ひろびろとした
大学の教室の
誰もいない
こと
たしかめて
侵入した

空調は消されていた七月の
ブラインダーの降りた
その場所で
母の作った弁当を

箸の音
なるべく立てず ....
考えるのを止めたとき
空は色をすいこんだ


ポカンと見上げて僕は
この地面の名前を忘れてしまう



しばらくは誰も
気付かないかもしれない

僕の一部もすいこまれたこと ....
たち揺れる緑にざわめく心預けて
車窓から今にも駆け出してしまいたい
そんな気軽な初夏の午後

寄る年波にけ押されて
表皮のシミに挫けた美貌の
本当のシミは
紫外線なんかじゃいつまでも焼け ....
生きているのか
わからなくなる 今

死んでいるのか
わからなくなった 過去

止まっているのか
わからなくなりそうな 未来

今はもう戻らない
過ぎ去っていく過去
嘲笑うような ....
早朝の慌ただしい駅のホームで
よれたスーツに身を包んだ
アンドロイド達に紛れ込む
ウィダーインゼリーを注入し
素早くエネルギー補給する私

死体を乗せた霊柩車のように
ひたすら突き進む急 ....
きもちをつたえようと
ことばをえらぶたび
むねのおくがずきずきいたんで
むねをかきむしるうち
かたいものがゆびにふれた
おもいきってひきぬいてみると
くすりゆびくらいの
てとらぽっと ....
 太陽から
 熟したとこだけ溶け出して
 夜に残った
 
 ぽったりとカスタードクリーム色の
 満月が
 今日はでていた

 あんまり見事だから
 僕はぼーっと見上げて立ち止まっ ....
擬似記憶を植え付ける
あらゆるモノの攻撃から 
真の記憶を保護するために

どれほど酷い尋問も
最先端のセンサーをも
擬似記憶は跳ね返し
脆弱な 剥き出しの心を護り抜く

バリアは鉄 ....
6月の29日

今日から日記を付けてみることにする
何か言いたいことがあるはずなのに    言えないでいる
そんな弾みで


6月の30日

特に何も無い一日
雨の日のよう ....
「明日、注文していたものが届くの」と
 少女が嬉しそうに笑って言う

 何を? 私は訊く

 すると

 少女は真顔で黙り込む
デートの帰り道

疲れて大あくびをしたら
そのまま体が裏返ってしまった

あわてて元に戻すと
君が泣いていた

ごめんね驚かせて
もう大丈夫だよ


言おうとしたら
君がく ....
このバスはどこに行くのですか?
運転手さんに聞くと
どこにも行きませんよ
と答える
もう走り出しているというのに
どこにも行かないとはどういうことなんだろう
不思議に思っているところで目が ....
庭につながれて退屈そうなので
犬をふくらましてみた

ふわふわと
ゆらゆらと

風船のように退屈していた
ホースを部屋に引いて
蛇口をひねるよう指示したら
部屋の中か水浸しになったが
わたしにはそれが
どういうことかわからなかった
その日から
大きな穴や小さな穴が
空からぽたぽた降ってくる

気をつけていた
時々空を眺めては

ふと気を抜いた瞬間
まんまと私ははまってしまった
受話器を置いた直後のことだった
 ....
 足の裏に体重がある
 芝生は必要な分だけ沈む
 暗がりの松林を背に湾岸高速が走る
 ゴミ箱と水道の蛇口には距離があって
 その間に
 水色の作業着の男が一人立ってい ....
 市立病院の待合室には
 老若男女、多くのひとが待っていて 
 呼ばれた名前と引き換えに
 番号札をいただけることになっている

 わたしの名前の代わりに
 渡された番号というデジタルデー ....
僕は思いきり夜を投げた
つもりなのに
君が受け取ったのは朝だった
仕方ないので
ぼくらは昼間から
昼寝ばかりしている
壁に描かれた
巨きな逆さまの音符が
錆びた扉を指している
軋む音のなか やがてゆるりと
道しかない道が現れてくる



うすくけむる明るい夜に
けだものは光を聴いている
ひ ....
ぼくを
ながくする
きょうのおわり

くうきうつ
かおにも
すがすがしい
ゆうぐれ

ほおをてらす
たいようが
ちへいせんから
ずらり ずり ずり
ずりおちて
ゆら ....
みにくいきもちは
みにくいまちのはずれの
みにくいしょうきゃくじょうのかたすみにすんでいて
みにくいごみにしみこんで
まいにちまいにち
みにくいほのおでやかれた
みにくいえんとつからた ....
わたしは窓から身をのりだして
身投げのような夕陽を見ていた
消える 消える と小さな声が
両手をあげて泣き顔で
通り過ぎる祭を追った



わたしは高すぎて
わたし ....
:うっかりおとした粗塩 
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯

それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます

羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....


はがき一葉
舞いこみ、大要、

「言語障害が発症しているようです。発作もなく、突然電話中に失言症になり、思う通り表現できなくなりました。脳血管障害なら軽い症状で、希望が持てますが、アル ....
僕は、いつものように、
かのん、と救急車に乗っていた。
かのん、は三つで
救急車はキライで
でも、救急車のおじさんはヤサシイ、
って言う。
透明な酸素吸入マスクのゴムがきつくて
イヤイヤ ....
 まず守りたいものを準備します。それはなんでも構いません。個人情報でも他人情報でも不倫の証拠でも消したい過去でも悪い成績でも仕方なく結婚した配偶者でもなんでも結構です。それをまず、柔らかい布で丁寧に包 .... あなたは流されて来たのだと言う
ただ水のように流されて来たのだと
このちっぽけな私の元に

私は湖のように静謐でもなければ
私は海のように寛大でもない
どうしてあなたを受け入れよう

 ....
郵便屋が大きな声で歌いながら
手紙を一通
白いペンキのはげかかった郵便受けに
置いていった
さっきのは春の歌だったなあ
と思いながら
熱い夏の太陽の下
僕は草をむしり続けた

 ....
うぐいすあんこの芝生には
昨日あそんだプラスチックが点々と
とりどりの花を咲かせ
雲の金糸から こぼれる朝露の
グレープフルーツっぽさよ
高速で自転し公転する地球に
ふりおとされまいと必死にしがみついている自分だ
朝が来て昼が来て夜が来るめまぐるしい展開に
なんとかついていこうと必死で追いかけている自分だ
あっという間に0に近似 ....
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