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彼氏彼女という言葉を
つい使ってしまう僕らこそ
恋人、という言葉を選びたい
透明な香りのなかに
いかにも誠実な覚悟がある
修飾語が何であれ
その語尾からは
謙虚な羞恥 ....
電話がかかってきて
行ってしまった
幸せになるんだ
といって
コケリンドウの
花をみつけた
ちいさな青
の付け根のあたり
淡く
消えそうなものに
私はいつも憧れる
たくさ ....
みんなで
海、行こう
今すぐ行こう
水中メガネなんて
海で買えばいいよ
母さんの
あの向日葵のボレロな
裾をめくって
叱られる前に
駆けぬけようぜ
追いかけて
波を追いか ....
沈みゆく陽の揺らぎ
それは
遠く、ただ遠く
待つことの幸せ
青いさかなの首飾り
それは
諍いのない空の果て
明日を生きる
水のこと
夜光虫の静かな灯り
ちいさく
名前を呼 ....
明るい空から
さわさわと緑の雨が降るから
おまえの誕生日は
いつも濡れている
水色の
ローラーブレード
畳の上で
肘あてや膝あての
具合を確かめている
それは
おまえを守るため ....
かつん、とネジが落ちてきて
気づいたの
あの銀色の月は
機械仕掛けなんだって
黒い蝶が
りらりら羽ばたいて
夜の甘水を渡っていく
世界が
どんなに張りぼてだって
眼に映る ....