なんと呼ばれる鳥なのだろう
石段の不揃いな傾きに
しっとりと煙る霧の中
コードの巻かれた掃除機は
底辺の視界を黙々と追っている

ガラガタリと小さな車輪を回し
苔を舐めるように登って ....
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない

〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
こんな日は自分以外の誰彼の必要性を問うたりしない


遠い日の約束 あれが最後だと分かってたなら守っていたよ


東から西から差し込む宵闇が君をさらってさよならもせず

 ....
覚悟が
さざめく朝陽のまえの胸のシメツケから
僕の喉元に
つきあげている

愛している

コンビニの尽きること無い、
子供の頃には
なかった
変な灯り

愛している

歩く ....
ゆらんとした
わたしのおなかのなかで
じゅうぶんな呼吸をし
みちみちて
のんだり 跳ねたり 食べたり
していた
もう うまくは
おもいだせない
ゆうべ
かっこうわるい
シャツの柄
 ....
ステンレスキッチンに置かれた
一枚の紙切れ
強烈に窓からそそがれる
陽射しにめまいしながら
水をのんだ
昼の電波網では
とにかく男と女が終止
運命の出会いをくり返している
のに中庭には ....
空のくちびるのまわりを
たくさんの魚が泳いでいる
曇の奥の曇に染まり
行方は次々とひらいてゆく



涸れ井戸を囲む湖に
金属の破片が降りてきて
細い道のあつまる道に
 ....
 
  ★ 落ちてくるラメ入りの空
  高架線の駅からは
  遠くが見える
  夕方のラッシュ時の
  高校生のおしゃべり
  同じ空に目をくれるものはいない
  みんな街に帰 ....
 少しだけのしあわせなら正解です
 屋上の端っこで見上げる夜空の月は
 名もなき白い花の花弁がめくれるほど
 唐突にこわいのです
 こわさの延長線上にすでに伏せ字になって
 しま ....
夜中にふと
トイレに行きたくなる
でも起きられない
ほんとはまだわたしは眠ってる
暗闇のなか

いろんなことを思い出す
並列した思い出たち
クリックしたらすぐ次のページに行くよ
かな ....
愚かにも駅の天井を何故
消化器官に似せてしまったのでしょう
そこでは、羽音震わす蛍光灯
その仄青い痙攣から逃れ切れず
静かに分裂した影の群れが
仄青く集う硝子、地下鉄のドア

 ....
スプーンに 乗っている
人待ち指 

のぞきこんでは
大きな眼ばかり

いたずらに
一周させて

どうしても
のみほしてしまいたい
ポーズは

さっき
はじめた
大粒の涙が
ちんまりと正座して
嗚咽をこらえ
ぽろぽろぽろぽろ
反省している

それを見ていると
ついつい
ついつい
よかよ
もう、よかよ と
ぼろぼろになって
頭をなででしま ....
光ではないものをずっと見ていた
ゆらめく夜をずっと見ていた
倒れるために在るものばかりが
わたしに向かって近づいてきて
わたしのなかへと消えていった



目の前に
目の前で ....
                    127時 @ハト通信

はんぶんにわって
かたほうを
わたし
となづけました
もうかたほうを
こまかくくだくと
おかねやじかんになりました
 ....
苦い
ひかりがやわらかに

そのまま
ゆれるカラダの中
あなたに
ねぼけて
述べるまちがいさえ
ただしさを
からみほどく

そんなことが
あなたのいびき
鼻くすぐる

さ ....
                    116時 @ハト通信

めそめそ
やぎがないています
またやってしまったんですか
めそめそ
おてがみなら
きっとまた
とどきますよ
めそめ ....
絵を見るときは絵だけを見るようにしてます。すごいなあとか、いまいちだなあとか心の中で思いながら。絵って要するに平面における色の配置なんだけど、すごいなあといまいちだなあとに(程度の差はあれ)全く分かれ .... 褪せた街に似合う青い蛇のようなものが夜、落雷のように足元をするり抜けていった。「早いよ、早いよ」と、遠い声。ネオンの西新宿に降るか降らぬかの小雨に湿り髪の毛のぼくが、古ぼけたコンクリートのビルが濃くす .... 他人に迷惑をかけないように
生きていきなさいって母は言った
幼いあひるの行列が
刷り込まれていくように

