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低い雲が覆い隠す
放牧場のある丘には
みっつの風車が立っている
ぎゅおん、ぎゅおんと
海にむかって唸って
いるはずの刻
{ルビ霞=かすみ}のように薄い雲が
まわっている時間を
見えなく ....
この、聞こえない左耳で
この耳で聴いてみたい音
それは、世界に
あふれる音ではないのです

時間を追い抜いていく時計の刻む
バンアレン帯に太陽風が吹き付ける
海溝の暗闇で深海魚のため息
 ....
風のための門を
行き来する影がみえる

波を越えて続く
その道を

懐かしさではなく
今日の温度で
凍えるだけ渇いて
鈴の音も響かせず
降り積もる雪の夕暮れ

雲母の肌が 幾重にもはがれていくのです
許されてしまう小さな嘘 をつくたびに
セロファンの音を立てたりはしないのです

涙の ....
落日
蜃気楼のよう
だけど蜃気楼じゃない

焼かれるのは
空じゃなく
今日という日の末路

果てるような
限界線
焼かれるのは空
じゃなく
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
花が咲き乱れ
緩やかに風が渡る高原を
想うのはもう やめた

  飛べないのではなく
  飛ばない虫

穏やかな海に向かう
明るい窓を
開けるのは やめた

  鳴けないので ....
熱砂の道を歩こうと
踏み出す先に砂漠はなく
求めた強さだけ
葡萄詰みの唄は遠ざかる

星座を大地につなぎ止めるもの
{ルビ哈密瓜=はみうり}の蔓、祈りのこえ
流れ星の落ちる果ては
岩と ....
大阪駅
十一番線

遠い目をした
電気機関車

  彼方への思いだけで
  切符を買いはしなかったか?
  帰るという意味を
  部屋に忘れてこなかったか?

いつもどこかに
 ....
  皮膚という薄皮の中に
  なまあたたかい
  生がある
  そう思いこんでいる

骨にまとわりつく体を
巡っていく流れに
生がある
そう思いこんでいる

  あなたとつない ....
風の筆で残す暗号は
地図のため息と
おたがいの足跡をかくして
いつも同じかたちに戻ろうとします

その度に行方は
なぎさに吹き寄せられて
波に、雨に、さらに細かく
見失ってしまい

 ....
 切符を切るカチカチと

  ポイントを温めるランプの炎の

   二番ホームに雪を踏む

    信号の腕木があがる

凍える両手に息を吹きかけたあと、空を見上げて吐息

    ....


これより10分間

朝を発信します



周波数を

合わせてください

昨日からの雨雲が切れて

西風は少し強く

夏が、燃え尽きていくようだ

明るい夕映え

僕の影だけが黒い
窓風に
遮断機の音
終電が出たあとに
こんな音を鳴らすのは
長距離貨物か寝台急行か
レールの隙間につまづきながら

(一日、伏せてたのかい、それはしんどかったね)

それが見知らぬ場 ....
修験者じゃない私は
望遠鏡ごしに
視線を投げ入れる


遠い異国の景色のようだ
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の
光子すらはらんで
みな本当の風を知らない

それらをすっかり失われた
古代の技術で精製し ....
学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を ....
霜天さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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