になる
その時にこんな夜に
また荒廃体験に襲われぬとも限らない
その時が来たら
自分の持 ....
{引用=カルボナーラ}
authentic
{引用=本物の}
classic
{引用=古典的な}
genuine
{引用=純正の}
original
{引用=原 ....
もしもあなたが詩人になるというのなら
その時点で未来はすべて捨てなさい
あわよくば名を上げて、などと
考えるのならはじめからやめておきなさい
もしもあなたが詩人になるというのな ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く
二度と取り戻せない時の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不意 ....
絵を描く猫を描いた『絵になる』という題名の絵を描いた猫
ドーナツに穴があいてるのは多分トポロジーの例にあげるため
歴史上の人物の言葉はあまり信用しないようにしている
....
草心 1
{引用=
その薄さだけで
大気にさらされ
風に嬲られる
大気という
混沌の暴力のなかに
その薄さだけで
}
草心 2
{引用=
折れるほどの細さに
....
今週の頭に
排骨湯麺の旨い店を見つけて
はいこつたんめん?
パーコーメン?
って初めて食ったんだ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37