忘れ野のかた
 吹きこゆる

 はこばれ風は
 たまゆらな

 明星いろの
 露に満ち

 咲きみだれ降る
 いにしへは

 冷たい相と
 星あかり

 めぐる命の
 ....
「あなたの精液をサンプルとして
採取させてください」
という迷惑メールがよく届く
だけどもし
迷惑メールは迷惑メールに違いないけれど
もしほんとうに
真夜中に死ぬほどの孤独にいたたまれなく ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々



昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
そうです
世界から隠れて
潜って居られる場所が要るのです

まじりけない初期衝動とだけ
ひたすらに戯れて居られる
そんなパラダイスを
とめどなく夢見てしまいます

子どもじみているの ....
朝の海には光しかなく
頂をすぎる風
うすい雲を呼吸するものには
既にそれは海ではなく
折りめ正しい紙の翼の
つけ根に震える飛べない心


枯れ葉の熱に渦まく白金
土が ....
我が子の繊細な横顔の
そのとりわけゆるやかな{ルビ頤=おとがい}に触れたくて
私は
そっと静かに手を伸ばす
触れたい
触れたくない
その繊細な構造を知りたいのに
やさしい{ルビ頤=おとが ....
大阪駅
十一番線

遠い目をした
電気機関車

  彼方への思いだけで
  切符を買いはしなかったか?
  帰るという意味を
  部屋に忘れてこなかったか?

いつもどこかに
 ....
国語の教科書
「急がないと」の「急」が
「魚」に見えた

魚がないと大変だと思っているうちに
心もひれになって
ふわふわと泳ぎだした

先生や友達もみんな
大きい魚や小さい魚 ....
  

もう自分の場所に
やすらぎがあるので
という理由で
前に進むことを停めた友へ


アガー整骨院は
久茂地交差点の近くにある
それは痛いという意味なので
痛くなったらおいで ....
しまわれたミシンのように寝た夜

確かにじわり夏が
やってきて
背中は
しずかに暖かい

窓から伸びて廊下まで臨む
虹には
家族誰ひとりだって気づきはしない
だから明日の
朝食の ....
距離にたたずむ私の{ルビ首=こうべ}は
ついに飛び去ることはなく
天と地を結び
{ルビ収斂=しゅうれん}を{ルビ咽下=えんげ}している

星々がめぐり連なる
境界
深く眠る視線は果てを知 ....
つめたい指をしている 
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた

ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす

うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている



きみがした ....
独り言が止まらない

にやってくる


全身のけだるさを乗せ
仰向けに寝たならば
月の光が眩しくて
私は私への質問が止められない
私は私への回答で忙しい

滔滔と
滔滔と
 ....
重さ、とは
預かること
預かる、とは
許すこと
許されること

必然的に張り巡らされた
偶然によって
僕の細胞は君の細胞と出会い
やがてまたひとつの
重さとなった

雨が降って ....
空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした

ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
邪魔な清いものから葬る
熟れた憎しみは
やさしい殺し方を知っている

刺すかわりに 微笑み
逃げられないように 思いやる

決して ひどいなどと 回りにはみせない
とどめは 自 ....
 いっしゅん、と呼ぶあいだに
 かのときは過ぎ去る

 きみもそう

 きみをみつけたそのとき
 きみはもういない


 
 夢を書き記すくせがついたよ
 ひとは忘れるいきも ....
でもね
ショッカーにもママがいるのよ
って教えてくれた
幼稚園のさゆり先生が
交通事故でびっこになってしまったと
ママが教えてくれた

ボーイフレンドのバイクで事故ったのだ
ランドセル ....
鎌倉に住む私は
古びた寺の庭園の水の滴で岩を掘る
{ルビ水琴窟=すいきんくつ}の{ルビ音=ね}を忘れ
日々グレーのスーツに身をまとい
コンクリートの街並みに染まる石像群の一人として
朝の川の ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた

草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい

わたしは昨夜見た夢を覚えていない
 ....
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 .... 生まれたことを
ふだんから考えているかわからないで

生まれたことにささる月影がきれいで
わたしはここにいました

犬が吠えていて
寒くて
でも
少しずつ
結晶になる世界
お母さ ....
年が明けてから まだ太陽を見ていない
外には{ルビ只=ただ} 冷たい雨音

静かで薄暗い正月


神棚に手を合わせたら
{ルビ揃=そろ}えた足元の床がへこんでいた

町では偽 ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう

何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
言葉を紡いでいる人がいるという
言葉の繊維を解きほぐし
紙にしたり
糸にして布にしたりしてから
その上に文字というものを書くのだという

最近は、
言葉が不足しているから
誤解 ....
白い空を数年振りに見た
忘れ去っていた朝の風景
身体の中の狂った時計のネジを巻く
鏡の中の自分の顔に化粧する
少しずつ笑うことと泣くことが同化してゆく
欠けたものは戻らない
せめて偽ること ....
この間、ネットで古本情報を検索していたら、私の昔の詩集が百円で売りに出されていた。
百円かあ。妙に納得したりして(笑)

さて、だいぶサボってしまったので、あんまりやる気が起こらない。でも大晦日 ....
雨や 雪や
青のこども
葉のうら ひたい
金のふるえ


さしのべられた
指のかたち
空の穂になる
うたごえになる


やわらかな
ざわめきの四角
とじこめた色 ....
霜天さんのおすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星ノ瀬渡り- 朝倉キン ...自由詩306-1-14
迷惑なお願い- ZUZU自由詩8+06-1-14
花監禁- 千月 話 ...自由詩14+*06-1-14
Hide-and-Seek- 塔野夏子自由詩11*06-1-13
降り来る言葉_XXI- 木立 悟自由詩506-1-13
温度- 日和自由詩10*06-1-13
駅・十一番線- たりぽん ...自由詩12*06-1-12
水族館- たもつ自由詩1006-1-12
連音/ほうげんふだ- AB(な ...自由詩806-1-12
- 便乗鴎自由詩4*06-1-11
臨海イズム- こしごえ自由詩10*06-1-11
ゆきうさぎ- 落合朱美自由詩23*06-1-10
このはれた_さむいひに- 岡部淳太 ...自由詩13*06-1-10
とめどない思考- 岡村明子自由詩406-1-9
誕生- たもつ自由詩1806-1-9
奇跡の日- 落合朱美自由詩18*06-1-9
陽射しに- 砂木自由詩9*06-1-8
なつかしい痛み- 八月のさ ...自由詩306-1-8
ショッカーにもママが- ZUZU自由詩2706-1-7
空の色- 服部 剛自由詩10*06-1-7
冬に白い靴で- 銀猫自由詩14*06-1-7
パレード(いっそのことのための)- nm6自由詩1606-1-7
生まれたことを- 石川和広自由詩11*06-1-6
初夢の青年- 服部 剛自由詩13*06-1-6
スズラン- 阿麻自由詩20*06-1-6
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
暗号表- あおば自由詩11*06-1-6
ライフ・レッスン- スイレン ...自由詩9*06-1-5
三匹が斬る〆_現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻__其 ...- 肉球マニ ...散文(批評 ...605-12-31
ノート(青のこども)- 木立 悟自由詩805-12-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60