あなたは
もう気付いているとは思うけど
愛するということは
誰かを傷つけること ....
ハープの向こうに一切の音を描きその後がつながりません
かるいステップの先に髪をとかす輪郭はありません
目の前があちらに沈んでいきます
外気に触れる間もなく滲んでいきます
今はただの紙です
混 ....
立ち込める黒い雲の下で
ずっと穴を掘っている
解体されたぼくらの恋の死体を
埋める為
街は夜の鏡のように静かで
鳥たちはみな盲目の眠りのなか
指は、もはや僕の指ではない
きみと何年もの間 ....
そこには居ないものの影が
たくさんの影に混じっている
やわらかい草と硬い草の境いめを
音はまぶしくかき分ける



紫に囲まれた桜色の道を
ふたりは手をつないで歩い ....
鳴り響くパソドブレ
小さな扉が開いたら
まっすぐに駆けてゆくから
今、一番の死をちょうだい

マタドールとまた踊る
紅い波が憎らしく
私は私の方法で
あなたをもっと振り回してやる

 ....
それぞれの じんせいには
そのとき きもちにさいた はなを
そだてて ゆくときが あるのだろう

ひつぜんでも ぐうぜんでも
ただ そこにある かんどうが
ぼくらを つきうごかして ....
床屋から戻ると少年はいつも
美しい母の鼻先に
散髪したばかりの頭を近づける

あら、大人のいい匂いね

それでも早めの夕食が終われば
母は仕事へと出かけていく
男の人のもっといい匂 ....
カチャ
と音がして
鍵が開いた
開けちゃった
バカだね
バカです
だからなに
タバコの煙もくもく
さっぱり前が見えないよ
見えない
ひたすら
笑いっぱなし
くちぶえがきこえた

まだうまくはしれない
こいぬのよこで


のんびりはしれ
ってうたってた



くちぶえがきこえた

やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
砂塵に覆われたコンクリート
目を凝らせば
ほつれ落ちた枯れ枝、その向こう
目を凝らせば
灰皿代わりだった冷たい赤い一斗缶、その向こう
公園を閉じ込め続ける鉄条網、その向こう
澄 ....
100円の森であなたを捜す
あなたは私の5cm上で
森と遊ぶ

母さん
私は5歳です
あなたを見つけられなくて
今にも泣き出しそうなんです
今は大人の身体に居るから
平気なふりで立っ ....
霜天さんのおすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
掃除機- 湾鶴自由詩404-12-7
風だった- たもつ自由詩1804-12-6
はなれる- ピッピ短歌604-12-6
まったなしに流れて朝- 石川和広自由詩4*04-12-5
うたたねのすきま- 未詩・独白1004-12-4
「大目に_二合水」- ミネ自由詩8*04-12-4
音の轍- 木立 悟自由詩504-12-4
人はみな歌をもっている- 天野茂典未詩・独白704-12-3
- カンチェ ...自由詩804-12-3
レム睡眠- チアーヌ自由詩1604-12-3
地下鉄の花占い- A道化自由詩804-12-2
さら_さら_さら- 砂木自由詩10*04-12-1
正座する涙に- 草野大悟自由詩7*04-12-1
倒れるもの- 木立 悟自由詩504-12-1
はんぶん- アンテ未詩・独白6*04-12-1
勝手にねがいで- 石川和広自由詩5*04-12-1
めそめそ- アンテ未詩・独白16*04-11-30
詩だとか脳だとか- 青色銀河 ...散文(批評 ...704-11-30
退色未遂(Remix)- nm6自由詩8*04-11-29
あひるの呪い- umineko自由詩804-11-29
ある花は揺れて- 不老産兄 ...自由詩104-11-28
空葬- 本木はじ ...自由詩904-11-28
ノート(ふたり)- 木立 悟自由詩804-11-28
バレンシアの太陽の下- 木葉 揺自由詩8*04-11-28
ときのはな- 玉兎自由詩904-11-26
ヘアー・トニック- たもつ自由詩1504-11-26
- チアーヌ自由詩704-11-26
くちぶえ- 松本 涼自由詩14*04-11-25
その吐息のほどき方- A道化自由詩1004-11-25
母は100円の森で- たちばな ...自由詩16*04-11-25

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