入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}


  僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
  君に宛ててこの手紙を書いている


  {ルビ ....
灰は青く巻き取られ
奏でるものと奏でられるもの
かわるがわる入れ替わり
奏でるものもまた響き
明ける光に重なってゆく


小さな声が
小さな世界が
現われては消え現われる ....
富山から鎌倉へ帰る旅の終わりの朝
旅の宿を貸してくれた
姉が作ってくれた目玉焼きを食べながら
居間の床に座る3歳の{ルビ姪=めい}が
赤いリボンを頭につけたキティーちゃんのぬいぐるみに
話し ....
あたし達は多分
できかけのべっこうあめみたいに
ぐにゃ、ぐにゃ、してる

べっこう色、
きれいな固い肌も
もってないし

白い上白糖の、
さらさらした柔らかさも
なくしちゃったし
 ....
みんな投げやりだってこと
私たちは
体感したいのだ

本能には抗えないってこと
おなじ
罪人になりたいんだ

しかたないよねって

あなたの言うままに
ハンドルを切る
国道は
 ....
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました .... なーんも、やる気せんわー。



俺もー。

俺もー。

俺もー。

俺もー。
遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動、鳴動、鳴動、
大気は夜を続けるも
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
暗く目を開けるだけで
何かを促す性能はな ....
夏を告げる鐘が鳴ると
少年たちの中で 天国が走り出す
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して

静寂、というには
まだわずかばかりの音 ....
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の
光子すらはらんで
みな本当の風を知らない

それらをすっかり失われた
古代の技術で精製し ....
そんな恋は、落雷みたいなもんだ。遠くのほうでピカリ、と、気づいた頃には、サングリアのワインと果物のような関係でいたい。それで、ぼくらは届かない空も君も何もかもを見上げて仰ぎ、ピース、と言って逃げる。平 ....   イーサ・ダラワの七月の浜辺には
  遠い国の浜辺から
  いつのまにやら波が攫った
  いくつもの言葉が流れ着く
  

  嵐の後にそれを集めて歩くのが
  灯台守のワロの ....
 以前ボクは「家庭の詩学」シリーズの冒頭で、高村光太郎の言葉「詩学は詩の屍体解剖である」を引き合いに出し、詩の批評が嫌いであることを述べたことがありました。誰かの詩に優劣をつけたり、技術的、思想解剖し .... 久しぶりに実家に戻ると
父はまた少し小さくなっていた

質量保存の法則というものを
信じるのであれば
生真面目に生きることを止めようとしない父は
きっと
何処かで
何かを
与 ....
−詩に没頭してるオトナって、やばくない?
そうそう。ある意味ね。

−だから学生さんとかが、ばーっとイベントとか、やればいいんだよね。
−オトナは無理だよ、無理無理ー。

詩を中心としたイ ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる

空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
り りく 

蝶 の 足は
おもくなり

つかまっていた 草葉
そっと 目を 開ける

大きな杉の木 のてっぺん
見る間に越えて

生まれたすべてを かけて
のぼり ....
私が、よく考えることの1つに、作者と詩と読者の関係というのがあります。
関係っていうと、大げさかな・・・。お互いが、お互いをどう思っているか、というの。
それが違えば温度も違うということで・・・。 ....
ここで赤い魚の話をしてはいけません

最初の貼り紙は公民館のドアに貼られた
誰が貼ったのか
誰も知らなかった

次の貼り紙はあちこちのスーパーで見られた
誰が貼ったのか
店員も店長も知 ....
透明はいよいよ流線型に歪み
ところで季節も
そろそろ夜がいいではないですか
わたしの体の真ん中に
小さな芽が
顔を出しました

わたしはその芽を
大切に大切に
育てようと思いました

その芽は私の体から
養分を取るので
わたしは土になりました

数ヶ月 ....
霧雨の降るぼやけた朝の向こうから
「夢の国行き」と{ルビ記=しる}されたバスが近づいて来る

後部座席の曇りガラスを手で拭くと
数ヶ月前に世を去った
認知症のゑみこさんが住んでいた{ルビ空家 ....
きつく結う、
わたしの髪を、
わたしには見えない後ろ側で、
わたしの髪を、
きつく、結う、
その役目だった指々を、
ふと慕う、一日の終わりに、
嫌な煙草染みた髪を強く洗う、
 ....
  やさしさの
  形は何かと尋ねたら
  君は丸だと答えたね
  金柑蜜柑夏蜜柑
  すこやかに香り

 
  夕暮れの
  色は何かと尋ねたら
  君はまっすぐ指差して
 ....
最近の自分の作品をざっと読み返してみると
(ああ、これは私信だなあ)って、思う。

それが特定の誰かだったり、特定でない誰かだったり
あるいは過去や未来、さらには
時制を持たない自分だったり ....
夜を飲む
悲しみから
夜を飲む
とてつもない失敗から

失敗などないのかもしれないが
粗末にしてはならないものがある
ぎりぎりに追い詰められる毎日でもそれは勝手な僕の事情で
ゆるやかな ....
友達と仲直りをした娘は
昼食を食べ終え
さっさと青空の下に飛び出していった

子供同士っていいね
うん

娘たちは今ごろ
どのあたりを走っているのだろう
昨夜の小さなほころび ....
霜天さんのおすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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