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独り言が止まらない
夜
にやってくる
舟
全身のけだるさを乗せ
仰向けに寝たならば
月の光が眩しくて
私は私への質問が止められない
私は私への回答で忙しい
滔滔と
滔滔と
....
風の暖かくなった
空から鳥が落ちてきた
インフィオラータを知っているか
無数の花びらで地上に大きな絵を描くのだ
極楽鳥や孔雀は空から落ちてこない
カラスとハトの
いつのまにか 大雨だ
....
いちょうのにおいをかぎわけるころに
どちらからともなく手をつないだゆうぐれ
言葉を待っているでもなく
色づいた葉が落ちていくのが
コマ送りのように目に焼きついて
図書館前の噴水は
夏を ....
赤ん坊の頬をなぜるように
水蜜桃の皮をむいていく
あなたの指が
汁にまみれて
窓から差し込む光に包まれている
甘い水が
赤ん坊の膚のような
産毛の柔らかい皮をはぐたび
したたる
した ....
冷ややかな朝に
渡る風の行方を見つめていると
どこかで古いレコードが回りだす
草原の朝もやの中から
湿った石の階段が現れる
五段ばかりで
他には何もないのだが
時を経て少し苔むしたまま
....
空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく
風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ
お母さん
あなたと同じように
私も
いつの ....