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入道雲の浮かぶ
背丈ほどもある草むらの
風の抜けていく
ふかみどりに、時折
沈むようになった鉄条網
(U地区)と
わたしが、そう
呼びつづけた街の住人
たちが、みなで立てた
鉄の ....
夜な夜な
あなたが台所から
空のボウルを持ってきて
食卓に置いた
私を人差し指でさして
「空だ」と言う為に
白のテーブルクロスに
私を寝かせて
殴り始める
夜な夜な
ボウル ....
起きている時に
見る夢はきぼうなんて、
呼ばれていた、気が
しません、か?
暗がりに落ちて、
蜃気楼の町が
ホワイトビィラ102号室に上がり込んできて。
わたしを睨んだ。
....
体の大切な部分から
どんどん小さくなる
チャーリーは今、
暖色系の床の隙間に
私には見えない
1ミクロンの狭間に
残されていた最後の
チャールズが
落ちていくのを
眺めていました。
....
雨が降った。わたしは雨の足に圧迫された。爪先から踵まで力に満ちた足は、わたしの体に、触れず、目の前を塞いでいく。雨水の、どの部分も干からびていて溢れてくる。一粒でも零れると、それは止まらなくなり、旱魃 ....
父と母が愛しあって
墓まで一緒なのか
私にはわからない
あいしあう、
響きだけで、どこか
あたたかな国で
糸や針を使い、あいと
しあうは繋がれて
いるのかしら
抜糸、される事はなく
....
あの子が
シャボン玉を抱えて
わたしがみちみちと
はえている歩道に
立っている
唇の薄皮を摘み取って
よいことばを
鈴に詰めてしまった
火曜日の光景です
あの子は
三週間おきの ....