朝の虹が
ちぎれた雲の上にだけ見えて
鋼のかけらのようにただよい
光から 光から 離れてゆく



海の亀裂
雨後の花
浪に昇り
空に会う



海と同じ色の岩 ....
この街にあるピアノの
ひとつひとつに
シールのようなものを貼っていく

たったそれだけのことで
君との近さや
遠さを
はかることができるのかもしれない

僕の心臓のすぐ側
 ....

白く華奢な腕を振り
裸足で駆ける可憐な少女
誰かに似ている少女の笑顔
いつかどこかの夢の話 


電話のベルで目覚めた朝
寝ぼけ眼に受話器を取る
電話の男は慌てて言う
「素足 ....
a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
黄昏砂浜
半分埋もれた懐中時計は
壊れて逆回転をします
長針の影が伸びてきて
足元までは届かないまま
夜に溶けていきます

思い出と名のつくものは
一歩踏み出せば届きそうなところで
 ....
あのひとの黒髪をみたことがない
彼女は髪の長いひと
はじめて手紙をくれたひと
姪っ子にリンゴ飴を買ってきてねと頼まれて
祭りの帰りに
「ちょっと待っててください」
と闇の中へと消えたひ ....
曲がり角を曲がると
君がいた
僕は驚いて振り返り
逃げ出そうとするが手遅れ
椅子に座った君がいる
こんな道のど真ん中に
僕は舌打ちをし空を見上げると
電線にぶら下がってる君
わき道に目 ....
やわらかいからくるしいのでしょう。目をつぶれば、しょぼしびれるまぶたの裏側にそれまで見つめていた画面の裏腹が白く白く皮膚をとおりぬけるかもしれないと思いきやひろがる想像上のパレードに身を包んでも目の奥 .... 手のなかの金魚がたどる路
響きのための階段を
宵宮の光が駆け上がる
かわいた飲みもの 食べものの跡
においはずっとたたずんでいる



街にやって来た映画の群れ
ひとつの方を ....
かさむ 夜のしおり
長く 読み続けた 香りに

ぽとり と落ちた
蜃気楼

恵みの火
溶けない爪のくず

明日というものが
あるらしい

たたむ手を
寄り添わせないよ ....
3丁目の煙草屋の
3軒隣に住んでいる
3人の悪魔に魂を売ると
素敵なワルツを
3曲ばかり
ご指導願えるそうだ
そんな話を聞いたので
僕は喜び勇んで行ってきた
ところが どうだい
教え ....
まぶたをとじると
見えるまど
ぽかりとうかんだ
はんみのつきの
かなしいつきの
ひかり
廃校の机のうえ
はねるつややかな表音文字
琥珀色をした聴こえぬ
音のしずく

まるまるせな ....
 
 改札を抜けた人びとの足元に散らばった夕日の残骸を
 数えきれないうちに死は桝目の地面を漂い始め
 人びとは疲れ切った無表情で
 詰め込まれた電車の中と何も変わらな ....
ずいぶんたくさん
きんいろのいろがみをためこんでいると
おもっていたら
いもうとはにちようのあさはやくから
いろがみをこまかくちぎって
まるいだんぼーるにぺたぺたはりはじめた
あちこち ....
      反芻する夕食


週末の台所にジャガイモとニンジンが転がっている
牛肉は 今日には使ってしまわなければ
幻の牛の角に突かれる勢いだ
新作の辛口カレールーは
未だ使用された形跡 ....
 燃えてしまった本棚
 夏の初めに
 私は火事を出した
 寝タバコの根が
 羽毛布団におちたのだった
 それは現場検証で
 消防署員の説明で聞いた話なのだが
 ぼくの布団の片隅は
 真 ....
アライグマが洗い物をしていることで人気のレストランは
今日も客で賑わっている

時々厨房から
アライグマの鳴き声がして
その度に客から歓声があがる

嫌な人件費削減方法だ
とか
動物 ....
窓のふくらみの目がひらき
風をゆっくりと見わたしてゆく
どこからか来る黄金の音
越えてきた土の混じる音



目には青空と野が映り
どちらも南にかしいでいる
煙る碧と子らの手 ....
ノンシュガーなはずのコーヒーがやけに甘い
隣の席の黒い帽子の男が
ぼそぼそとなにかつぶやいている

路地裏から路地裏へ
狭い空がえんえんと追いかけてくる
どうやらこの街からは出られないらし ....
そら、なのか
から、なのか
どっちでもいいけど
「宙」と書いて「そら」と読ませるよりも
「空」と書いてなんと読むのかわからない
そんな曖昧さがわたしはすき

そら、だったのか ....
手を洗え
その身じろぎする小さい肉を
きみの野蛮な口に運ぶのならば
何よりも先にまず手を洗え


汚れた手で肉に触れてはならない、
汚れた手で肉に触れることは
その新鮮をそこなうことだ ....
虹を見つけるコツは
こまめに空を見上げること
雨のたび
忘れず雨上がりに期待すること


四つ葉のクローバーを見つけるコツは
誰かのために探すこと
本当は自分で見つけないと意味がないん ....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
渋谷だらけの東京を秋雨前線が通過していく
地下鉄は簡単
指先のさじ加減で喜ぶことも可能です
走れ!って ぎっ?

トルエンをやめて三年目の兄弟が叩くレジから発生した油
川の流れ ....
そして廃墟のような季節がぼくを微熱を帯びたむらさきにするのです

どこまでもすすきがひろがる枯れ野のなかで
あなたが動こうとしないので
ぼくは仕方なくすべての扉に鍵をかける
すべての窓に杭を ....
脂喰坊主は地下鉄の端で
ホームに顔を突き出して遊んでいる
駅員が慌てて止めるが
大丈夫
脂喰坊主は死なない
脂喰坊主はバツの悪い顔で笑う
それから
目を閉じてかっきり一秒
 ....
奈良のおばあちゃんが
11通りもへんしんできるマジンガーロボットを買ってくれるって言ったから
おばあちゃんと一緒にいたかったんだ。
そう言って、かえりたくないかえりたくないかえりたくない ....
テレビなどを見ていると
むかし憧れていたアイドルたちが、みんな
おじさんやおばさんになっているのにビックリする
そりゃあ、僕らも歳をとるわけだ
で、最近、酸っぱいものが無性に食べたくな ....
もう出会うことのない
未来の恋人たちに
かすかに血の匂いのする親密な
Hello



自転車の荷台にフランチェスカが座る
バスタブのお湯がフランチェスカのぶんだけあふれる
回送電車 ....
祖父のあとをついていく。

海を見渡す墓地で、親せきたちが鎌で草を刈る。わたしも草を刈る。

母が野の百合を、見つけ出した墓に供えた。

波は白い。
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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十月- 本木はじ ...自由詩704-10-14
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