伸びた髪にそよ風は阻まれ
わたしはまだ暑い
みずたまりの波紋が言い訳におもえて
それでも挨拶をおもいだせない
朝でも昼でもないこのとき

傘をもって闊歩する人間の
足音はここまでとどくは ....
  

守られないことを知りながら
またひとつ約束をする


もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ

嘘をつく


今日はしゃがみ込んだ君の足もと ....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
歩いて
歩いて
歩き疲れて

休むのももどかしく
また歩いている

俯いたり
見上げたり

黒だったり
白だったり

訳も分からずこぼしながら
ただ黙々と歩いている

 ....
                      communication breakdown (10〜12)

  花束

ちかくの花屋が閉店すると聞いたので
生まれてはじめて
花を買い ....
ここに来るまでずっと
つま先だけ
見ていた

たどりついたとき
誰かが待っていて
ほめてくれたりする
どこかはどこ

軒下に避難した朝顔も
こうべを垂れるので
昨夜から宿っていた ....
右手を挙げると
鏡に映る自分が左手を挙げた
右手を挙げさせるために
僕は左手を挙げる
外の方から小さな鳥のような鳴き声が聞こえる
空はまだ晴れているだろう
午後は爆弾を買いに都会へと行 ....
夜 が 鳴る

切れた 窓辺
背いた 天井

見知らぬ 幸
消えた 願い

夜 が 立つ

誰 を 救う
誰 が 救う
誰 に 救う

外 に 写る
夜 の 髑髏 ....
かすかに
しおのにおいがする

ちりちりと
おもいでが
こげてゆく

ちょうをひきずったなまこが
ぶらっくほーるへとほふくし
いるかが
わらいながら
ただよっている

やがて ....
君はただひたすらに自動券売機をつくっている
外、春はとっくに酸化してしまった
困るね、こんな雨の日は
花壇に水をあげることもできない
僕の手の中で冷たくなっている冷蔵庫
その扉を開け ....
どうしようもなく空に向かい
わたしは
影を失くす



足の下を踏みしめ
家々をすぎ
すべてに接する崖へと至る



見えない花のわたしは
ひとつの大陸でできた楽器 ....
コントロール、して、クローズ。巻き付いて離れないターバンのような頭痛が周りを跳ねて泳いでトビウオの羽が銀色に輝いて次にくるくると高速で回転してターンテーブルを指先で逆回せば戻るような軽やかな時間に華や .... くつがどうしてもうまくはけなかったので
あきらめてはだしでいえをでた
いしころとかがらすのはへんが
あちこちにころがっているので
あしをいっぱいけがして
がっこうについたときにはもうおひるま ....
私の紫陽花が色を求めはじめる

もう一度白い雨の日を思い描く

止まない雨はないのですね

白く白く煙のようにぬれていた

私の白い紫陽花を

一目でいいから見せたかった


 ....
むいしきの
おとが
きしむ

はんせい
はんせい
きょうも
はんせいって

あっちで
すべったって
こっちで
ころんだって

だめだめ
だめだよって

じぶんに
 ....
 
 知らない街で
 洗濯物が揺れている
 風に洗われて
 青空を映しながら


 知らない道に
 鳥の羽根が落ちている
 素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
 ....
・・・・・・父は営林署の職員だった。私たち家族は小高い丘の上に建てられた社宅のひとつに住んだ。数十軒の社宅が営林署の三階だての建物を円形状にとりかこみ、遠くから眺めると近世の城とその武家屋敷の集落のよ .... 首が痛いんだ
そんなこと言えないんだけど

