ありがとう
ありがとう
たくさんの思い出を
ありがとう
ごめんなさい
ごめんなさい
たくさんの失礼を
ごめんなさい
さようなら
さようなら
また会う日まで
さようなら
....
ぬくもりは、いつも
土の匂い 木の匂いで出来ている
どれほど年老いても、銭湯の湯気の中
その存在感には
富士山も
霞んで消えて、行くばかり
角材を担ぎ上げる姿 のこぎりをひく横顔
....
まだ
遠いところにあるようです
いつもぼくらからは 何かが垂れてきてしまって
どうしようもなくなってしまうのですが
雲が浮かんで ため息が白い冬のせいにして
久しぶりに知る その気持 ....
花が咲きました
あなたに
そして
わたしに
その花びらは
透明なので
けして目で見ることは
できないけれど
こぼれる笑顔で
わかるのです
その花の
清らかさ
うつくしさ ....
冷たく、重い空気の中
青空の下、広がる寒さに窓を開け
私はただ、春を告げる風を待つ。
その目は空を見つめるばかり
見えない何かに追い詰められ
見えない何かを常に恐れてる
{ルビ孫娘=わたし}の声も届いているのかいないのか
間違いなく{ルビ嫁=かあさん}の声はもう届かない
....
まだ明け切らない静けさが、寝苦しかった空気を風に乗せる
この町の朝は早い、大きな篭を天秤状に担いだ女性が傍らを通り過ぎる
現地語の上手く話せない僕は、取繕った笑顔で「おはよう」と呟いた
彼女たち ....
“おかえりなさい”と
風に揺れてる 桜草
思わず 微笑みかえしてしまう
不思議な春の魔法
夜空になみなみと星を注ぐ
暗い夜空が明るい形を描くまで
月に近い屋根の上で熱いココアを飲もう
夜空からこぼれる星屑をコップに受け止める
僕の傍で
黒目が星をうつすキャンバスになる ....
ある晴れた日
手紙を出しに行くとポストは
「秋だなぁ」と
しみじみもらし
それから私に気づくと
真っ赤になって
照れていた
しとしと しとしと
私の心に降り続ける
神様の涙
いつまでたっても
降りやんではくれない
意地悪な涙
どんどん降り続く涙が
水たまりになって
私の心にいくつも
鏡をつくった
....
冬の陽は降り
地は紫になり
雪は一言に昇る
翼は一瞬を負い
朝を蹴立てて
音は姿を撒いてゆく
雨のつづき
戻らない色
薄目をあけた午後の
窓に映る抱擁
すべ ....
なんとなくの予感が外れ続けて
はずだったのに
ですぎていくことが多い
僕は全てをそれなりにうまくこなして
相応の評価を浴び続けるはずだったのに
と思いながら過ごすと
現実はぜんぶ見当違 ....
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