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 出会ったのは夏のこと。それから、秋になるまで歩きつづけた。何も持たずに僕らは歩いた。夕暮れから夜になるまで。砂を踏む足音はやがて、乾いた枯葉色に染まっていった。 

 荷物を持たずに歩く僕ら。足 ....
都バスの中から見ている
外はみぞれまじりの雨(とても寒い)
信号で止まるたびにエンストしている
86番のバスは日本橋三越行き
いつも右側の席
東京タワーがよく見えるから
その輪郭はあまりに ....
楽園の夢を見た
この世界ではいま
それが必要だから

まず
都市計画の話を
人間の楽園の話をしよう

ペブルビーチ
サンドビーチ
エプコットビーチ

椅子に座って
話をしよう ....
*
声とともに遠ざかる
深い闇はいつも僕の外側にあった
それは宇宙とつながっていて
私はそこにひかれたの、と彼女は言う

その声に僕は身をかたくする
夕暮れに開け放たれたテラスに
路地 ....
 月を追いかけて走る列車の窓に、遠く盆地の灯りが瞬く。小さな灯りのひとつひとつに、ことなる色があり、匂いがあり、温度がある。それを列車の中から感じるとることはできない。
 車窓を通りすぎる灯りの ....
 静かな夜。まだ眠くはないが、電灯のスイッチを切る。大気が重みを増し、数百メートル離れた隣家から冷蔵庫の低いうなりが伝わってくる。窓ガラスに埃の粒が当たる音がする。ひとつ、ふたつ。そして、目がだんだん .... *
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける

小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
ゆかりのある人たちのむれをぬけて
すべる大地を軽くふんでいく
遠くに小さなあかりがあって
それは僕たちのようにもみえる

あ、いま僕たちって言った?
声が聞こえた気がして立ちどまる
無音 ....
*
目覚めると音のない世界
カーテンの隙間から灰色の光が射している
明けていくカーテン越しの光のなかで
青磁の肌が鈍く輝く

この部屋はこんなふうに朝を迎えるんだね。
僕は君を置き去りに ....
木葉 揺さんのカワグチタケシさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無題(出会ったのは夏のこと〜)- カワグチ ...自由詩507-10-14
クリスマス後の世界- カワグチ ...自由詩506-1-29
都市計画/楽園- カワグチ ...自由詩14*05-8-28
- カワグチ ...自由詩6*05-2-6
初雪- カワグチ ...自由詩5*04-12-29
無題(静かな夜〜)- カワグチ ...自由詩9*04-12-21
もしも僕が白鳥だったなら- カワグチ ...自由詩12*04-11-20
- カワグチ ...自由詩6*04-10-22
ANOTHER_GREEN_WORLD- カワグチ ...自由詩51*04-10-1

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