首が痛いんだ
こんなに吐息を感じるけど

君が気に入ってるならそれでいい
君に気に入られるならそれがいい

でも
首が痛いんだ

「 ....
窓から世界が見えすぎるので
何度も何度も触れつづけては
指とガラスをたしかめていた
消えた素顔をたしかめていた



描かれた線に雨は重なり
音だけを残して見えなくなった
 ....
手足があったらヘビだって
歩いていたに違いない
晴れた日には日傘のひとつでも差してさ
そうだね、父さん
だからまだ
どこかで生きてて
いえのかたずけがひとだんらくしたので
えんがわにすわっていると
ぽろぽろ
そらからなみだのあめがふってきて
にわじゅうをみずびたしにした
みんなおしゃべりにはあきたらしく
しぶきをあげ ....
伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。


列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く


 ....
きいちごを
てのひらのまんなかに


そのとき
ぼくは
きいちごのまんなかに


ぼくは
ちのかたまりになって

なみだをなくす
かわきをなくす


ぼくは
きいちご ....
藪には花が咲いた
鳥の姿はなかった
銀を捜す風の目に
鳥は映らなかった



太陽は傾いだまま
午後の熱を失わず
光の刺さる音だけが
森のなかに響いていた



鳥は  ....
あのね もう 
いけないと おもったの

だって どろだらけで
おひざ も いたいの

こんな きたなくなったら
あそんでくれないと おもったの

でもね どうしたのって
 ....
話したことも無いけれど

重なるこころを
感じるのは
こうして
見つめ合っているからですね

どちらかが
目をそらしたら
そこで
終わってしまうかもしれない

もしくは
すれ ....
釘打ち
塞いでしまったピアノを
蓋の上から叩いてみる

かたい
なんてかたいんだ
という思い出


指先が充血して膨れる
針で突いてみたいけど
ただ赤いだけでつまらない
 ....
あしたがこないと
カラスが言った

あしたはたべたと
夕日が言った

あしたはにげたと
闇は言った

あしたは遠い空の上

きょうは輝く月の下

あしたはじっときょうをま ....
ピンポン球の
はねる理由を
知りたくて
開いてみたら
からっぽだった

どこかで
見かけませんでしたか
日が暮れていく、僕の脆弱な血管の中を
翼よ、あれがパリの灯だ
けれど、僕の翼はじゃがいもでできている
ポム・ド・テール!
大地のりんごよ、大空を飛べ、飛べったら飛びたまえよ

   ....
霜天さんのおすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
みずたまり- 船田 仰自由詩104-6-26
こときり- AB(な ...自由詩12*04-6-25
「こときり」- たもつ自由詩25*04-6-25
歩きたいから- 谷川美嶺自由詩204-6-25
communication_breakdown_(10〜12 ...- アンテ自由詩4*04-6-24
そのもの- 望月 ゆ ...自由詩7*04-6-24
模写- たもつ自由詩10*04-6-23
やみ_まど- 砂木自由詩7*04-6-22
うみのもの- 草野大悟自由詩5*04-6-22
ホームセンター- たもつ自由詩1204-6-22
ノート(器)- 木立 悟自由詩704-6-21
コントロール/クローズ- nm6自由詩1004-6-21
くつ- アンテ自由詩4*04-6-20
紫陽花#2- mayaco未詩・独白904-6-19
むいしき_の_おと- 玉兎自由詩4*04-6-19
知らない街_(2003.7.18)- 和泉 輪自由詩2304-6-19
スケッチ- みつべえ自由詩704-6-19
くっつきすぎ- 谷川美嶺自由詩304-6-19
ノート(白窓)- 木立 悟自由詩804-6-18
父の日- たもつ自由詩12*04-6-18
かなしいきもち- アンテ自由詩404-6-18
朱夏- 望月 ゆ ...自由詩9*04-6-18
きいちご- 松本 涼自由詩6*04-6-17
ノート(風)- 木立 悟自由詩404-6-17
やさしいひと_へ- 砂木自由詩14*04-6-17
鍵をください- 蒼木りん自由詩8*04-6-17
釘打ち- Monk自由詩604-6-17
あした_の_行方- 玉兎自由詩5*04-6-16
貼り紙をする- 黒川排除 ...自由詩804-6-16
じゃがいも- たもつ自由詩1604-6-16

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